第7章 ~初めてのまともな食事~
塔の門は俺たちが入るときに軋んだが、今度はその音に驚かなかった。
進歩だ。
午後の終わりの光が中庭に落ち、リンゴの樹をオレンジと金色に染めていた。果実は枝で揺れ、まるで俺たちに挨拶しているみたいだった。もしこの二日間で十一個も食べていなければ、美しいと思っただろう。
「閉めるぞ」と宣言し、門を押し戻す。
石が呻き、それから鈍い音を立てて収まった。記録が宙に現れた。
**『塔の記録』**
**外部からの帰還を確認**
**第一階層の防壁:復旧 100%**
**ようこそ、暫定管理者**
「ようこそ」と俺は読んだ。
「塔が『ようこそ』だって」と俺は言った。
即席の松葉杖——まだ管理ツールが支えている——に寄りかかっていたレナが、片眉を上げた。
「塔があなたを歓迎した」
「そう」
「死の塔が。あなたを歓迎した」
「漢字つきでな」
彼女は一瞬、目を閉じた。
「それ、悪い知らせよ」
「あるいはおもてなし」
「生きた塔はもてなしたりしない」
「お前、生きた塔は冗談を言わないって言ったが、こいつは俺を『許容範囲』で評価した。たぶん、こいつは違う」
「たぶん、もっと悪いことのためにあなたを準備してる」
「お前はいつも楽観主義で場を明るくするよな、知ってたか?」
レナは答えなかったが、口元が半秒だけ引き攣った。すでに、それは何かだった。
内部の建物に入る。広間は相変わらず暗く埃っぽかったが、今は現実のものでいっぱいの袋があった。塩、種、鍋、ナイフ、火打ち金、石豆、玉葱、パン。すべてを停止中の厨房の石の台に置き、じっと見つめた。
少なく見えた。
二日間リンゴだけ食ってた者には、宮廷の宴に見えた。
「よし」と俺は手をこすり合わせながら言った。「やるぞ」
「料理できるの?」とレナ。
「湯が沸かせる」
「それは料理じゃない」
「前提条件だ」
彼女は、自分の管理者が家庭的に無能だと悟った負傷した雌狼の重みすべてを込めてため息をついた。
「私が料理する。あなたは手伝って」
「本当にできるのか?」
「灰色狼の氏族には専任の料理人なんていなかった。それぞれが自分の面倒を見た。早くに覚えたの」
彼女はそれを淡々と言ったが、そこには何かがあった。重み。訊かないことに決めた。
「何がいる?」と俺。
「まず火」
火を熾すのは試練だった。
厨房の暖炉は鍋と肉塊を収められるくらいの大きさだったが、何年も冷えきっていた。手で古い灰を掃除し、貯蔵庫の乾いた薪を入れ、火打ち金を使おうとした。
火花。
つかない。
火花。
つかない。
火花——手に。
「痛っ」
レナは、俺が貯蔵庫で見つけた小さな腰掛けに座って、動物が扉の開け方を覚えるのを見ている誰かのような忍耐で俺を観察していた。
「打ち方がまちがってる」
「『打ち方がまちがってる』って何だ? 石と金属だぞ」
「角度」
「どの角度だ?」
彼女が手を差し出した。火打ち金を渡す。レナは一度打った。たった一度。火花はこの世で最も自然なことみたいに乾いた薪に火を点けた。
「角度」と彼女は繰り返した。
「お前、わざとだな」
「わざとよ」
「俺を辱めるためか?」
「楽しむため」
育ち始める炎を見つめた。小さく、オレンジ色で、生きている。熱が顔に触れ、一瞬、完全に言い返すのを忘れた。
火だ。
塔の中に。
初めて。
記録が現れた。
**『塔の記録』**
**厨房:火元確認**
**燃料供給:乾燥薪**
**状態:安定**
「これ見ろ」と俺。
レナは身を乗り出して表示板を見た。
「厨房が認識してる」
「塔全体が少しずつ目覚めてる」
二人で火を見つめた。薪のパチパチという音が、素朴な音楽みたいに沈黙を満たした。
「料理しよう」とレナがついに言った。
彼女は俺に指示した。そして前世で炊飯器に米を入れる時間すらほとんどなかった俺は、不器用な弟子のように従った。
最初:石豆を洗う。
「泉の水で?」と俺。
「そう。水筒のも泉の水だから」
古い鍋に茶色い小石みたいな豆を入れ、泉へ運んだ。澄んだ水が、まるで目的を果たすみたいにその上を流れた。戻ると、レナはすでに穀物売りがおまけにくれた玉葱を刻んでいた。
「泣くなよ」と彼女。
「泣かない」
「男はいつも泣く」
玉葱半分を刻んだ。目が潤んだ。
「汗だ」と説明した。
「もちろん」
「火の熱気だ」
「もちろん」
それからまた記録が来た。
**『塔の記録』**
**新規素材検出:石豆(調理前)**
**新規素材検出:玉葱**
**登録しますか?**
「材料を登録したいってさ」とレナに訳した。
「それ、どういう意味?」
「塔が材料を把握するってこと。いつか似たものを生産するなら、何かわかるように」
レナは考えた。
「登録したほうがいい」
「俺もそう思う」
青い表示板に触れた。
**『塔の記録』**
**石豆:登録完了**
**玉葱:登録完了**
**注意:栽培には温室の修復が必要です。現在の状態では生産不可。**
「登録したけど、温室がないと生産できないって」と説明した。
「ならまだヴァルゲルが必要ね」
「当面は」
レナが俺を見た。
「『当面は』」と彼女は繰り返した。「ミリみたいな喋り方」
「それが褒め言葉か侮辱かわからん」
「私も」
石豆を鍋に放り込み、水をかぶせて沸騰させた。それから刻んだ玉葱を一つまみの粗塩と一緒に入れた。
「それだけ?」と俺。
「それだけ」
「ニンニクはないのか?」
「ない」
「ローズマリーは?」
「ない」
「胡椒は?」
「あなたが料理する?」
「それだけで最高だ」
匂いが広がりはじめた。
ばかげた匂いだった。シンプル。野菜が塩水で煮えている。でも二日間、生のリンゴとただの水だけで過ごした後では、その香りは俺がどんな人生でも経験した中で最も文明的なものだった。
厨房の床に座り、背中を壁に預け、鍋の下で火が踊るのを見つめる。レナは腰掛けに座ったまま、脚を伸ばし、尾をそばに休めていた。
「これ、いいな」と俺。
「まだできてない」
「料理じゃない。これだ」
曖昧な仕草をした。暗い厨房。火。匂い。脅威のない沈黙。
レナはしばらく俺を見た。
「あなた、変」
「すでに確定してる」
「違う。言いたかったのは、あなたは小さなことを祝いすぎる。長いあいだ、それらなしで過ごしてきたみたいに」
前世を考えた。空っぽのアパート。画面の光。冷めたコーヒー。上司の声。
「たぶんな」
「どんな人生だったの?」
「オフィスがあった。上司がいた。表計算シートが山ほど。死んだ」
「それ、前に言った。死んだって」
「本当だ」
「でも、どうやって?」
深く息を吸う。
「過労」
沈黙。
「冗談でしょ」とレナ。
「違う」
「働きすぎて死んだの?」
「俺の世界じゃ、そんなに珍しくない」
彼女は長いこと黙っていた。
「それ、私が今まで聞いた中で一番ばかげてる」
「同意する」
「そして今、あなたはここにいる」
「仕事の代わりに飢え死にかけてる。進歩だ」
レナはほとんど笑いに近い音を漏らし——短く、鼻から抜けるような——そしてまた火を見つめた。
記録がもう一度灯った。
**『塔の記録』**
**厨房:部分的な機能回復**
**現在の機能:火元/煮沸/調味(塩)**
**未回復:焼成/発酵/精製**
「厨房の部分機能が回復した」と声に出して読んだ。「火、煮沸、塩での味付け。まだ不足してるのは、パン焼き、発酵、精製」
「パンを焼く」とレナ。
「それとワインの醸造」
「ワインのことを考えてるの?」
「未来を考えてる」
「未来はワインなの?」
「未来は、水とリンゴ以外の選択肢を持つことだ」
彼女は答えなかったが、耳が少し上がった。もうコードは理解できた。それは沈黙の承認だった。
石豆は売り手が約束した通りの時間がかかった。ほぼ一時間。ようやく柔らかくなったとき——ナイフで一粒刺して試した——レナは火を消して休ませるように言った。
「なんで?」
「料理は待つことでもあるから」
「それ、深いのか、ただの実用か?」
「両方」
スープを——あるいはそれが何であれ——買った木の椀によそった。濃くて黒ずんだ汁、膨らんだ豆、島みたいに浮かぶ玉葱の切れ端。レナに一つの椀を渡し、自分のを手に持った。
「乾杯するか?」と俺。
「何?」
「習慣なんだ。椀を合わせて、乾杯って」
「何のために?」
「何かを祝うため」
彼女は考えた。
「何を祝うの?」
「この塔での初めてのまともな食事」
レナは椀を持ち上げた。
「わかった」
木の縁を合わせて、鈍い音を立てた。それから食べた。
それは……うまかった。
特別じゃなかった。魔法でもなかった。ただの石豆を玉葱と塩で煮ただけ。でも温かくて、歯ごたえがあり、リンゴじゃないものの味がした。一口ごとに、一片の人間性が返ってきた。
「まともだ」と宣言した。
「まともよ」とレナが同意した。
黙って食べた。それぞれ二杯ずつ。残ったパンは汁に浸した。食べ終わると、背中を壁に預け、目を閉じた。
腹は満ちている。
身体は温かい。
警報はない。
追跡者もない。
ただ、熾火のパチパチという音と、遠くで泉の滴る音だけ。
記録がその日、最後にもう一度灯った。
**『塔の記録』**
**最初の調理を確認**
**厨房:正式な機能回復を開始します**
**必要素材:追加の塩/穀物/油脂/陶器**
「もっと欲しいってさ」と俺。
「いつものことね」とレナ。
「塩の追加、穀物、油、陶器」
「ちゃんとした皿」
「そしてちゃんとしたパン。そして肉、できれば。卵、もしこの世界に火を吐かない鶏みたいなものがいるなら」
「鶏って火を吐くの?」
「知らない。だからまだ狩りに出てない」
レナは俺を見た。
「あなた、鶏が怖いの?」
「なんでも怖い。戦略だ」
「それで通用するの?」
「まだ生きてる」
彼女はまたあのほとんど笑いを漏らした。今度は鼻に抜けるのが少なかった。もっと長く。
「あなた、この塔の最悪の管理者よ」と彼女。
「それでも、ここにいる」
彼女はすぐには答えなかった。
暖炉の明かりが石壁に踊っていた。外のリンゴの樹の影が中庭に映っている。厨房の温かい沈黙のなかで、レナは言った。
「シン」
「何」
「ありがとう」
二音節。低く。ほとんど飲み込まれて。
「飯にか?」と俺。
「扉を閉めなかったこと」
俺は黙った。冗談を言う時じゃなかった。それくらいはわかった。
「扉は開けっ放しだ」と答えた。「俺を刺そうとしないかぎりな」
「刺そうとしなかったのはもう確定してる」
「まだだ」
「まだね」と彼女は繰り返し、声の端にユーモアのかけらがあった。
しばらくそうしていた。満ちた腹と、灯った火のある古い塔の中にいる、二人の他人。
記録が一度だけ宙で瞬いた。まるで、何かを言いかけて。
それから消えた。
たぶん、そうであるほうが良かった。
塔のコメントを必要としないこともある。
外では、夜が第一階層に降りていた。そして、この世界で目覚めてから初めて、塔は廃墟に見えなかった。
始まりに見えた。




