突然のクイズ
「はふはふはふ! さいこ~」
『お、そなたがレオの言っていた、初対面で抱き着いてくる面白い転移者か。確か、我らの言葉を理解できるんだったな』
「狭山華夜って言います。カヤって呼んでください」
『うぬ。オレはハクロウだ』
「ハクロウさんですね!」
やった~またもふもふ従族のお知り合いが出来ちゃった!
両手だけじゃなくて周り一面もふもふの花だよ。最高過ぎて高笑いしちゃいそうだ。はっはっは!
「え! カヤお姉さま⁉」
「やっほ~ニッカちゃん! 別件だけど今日も来ちゃった!」
ブイサイン付きで言ったら、とてもうれしそうな笑顔頂きました!
めっちゃ嬉しいぜ。
「カヤお姉さまもクッキー食べて下さい。もしよかったらダリアくんとえっと……」
「リースって言います」
「リースくんね。私はニッカ。よろしくね」
「うん!」
笑顔で頷くリースくんたちと一緒にクッキーを食べつつ、私はマサさんに訊ねてきた理由を話した。
「なるほどね……」
マサさんは私の話を聞いた後、う~んと顎に手をあて、考えはじめてしまった。
やっぱり急にきて、あなたに関連するなにかを他の人にプレゼントしたいんです! なにか教えて下さいなんていうのは無茶振りだったかな。
「そうだ。あれならいいかも」
「あれとは?」
「練習ダンジョンって呼ばれてるダンジョンの一番奥にある洞窟にシオル石っていうのがあるんだが、それとかどうかな?」
「シオル石?」
「綺麗な乳白色をしてて、暗闇で仄かに光る石なんだ。大きさは手のひらサイズだし、練習ダンジョンは俺が最初に入ったダンジョンとして有名だから、プレゼントにぴったりだと思うよ」
「おお!」
それは名案! とてつもない名案ではないか! さすがマサさん聞きに来てよかった!
だけどマサさんは何故か微妙な表情。どうしたんだろ?
「実は練習ダンジョンなんだけどな……少し問題があるんだ」
「問題?」
「練習と言われる理由なんだと思う?」
お~と、ここで突然のクイズだ!
練習の云われ……う~ぬ。
「あれですか。魔法で偽物のモンスターが出てくるとか」
「いや、出てくるモンスターは本物だよ」
「う~ん。魔法使えないとか」
「正解。正確には従族と一緒に入るのが禁止」
「お! ……って、え⁉」
やったと思ったけど内容がとんでもないじゃん。
従族連れて入れないのに本物のモンスター出るって、丸腰でダンジョン行くのと一緒じゃんよ!
「なんでまたそんなことに」
「練習ダンジョンは、自分の身体能力を上げるための場所なんだ。だから、ダンジョンの周りには結界が張ってあって弱いモンスターしか入れない代わりに魔法を使える従族は立ち入り禁止になってる」
「なるなる」
「あと、弱いとはいえ危険なモンスターを相手にするから……十二歳以上じゃないと一人では入れないんだ」
「なんと!」
それじゃ、リースくんが入れないではないか! 私がダッシュで入ってダッシュで戻って来てもいいけど、この問題はリースくん本人が自分で解決しなきゃ全く意味がない。
「どうしよ……」
「だが、冒険ライセンスを持っている者と一緒なら、同伴という形で入ることは可能だ」
「おお!」
それならマサさんに付いてきてもらえば万事解決じゃん。
良かった良かった。




