おみやげ
『それなら俺様を撫でろ』
突然聞こえた声に驚いて横を向くと、あくびをしたダリアと目があった。
「ダリア起きたの?」
『こんだけ美味しい匂いがすれば起きるだろ。白トカゲそこからどきやがれ。カヤが俺様を
撫でられないだろ』
「ぎゃうぎゃー!」
『うるさい。最初にカヤが撫でるのはこの可愛くて優秀な俺様だ』
「ぎゃー!」
なんか私挟んで火花散り始めたんだけど。どっちも大好きだし可愛いから、腕から降りてくれれば同時になでなでしてあげるのに。
「私って罪な女ね」
『なんだそれ、寒いぞ』
「ぎゃ……」
「だまらっしゃい!」
そんな冷たい目で私を見ないで!
「えっと……ご飯食べないの?」
「あ! ごめんね。リースくん」
思わず三人の世界になってしまった。
席に着くと、リラさんが料理を運んでくれた。ちなみにダリアとオパールの前には彼らの体にあった特製ご飯が置いてある。
最初、美味しそうだったから手を出したらダリアにネコパンチされたんだよね。
「いっただきまーす」
チリチリ鳥を口に運んで噛みしめる。直後、溢れる濃厚な肉汁と絡み合う白トマトのしつこすぎない甘みが、がつんとうまみを脳に送ってくる。なのに、噛めば噛むほど肉はほどけて無くなっていくという素晴らしさ。
「おいっし~!」
『美味い!』
「ぎゃ~う~」
はぁもう至福。こんな美味しい料理、日本でも早々お目に掛かれない。
近くにはモフモフがいて、目の前には天使の笑顔があって、口の中には極上が広がっている。
これを幸せと言わずなんというか。
「はぁ~やっぱりリラさんの料理最高」
「母さんの料理は国一番なんだよ!」
「その言葉に嘘偽りなし」
リラさんにレシピ聞いてみようかな。アルバさんに作ってあげたい。
「そうだ。オパール明日はどうする?」
「ぎゃうぎゃ」
明日も一緒にいるというようにリースくんの傍に寄るオパールにちょっとしょんぼり。
『なにしょげてるんだよ。カヤには俺様がいるだろ?』
「ダリア~大好き~もふもふさせて~」
『今日は特別おなかの毛をもふもふさせてやろう』
「わ~い」
ダリアはお腹の毛は背中よりも長いせいか、手が沈むんだよね。
はっわ~! この二層からなるもふもふのコントラスト。最高、最高過ぎる。手が癒しで昇天しそうだわ。
「それじゃ、リースくん。明日もオパールの事よろしくね」
「うん!」
元気よく頷くリースくんの頭を思わず撫でる。なんかリースくん弟みたいで可愛いんだよね。
「そしたら、明日はまた商店に行ってみようか」
明日は確か、フクフク祭りって言ってたよね。
あ、けどもうそろそろ帰ろうと思ってるし、一日くらい宿でごろごろするのもありかな……。
アルバさんも心配してるだろうし、そろそろ帰らないと。
「あぁ! アルバさんにまだおみやげ買ってない!」
しまった! すっかり忘れてた!
王様からお礼のお金で色々買ったのもふもふ商品しかない……これは由々しき事態ではないかい!
「決定。明日アルバさんのお土産買いに行こう」
決めた、今決めた。これ決定事項だから。
そうと決まったら、なににしようかな。昨日お店で見た帽子とか、いやヒツジウシの世話でよく手を洗ってるしクリームとかいいかな。
「そういえば、男の人にお土産と言えプレゼント渡すの初めてだな……」
なんかそう思ったら、すごく緊張してきた……!
ど、どうしよ。変なのとか、いらないものとかあげちゃって微妙な顔とかされたら。いや、クレスじゃないんだからそれはありえない。あの優しいアルバさんが絶対にそんな顔するはずない。
実際されたら、私壁に埋めり込む自信しかないや。
「と、とりあえず。明日頑張って探そうっと」




