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プロローグ

※これは真面目な物語です。



 僕の名前はゼツ・リンダナ。

 リンダナ侯爵家の嫡男です。




 12歳になった僕は今日〈加護の儀〉を受ける。


 この世界の人は12歳になると【神官】の加護を持つ教会の聖人から〈加護の儀〉という儀式を受ける。すると天より加護を授かりスキルが使えるようになる。


 加護には様々な種類とランクがあり高ランクの加護はレベル上限が高く覚えられるスキルも多い。ただし加護は血筋や性格で決まる訳ではなく、どの加護を授かるかは〈加護の儀〉受けてみなければわからない。



 そろそろ儀式が始まるという時、父上が優しい笑みを浮かべ話し掛けてきた。


「ゼツ、不安か? 緊張が伝わってくるぞ」


「父上……。加護は一生付き纏うものです。 ですから、できるだけ良い加護を授かりたい……」


「がっははははははっ! 加護なんぞ気にするな! 俺の加護は【HN騎士】だが先代の領主は【N農夫】だった。 重要なのは責任感だ! このリンダナ領を守るという使命に責任を持っていればどのような加護を受けようともやっていける。 さあ、行ってこい!」


 父上は僕の背中を大きな手で押した。


 責任感――。父上がいつもいつも言っている言葉。

 僕はこのリンダナ領で立派な領主になる。 そう強く想っている。 だからもしハズれ加護が出ても気にすることはないんだ。


 僕が歩き出した先には王都からお招きした高レベルの神官様いる。


 普通〈加護の儀〉は12歳になった者達を集め、まとめて教会でおこなうのだが、僕だけは高位の神官様の〈加護の儀〉を受けさせたいという父の意向で、このリンダナ邸で神官様をお招きして取り行うことになった。


 我が家のホールには、次期領主の僕が〈加護の儀〉を受けるということで、親戚や領内の名主が集まり行く末を見守っている。



 僕は神官様の元へ歩み寄る。


「宜しいですかな?」


「お願いします」


 神妙しんみょうに頷くと神官様の前で片膝をつき胸の前で両手を重ね目を閉じた。


 神官様が詠唱をすると僕の体が眩しい光に包まれた。


 頭の中に確固たるイメージが出来た。 これが、僕の加護――ッ!!



 父上や母上、弟、親戚達が僕の周りに集まってきた。

 父上が僕に問う。


「ゼツ、どうであったか?」


「父上、あの……、えっと……」


「どうした? 何故言わんのだ!? 農夫や大工だって構わないのだぞ」


 皆が僕に注目している。 言わなきゃ……。


「ぼ、僕の加護は【MR無責任種付おじさん】ですっ!」


「「「 …………ッ!!!??? 」」」


「う、嘘を付くなッ!馬鹿者めッ! いいからステータスを見せてみろ!!」


 僕は〈ステータス光〉を顕現させる。


■■■■■■■■■■■■■■

【MR無責任種付おじさん】

Lv 0

HP 10

MP 10

ストロングス 10

アジリティ 10

インテリジェンス 10

■■■■■■■■■■■■■■


 この〈ステータス光〉は誰でも顕現できる。加護を受けていない者が顕現すると【】の中が【無加護】と表示される。



 皆が僕のステータス光を見て騒めき出した。


「ぷっ 農夫や騎士、魔法使いではなくおじさん? くくく」

「Rが付くから高位のレアリティだとは思うが、MRというのは聞いたことがない。 しかし無責任種付おじさんって ぷぷぷぷ」

「いひひひひ ここの領主も終わったな」

「おじさんだって、キッモ」

「ぷっぷっぷっぷっ 笑っちゃダメよ。 ぷっぷっぷっぷっ」

「ママぁ~、無責任種付ってなにぃ~?」


 会場は僕を嘲笑う声でいっぱいになった。


「ゼツよ。 こんな加護は聞いたことがない。 本当にこの【無責任種付おじさん】なのか?」


 明らかに顔色が悪くなっている父上は僕の〈ステータス光〉見詰めながら聞いてくる。


「…………ほ、本当です」


「「「「あーっはははははははははははっ!!!」」」」


 会場に笑い声が沸き起こり、父上の顔は徐々に怒りの形相へ変わっていった。


 そして父上は怒鳴り声を上げる。


「貴様ッ!これでようやくはっきりしたぞッ! お前、あの庭師とエリザの間に出来たガキだなッ! 顔は俺に似とらんし、ずっとおかしいと思っていたんだッ! この責任あるリンダナ侯爵家に無責任と付く加護の息子が生れる訳がないッ! しかも無責任種付などど、あの庭師にピッタリの加護ではないかッ! ふざけやがってッ!!!」


 父上は顔に青筋を浮かべ目は血走り唾液を撒き散らしながら言い放った。


「し、しかし父上、加護は生まれで決まるものではないと――」


 ガッゴンッ!


 言葉を言い切る前に父上の大きな拳で顔面を殴られ後ろへ吹っ飛んだ。


「ぐっ」


 這いつくばりながら顔を上げた僕に父上は指を差して言い放つ。


「貴様をこの家から追放するッ! 跡継ぎはお前の弟にやらせるッ! その薄汚い顔を二度と俺に見せるなッ!!」


 こうして僕はリンダナ侯爵家を追放された。







ノーマルLv上限20

 農夫、商人、鍛冶師、漁師、大工、etc

HNハイノーマルLv上限40

 豪商、騎士、魔法使い、錬金術師、レッサーデーモンetc

レアLv上限80

 聖騎士、重騎士、魔法剣士、賢者、デーモンetc

HRハイパーレアLv上限160

 大賢者、竜騎士、アークデーモン、etc

SRスーパーレアLv上限320

 勇者、魔王、ロードデーモン、etc

SSRダブルスーパーレアLv上限640

 天使、エンペラーデーモン、etc

URアルティメットレアLv上限1280

 リヴァイアサン、バハムート、ベヒーモス

LRレジェンドレアLv上限2560

 魔神、龍神、人神

MRミラクルレアLv上限5120

 無責任種付おじさん



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