正体
オレンジ色の太陽が、ほんのりと圭織のほほを朱に染めていた。
「今日も委員会大変だったね」
「あ……ああ」
頷く隼人には、なぜか覇気がない。中山さんと一緒にいたでしょ。ねえこのままでいいと思ってる?どこかで、冷たい沙月の声が聞こえる。照らされた圭織の影を妙に黒く感じた。
「あたし……本当にこのままでいいのかな」
吐息のような圭織のつぶやきが聞こえた気がして振り向くと、すぐそばに圭織の顔があった。
「ねぇ……」
圭織の甘い息が顔にかかる。はっと我に返り、隼人はそれを無視して歩き始める。圭織が肩を落としたのが見なくとも肌で感じられた。
本当にこれでいいのだろうか。こんな局面にあってもまだそんなことを考えている自分に思わず苦笑してしまう。頬を伝う涙がしょっぱい。何があったわけではない。ただ普通に知り合いとして付き合ってきて、いつの間にか好きになっていた。確かに隼人のほうが断然かっこいいし、信頼できる。でも、何か違う気がする。
「何考えてんだろ」
あまりにもばかばかしくて、あざける様な口調で言葉が飛び出してしまう。
「どうした、トイレか?」
頭上の照明が遮られる。真黒な目出し帽が話しかけてきたのだ。
「いえ、何でもないです」
屈強な体躯をちらりとみて、思わず身がすくんだ。男の手に握られた銃を見つめると、ふと自分の最後の選択が間違っていたのではないかと思えてくる。否、間違っていたのだ。急に涙が込み上げてくる。死にたくはない。でも生きてどうするんだとも考えてしまう。もう一度あいつに会えたら、絶対ふくれっ面なんか見せないのに。無言で自分を激しく叱責しても、何も許されないことは分かっていた。もう外の様子なんかどうでも良かった。だからドアの開く音がしても頭を上げようとしなかった。しかし、次の瞬間には顔を上げざるをなかった。凄まじい爆音が鼓膜を震わせたからだ。
「大丈夫か?」
祖父が、赤くなった頬をさすっていた健太に近づいてきた。祖父はさっきまで隼人と圭織の治療をしていた。
「何が、大丈夫か、だよ。やっと隼人に殴られた腫れが引いてきたと思ってたのに」
健太はぶっきらぼうに言った。
「仕方ない、俺がシップでも貼ってやろう」
祖父はポーチからシップを取り出して、健太の頬に張り付けてくれた。
「いてっ!」
異様な冷たさが健太の頬をついた。
「どうした、男の子だろう」
「うん……」
妙に頬がちくちくする。何かの異物が頬にあるかのような違和感があった。相当強くはたかれたのだと、健太は思った。
「少し経ったら行くからな」
祖父は、お構いなしに健太を呼んだ。
「ちぇ……」
強がりながらも、健太はまた廊下に行くのが怖くてたまらなかった。健太は自分だけが怖がっているのか気になり、周りを見回した。エリサがうらやましかった。彼女はここに残るのだ。フランクは銃器の点検をしたりして、静かにしている。隼人は立ち上がり圭織を励ましていた。俺だけなのか……?俺はあんな地獄みたいな場所にいきたくない。健太は情けなくなり、床を見つめた。まるで答えがそこに書いてあるかのように。
「床に何か書いてあるのか」
視界に祖父の靴が入る。黒くて堅そうな軍用のブーツだ。
「いや、なんでもない」
健太はとっさに頭を上げ、祖父の顔を見つめる。すぐ近くに祖父の顔はあった。耳元で何かささやかれる。
「えっ?」
一瞬、誰も気づかなかっただろうが祖父は健太に何かを囁いた。そして小さく微笑んだ。
「なぁお前に話があるんだ」
祖父が銃の点検をしているリーダに話しかけた。
「何だ」
一瞬だけリーダは警戒の表情を浮かべる。
「皆の聞こえないところでお願いしたい。誰か隠れているかもしれんからな」
祖父は微笑んで言った。
「わかった」
リーダが一瞬だけ、自分のナイフと拳銃の位置を目で確かめた事に祖父は気が付いた。しかし、それを言うことはなかった。
祖父はトイレを指さし、
「トイレで頼む」
「両刀使いか?」
リーダがしわを作って微笑んだ。息をするように自然な仕草でMP5を握る。祖父は静かにトイレへ向かった。音を立てないように食堂のドアを開け、トイレへ入る。洗面台の鏡に二人の姿が写っている。祖父ははぐらかすようにリーダに背を向けた。
「それで話とは?」
リーダは無音で手を動かす。自分の一物より握りなれた拳銃を、つかむために。鏡に映ったリーダの眼。それはひと殺し(ジョブ・キラー)の乾いた瞳だった。そして、リーダの指は静かに拳銃を握ろうとしていた。
祖父とリーダがトイレに消えてから数秒後、健太は祖父に言われたとおりに、祖父たちの後を追った。フランクに断りを入れてドアを開く。そして静かにトイレへ入った。
「どうした」
入り口に背を向けていたリーダがゆっくり健太の方を見つめてきた。
「小便行きたくなっちゃって」
健太ははにかんで笑った。本当は違った。あの刹那、祖父は自分がトイレに行ったすぐ後にお前もついてこい、と言ったのだ。それが何の意図があるのかわからなかったが、健太は言う通りにしたのだ。
「食堂を出る前に、小便くらい済ませておけよ」
祖父が笑って言った。
「いや、急に出たくなっちゃって」
健太は小便をするふりをして、笑った。その時だった。テロリストの足音がし始めたのは。
「何だ……?」
トイレの中の雰囲気が一瞬にしてこわばる。
「とりあえず隠れよう」
祖父は健太を個室に押し込んで、言った。
「そうだな」
リーダがそういう間にもテロリストの足音はどんどん近づいていく。
「襲撃しよう。間に合わないだろうから」
祖父がとっさに判断して言う。
「そんな、敵の数もわからんのだぞ」
反論するリーダを押しのけて、祖父は拳銃を引き抜く。テロリストの足音はトイレで止まり、彼らはトイレへ素早く入りこんできた。すぐに一人の頭を祖父は正確に撃ち抜く。ガラスが割れる。血が飛び散る。薬きょうが恐ろしい勢いで床に転がって、軽い音を響かせる。
「お前も手伝え!」
鏡と便器の隔たりを遮蔽物にしながら、祖父が叫んだ。コンクリートが砕け、爆ぜる。
祖父も思わず舌打ちする。健太は個室で、じっと息をひそめていた。死ぬのかもしれない。そう本気で思った。リーダも隔たりに隠れていたのだが、そこのコンクリートも爆ぜていく。テロリストが叫ぶ。
「くそ!」
リーダは叫び、素早く遮蔽物から銃を出し、テロリストを撃つ。乾いた音を立ててリーダの銃が吹き飛ばされ、地面に落ちる。
「ちくしょう!撃たれた!撃たれた!」
血で濡れた腕を抑えてリーダが叫ぶ。
コンクリート片が祖父の頬を、額を切り裂いていく。テロリストは素早く、隠れては撃ち、隠れる。遠くで銃声が聞こえる。すると、テロリストは舌打ちをして去っていく。置き土産に、フルオートが見舞われ、コンクリート片がまき散らされる。ガラスが吹き飛ぶ。祖父は真っ白になっていた。
「ちくしょう……」
躰についた粉を払いながら、祖父がぼやいた。
「さすがだ……どこかの部隊にいたのか?やはり米軍?」
リーダは興奮収まらぬ様子で、祖父を見つめた。腕には包帯が巻かれていた。
「恐るべきDにいた」
何でもない事のように、祖父が言った。素早く、銃の弾丸を確認する。その下では、苦しげにテロリストたちが呻いている。
「ほう……その年からするとナム帰りかい?」
リーダは驚きの声を上げた。彼はしきりに額をかきむしっていた。
「あんたは?」
祖父がリーダを横目でにらみつける。それは戦士の眼だった。血に飢えた戦士の瞳。
「どうおもう?」
リーダがため息をつく。
「そうか、まぁいい。言えばトラブルのもとになりそうだしな、フィリップス君」
祖父は皮肉めいた口調で言った。
「お見事、勘が鋭いな」
リーダは無表情を貫き通している。
「パラミリか……殴りたいところだが、遠慮しておこう」
祖父が再び皮肉めいた口調で言い放った。準軍事作戦とは、いわゆる諜報活動のことでスパイの事をさす。軍隊と諜報機関の仲は必ずいいとは限らない。特に米軍と米諜報機関に至っては、それがよく表れている。祖父の皮肉をリーダは静かに聞いていた。
「CIAの連中にはよく煮え湯を飲まされた。あいつらのママゴトに付き合っている暇はないのになぁ」
「言うね」
リーダも静かに言った。健太は二人の間に漂う重い空気に耐えられず、個室から出ることが出来なかった。
「フェニックス作戦。お前の年なら覚えているだろう」
祖父が静かに言う。声から秘めた怒りが見え隠れしている。
フェニックス作戦とはベトナム戦争で行われた極秘作戦で、CIAの指示のもとに行われた軍による大量虐殺だ。南ベトナム解放戦線を狩り出すために行われた作戦だったが、民間人も大勢巻き込まれてしまったのだ。
「ああ、参加したよ……昔の話はよせ」
やれやれというようにリーダはため息をつく。
「お前らの指示で、俺は何人もこの手で殺したんだぜ」
祖父が低く笑う。まるで悪魔のような笑い声だった。地獄の底から湧き上がる様な、低音。
「殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺しまくったよ」
祖父は狂ったように嘲る。
「終わった話だ」
リーダはやめさせようとするように、低くつぶやいた。
「俺はまるで屍体で山を作ろうかというように、殺しまくった」
「やめろ、戦争狂い(ウォージャンキー)。いい加減黙れ」
リーダが洗面台を強く殴った。祖父は黙り、静かにリーダを見つめた。
「そうだな」
祖父は謝ると、静かにトイレから出て行った。
「いやな、おじいさんを持ったもんだ」
リーダが憐れむように、個室から出てきた健太に言った。健太は何も言えず、うつむいていた。健太は祖父の過去を知り、複雑な気分だった。健太の脳裏に、小さい頃の祖父の思い出が浮かんでは消えていた。
食堂に戻ると圭織と隼人が駆け寄ってきた。
「大丈夫か?銃声がしたけど」
隼人が健太の体を見回しながら言った。
「ああ、じいちゃんが全員倒したよ」
健太はうつむいて言った。民間人を大量虐殺。聞きなれない言葉が妙に生々しく脳裏によみがえる。健太はふと哀しげな眼で祖父を見る。祖父は返り血を拭いていた。本当なのか?じいちゃん。健太は哀しかった、しかし決して顔には出さない。
「どうしたのよ、変に暗い顔して」
圭織が健太を見つめてくる。
「そんなことない。だってあの人たちがいれば俺たちはここから生きて出られるんだぜ」
健太は無理やり笑顔を作った。
「そうだな。頑張ろうぜ、兄貴」
隼人が健太の肩をやさしくたたいた。
「そうだな……」
健太は視線を落とした。俺たちはこれから地獄に行くのだ。
「もう少しで行くぞ」
リーダが言った。健太たちは銃の点検を始める。しかし、はかどらなかった。大量虐殺。死体の山。赤ん坊殺し。健太の頭の中でいろいろなことが噴き出していた。
「どうしたんだ」
祖父が近づいていた。健太は思わず、驚いて退いた。
「よくできなくてさ」
健太はうつむいて言った。祖父と目を合わせられなかった。
「恐いか、銃が」
祖父は静かに尋ねる。
「ああ、人殺しの道具だ」
健太は祖父の顔を見つめて言った。祖父は鋭い目つきで健太をにらみつけていた。
「いいか坊主。これは人殺しの道具だ。だが、人を守ることが出来るともできる道具と言いかえることが出来る」
祖父はあごで圭織を指し、
「これが何かではなく、これをどう見るかを考えろ。いいな」
祖父はそう言うと静かに去っていった。祖父の背はとても大きく、屈強に見えた。健太はちらりと圭織を見て、ちいさく拳を握りしめた。
「行くぞ」
リーダが小さく言うと、皆の姿勢が一瞬にして伸びる。
「行くの?」
圭織が隼人と健太に詰め寄った。
「行くよ」
隼人は力強くいった。健太もそれに続いた。リーダは皆を見回し、動こうとした。
「待て」
静かに行軍を始めようとした、リーダを祖父が呼び止める。リーダは目を細めて祖父を見て、
「何だ」
遠くのエリサの瞳が鋭く輝く。二人の会話は英語なので健太にはわからない。祖父とリーダは一言二言喋って、お互い納得したようだ。4人は静かに廊下に出た。
「リーダ、なんだって」
健太は恐怖から逃れたい一心で訊いてみた。
「あいつのコードネームはチャリントンというらしい」
祖父はそっけなく言った。
「へぇ……変なの」
健太は銃を構えるのに夢中で適当に返した。
「だよなぁ。ハハ」
一瞬だけ、祖父が微笑んだ。それは笑いと形容するにはあまりにも悪魔的であった。
「静かに」
フランクがふたりに言った。彼はもう敵の気配を感じているのだろうか。残念ながら、彼の顔目出し帽に覆われていて見えず、表情が読み取れない。チャリントンは立ち止まると、皆にハンドサインで静かに指示を出した。ぱす。なんの脈拍もなく高い音が静寂を破った。火薬の香り。健太が音の方を振り返ったころには、祖父が体をよじり、顔を苦痛でゆがめていた。
「じいちゃん!」
その声は銃声にかき消される。健太の頬に生暖かい液体が当たった。気が動転した健太は周りを見渡す。すると健太のすぐそばに、フランクが倒れているのが見えた。素人の健太にもフランクが死んでいることがすぐにわかった。彼の躯は、ぐったりと倒れ、頭から大量の血を流していたのだ。彼のこめかみには大きな穴が開いていた。健太が叫びだしそうになる刹那、再び銃声がした。無音。きーんという音。罵声。
「大丈夫か!!」
一瞬にして健太は現実に引き戻された。揺れる廊下の床。
「はっ!」
健太は祖父に抱きかかえられていた。
「もう無理だ……」
健太は勢いよく床にたたきつけられた。
「痛た!」
背中をさすりながら、健太は柱に隠れている祖父に駆け寄った。隼人は必死に応戦していた。熱い薬莢が散らばっていく。祖父は服を破り、傷口を圧迫していた。祖父の腹からは血が流れていた。
「無線機をとってくれ」
祖父は切羽詰まった様子であえぐ。
「あ、ああ」
健太は急いで祖父のハーネスから無線機をとる。祖父は傷口を包帯で巻くと、抑えているように健太に言った。健太は力を込めて傷口を抑えた。しかしゆっくりと包帯は赤く染まっていく。祖父は喘ぎながら、無線で誰かと話をし始めた。祖父は一度喘ぎ、大きく咳をした。
「健太!銃!」
隼人の叫び声を聞いて、健太は隼人に銃を渡す。コンクリートの破片が痛かった。
「ありがとよお」
隼人は不慣れながらも必死に応戦し始めた。
「じいちゃん!」
健太は銃声に負けじと叫ぶ。祖父は弱弱しくウインクした。健太の瞳には涙がたまり始めていた。
「死ぬなよ!じいちゃん!」
健太はもう一度叫んだ。それは銃声にかき消されてしまった。
簡単とは言えないながらも、難しい作戦ではないはずだった。中央情報局(CIA)作戦要員のルーシャスは銃声を背景に今回の作戦のことを考えていた。数年前からCIA内部に現れたもぐら(2重スパイ)を狩り出す作戦、そのひとつがこの変わった作戦だった。冷戦を終え、華やかさと最大の敵(KGB)を失ったCIAに時代はさらなる追い打ちをかけた。新たな情報機関の誕生、テロの阻止の失敗。敵はテロリストだけではなく、国内にも存在したのだ。そのひとつの某機関による破壊工作、それが二重スパイによる情報の奪取と漏えいだった。失墜したCIAの名をさらに落し、狩場を奪おうとする彼らの作戦に対して発動したひとつが、この作戦だった。
非公式身分の作戦要員であるハウンドがCIAの重要な情報機密を所持しているという偽情報を餌に裏切り者を狩場に誘い込み、始末するのが作戦の流れだった。今回、日本で行われた唯一の作戦だった。そこにまさか裏切り者が飛びつくとは、ルーシャスも思いもしなかった。武器商人を通じて、裏切り者が日本に潜伏している。もしくはそう見せかけようとしているのを知ってルーシャスも来たのだが、ここまで苦戦するとは予想外だった。苦戦の原因はテロに見せかけた封鎖作戦の主導権を裏切り者に握られてしまったことだった。ルーシャスたちは、みどりの園に潜入した裏切り者をテロを偽装した封鎖作戦でうまく袋の鼠にできるはずだった。思い出してルーシャスはため息をつく、しかし今ではハウンドのおかげで裏切り者の正体を知ることが出来たのだ。
それだけでも幸運といえよう。ルーシャスはMP5を握りしめると、フロアから静かに出た。
「チャリントンか……」
笑わせてくれるコードネームだとルーシャスは思った。チャリントンとは「1984」に出てくる老人のふりをした裏切り者の名前だ。その通りだな、とルーシャスは苦笑いしてフロアを後にした。
銃声がしたかと思うと、エリサと呼ばれた女性が無線機で話を始めた。彼女は酷く焦っている様子だった。圭織は健太たちに何かあったのではと、心配になり始めた。しかし、その心配の必要はないらしく、すぐにエリサは微笑み、
「みんな、テロリストはもう残り少ないわ。武器となるものをもって皆で立ち向かいましょう!」
と力強く叫んだ。日本語うまいなぁ、と圭織は思った。皆はきょとんとしてエリサを見ている。
「何をやってるの!みんなで戦いましょうよ!」
エリサは銃を掲げ、力強く叫んだ。
「今こそ、立ち上がる時だわ!」
エリサは叫び声をあげた。それはヒステリックさを微塵も秘めていなかった。エリサの言葉を聞いて、皆も周りを見ながら立ち上がり、武器を探し始めた。
「モップでも包丁でも。武器になりそうなものなら何でもいいわ!いまこそ憎きテロリストを倒すと時よ」
エリサは意気揚々と雄たけびを上げた。圭織もキッチンから包丁を取り出してきた。あの間抜けを助けてやらなければ、そう心に誓った。
「あなたは別のになさい。私が選んであげるから」
エリサは包丁を見て、圭織に言った。
「そうですか」
エリサは圭織をキッチンに少々強引に連れて行った。手を握る力が異常に強いと思った時にはもう遅かった。エリサの拳が圭織のみぞおちに食い込み、圭織の意識を奪っていた。




