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第6話 オオカミさんと小娘さん

「ねぇ」


「ねぇってば」


「ちょっと無視しないでくれない??」


「なんだ、小兎」


「ちょ、子うさぎって、私はとっくに大人よ大人」


「アミラージは基本的に10歳には大人の儀式を迎えるのよ」


「私はもう12歳なの、わかる?12歳!」


顔を真っ赤にしながら、ぴょこぴょこと耳が左右に揺れる。


急に歩みを止める6回りくらい大きな体躯を持つバロウが振り向き


「私から見たら、小娘にしか見えん」


小さい腕を胸に抱え、そのまま飛んでいきそうなくらいの速度で尻尾がリズムを刻む、二つか三つに見えるくらいだ。


「あーー、もう本当に碌な男がいないじゃない」


「急に連れてこられたと思ったら、私に優しくしてくれるやつもいないし、カビ臭いし、湿っぽいし、なんか薄気味悪いところよねここ、それに変な音も聞こえる。」


ずんずん進むバロウとは対照的に、エリカは辺りを伺いながら、そしてたまにビクッとして先や後ろを見ながらバロウに置いてかれまいと早足で追いかける。


「もう、そんなこと言いたかったんじゃないのよ、ボスだっけ、それを倒さないと帰れないみたいだけど、これからどうするわけ?」


「安心しろ、小娘は小娘らしく私の後ろについてくれば守ってはやる」


「あーー、もう、、、本当にムカつくわね、わかったわ、本当に守ってくれるんでしょうね(どうせこのまま私1人だと死にそうだしね)」


「二度は言わん」


「キーーーーーーー」


ヌース達とは対照的にこちらのルートは迷路そのもので、右にも左にも同じような道が続いており、奥まで見通すのが難しいくらいの広さを感じる。


ある意味合わせ鏡のような体感を受ける。


しかし、なんの手がかりもないような道に対し、悩むことをせずに進む狼。そしてRPGのパーティーキャラのようにビッタリと後ろにつくエリカ。


数十分歩いただろうか、暗闇で灯りが壁にかかる松明のみでは時間の感覚が掴みにくい。


「息を止めろ」


ゾッとするほどの低く小さな声にエリカは咄嗟に口を抑える。


最初は何をしたいのかわからなかったが、確かに兆しはあった。


複数の声とそして歩く音が聞こえてはいたのだ、しかしずっと歩き続けて、さらには目の前の安心感に対し警戒心をとっくに捨てていたのだ。


(いや、バロウと私じゃそもそも歩幅が違うのよ、わかるでしょ、あいつの一歩は私の6歩くらいよ)


内心の思いと言い訳を考えながらそこにいるのに希薄に感じるあいつを見る。


数歩下がり、身を屈める入り組んだ道の松明と松明の間の影に身を潜める。


見たままを真似ながら、とにかく息を殺す。


「xxx,sxxxao.isいあ、、おいおい、そんなんじゃまた奥さんに怒られるぞ」


少し離れていた声が途中から鮮明に聞こえ出す。


三つの足音と、笑う声、男のものだ。


「しかしよ、飲んでなきゃやってられねーだろ、お前だってそうだろなぁ」


「ははは、ちげぇーねーな!!」


「さっさと巡回終わらせて報告しに行こーか」


「おう、そうするか」


ガヤガヤと聞こえる声が心を素足で踏まれるように、近づきすぎた距離に心臓の音が耳から出ている感覚に陥る。


おそらく、目の前数メートルを歩いていただろ対象について目を閉じて祈ることしかできなかった。どうか見つかりませんようにと


「おい、近づきすぎだ」


「ふぇ?」


「あ、え、違うのよこれは、、、」


「声がでかい」


はっとまた口を手でおさえる。


「どうやら行ったようだ」


「行ったって、結局何だったの」


「そうか小娘は見ていないのか、あれはおそらくゴブリンだな、一緒にきたのよりは大人に見えたが、」


「あれは多くいる、匂いが充満している、いちいち相手取るのも面倒だから、適宜やり過ごす」


バロウは最初から匂いの片鱗を追っていた、野生の勘というべきか、彼の経験なのかは定かではないがその先にこの迷路のゴールはあるのではと気づいていたのだ。


歩く速度が遅くなりゆったりとそして音が無いように進み始め、先の十字路を真っ直ぐ行く。


所々で、キンっカンっと鳴り、声が重なるように複数聞こえる。


エリカは反響してしまうこの迷路の中、あまりにも多く聞こえてくる男の声に心のMPはどんどん消費されていってしまう。


目の前の体躯が消えたのも、見逃したのもそれが原因だった。


急に一人ぼっちになってしまい、頭がフリーズする、


また置いてかれてしまった。そう思うと頭が急に痛くなる激しい頭痛の中、また声が聞こえてくる。


「だってよ、それはお前が悪いんじゃないか?」


「いや、待ってくれよ確かに勝手に食べたのは俺が悪いけどよ、あんなに怒るのはおかしいだろ?」


「ヒュ、」


ちょっとだけ漏れてしまった声に対し、現実はしっかりと牙をむく。


「お、ん?」


「誰かいるのか?」


「おい、またラークがふざけているんだろ」


「おーい」


どんどんと近づく二つの足音に対し、視界が暗くなっていく。


「ん、なんだ、おい答えろよ、なぁ、バレてるぞ」


目の前に現れたゴブリン達は、彼らにとっては柔和な笑みだろう。


エリカにとっては、ゾッとするほどの笑みがこちらを捉える。


「え、待ってお前はなんだ?」


虚を突かれたものの、すぐに捕獲に移る緑の手、


近づくのはわかっている、逃げなければとも思っている、しかし全くといって体が動かない。


そうか、そうね、、目を閉じる瞬間であった


ボトっ、急に落ちる手とずれていく顔。


血だけが華々しく舞っていく


「どうした、小娘」 後ろからかけられる声


「ふ、は、へぇあええええん」


こてっと腰から落ちてそのまま彼にしがみつくように泣いてしまった。


「おい、いい加減にしてくれ」


動揺している素振りもなく、前足を押し付けて引き剥がすバロウ。


少しの間、泣き止むまでそうしてくれている彼は彼で甘いところがあるのだろう。


「どこ行ってたのよ!」


「どうしても避けれないのがいた、相手に気づかれる前に殺すのが1番得策だからな」


「ど、どうして、(言ってくれないのよ)、まぁいいわ、でもこれは中々大変な状況になってない!?』


彼の動きにはついていけなかった自分が悪いと思って、言葉を飲み込んだ。


しかし、どうやらゴブリン達は気づいてしまったようだ、あちらこちらから死んでいるとか、おい、敵だ!など先ほどの日常とは違って戦にかられたもの達の表情をしている。


「そうだな、少し殺りすぎたようだな」


落ち着いてみると、彼の顔も足も血でかなり汚れている、首元が濡れているのは見ないふりをした。


「とりあえず、おおまかに下の階への道はわかったそちらへ向かおう」


「hぇ、ファ、えぇーーー」


急に彼の顔が近づいてきたと思ったらそのまま、ハグっと一口。


咥えられながら、あたりの景色は目まぐるしく変わっていく。


「ちょ、一言くらい言いなさいよーーーーー」


迷路の中、反響する少女の声だけがけたたましい戦場の中で光っていた。


思ったより、2人の絡みが面白くて長くなってしまったので、この後の展開はまた次回書こうと、ヌースが出てくるのは次かその次くらいです。

でもバロウが漢前すぎてすでにメロいです。


応援してくれると大変嬉しいです。

フォロー、コメントなどが1番のやる気につながるのでいいねして次回お待ちください。お願いします!!

してくれた方は本当に感謝感激雨嵐です!


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