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CRIMINAL=9  作者: 下野枯葉
表裏を持った瘋癲
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九十二話 記録と記憶

神馬村


 帰宅したモートレ、ブルーケ、アバートを迎える声は明るくは無かった。

 ただし、歓迎はしていた。

 あれだけの激戦を生きて帰ってきたことは称賛すべきなのだが、結果は芳しくない。

 伊勢陥落の目標は達成。

 しかし、暁啓が再臨したにも関わらず敵側へ。

 そして、少女達の要であるヒェトラも敵側へ回ってしまった。

 恐れるべき事態だ。

「無事で何より」

 荷物を片付け終えて、一息ついた三人を前にデッディは労わる声を一つ。

「ヘトヘト……でも本当にここに帰ることができて良かった」

 モートレは応急処置の終わった傷を撫でてから声を漏らす。

「ヒェトラのいない今――――私が指揮を執る……異論は?」

 全員と瞳を合わせた後にデッディは問いを一つ。

 その瞳には鋭い火が灯る。

 ヒェトラと最も近い位置にいたからこそ、その問いを投げることができた。

 そして、少女達はその問いに異を唱えることは無い。

 何故なら、ヒェトラに次いで人心掌握に長け、指揮を執る才に秀でているのはデッディに他ならないからである。

「よろしい……まさかこんな事態になるとはな」

 溜め息がひとつ。

 デッディは目の前の光景に言葉を詰まらせた。

 ヒェトラは別に口数は多くは無かったが、それでも存在感はあった。

 それがいなくなるだけで、こんなにも心の奥がくすぐったいような、寂しいような感覚になるのか。

 言葉にするのは恥ずかしくて、そっと言葉を仕舞う。


「しかし道は見えた。倒すべき敵が集結している今、目標は一つ。この状況を鑑みてC2諸君の考えも聞こうか」

 気持ちと状況を整理してから、デッディはリビングに置かれた機材に向けて問いを投げた。

 その機材とはC2達を出力し、C2達へ入力する為のものだ。

「アキヒロの真意を確かめなければならない。今ここにいる私達は協力を惜しまないよ」

「えぇ……薄気味悪い笑顔が食えませんからね」

 榛名と金剛の賛同の声はそこにいるC2全員の総意に違いなかった。

 那須暁啓の再臨はそれだけで意味を持ち、全てのC2に存在意義を問うものとなる。

 C2各々に開かれた授業が、ここに来て効く。

 舐めるな。と言われた記録が鮮明に浮かぶ。

 


 那須暁啓への記憶が蘇る。


 それはそこにいる全ての者が同様であった。


こんにちは、

下野枯葉です。


復活しました。

えぇ。

生きていますよ。

これは奇跡です。


さて記録と記憶です。

その違いは人間性の保持でしょう。

えぇ、きっと。

そうなるはずです。

ちなみに、これから過去のお話が始まります。

たいへんだぁ。


生きていたのだから、それくらい楽しみましょう。


では、

今回はこの辺で。






最後に、

金髪幼女は最強です。

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