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終幕の話
……どうしよう。
前述の通りに俺はいま両足が死んでいる。
逃げられない、というかちっとも動けない。
ここ、他人の家の敷地だしそのうち見つかって警察か救急車だよな。
ともかく先ず止血か。『定規』を数本で捻って血管を縛る。ナイフを引き抜いて包帯代わりのテープで応急処置、傷口を擦る度に激痛が込み上げてくる。
低い悲鳴を挙げる。救急車を呼んで貰う訳にもいかないのが殺し屋の辛いところだ。
あー……、詰んだな。足を殺られたのが致命だった。
腕ならまだ逃げ回るぐらいはできたんだが。
ザッ、ザッ、
誰かが土を踏む音が近づく。まったく次から次へと……
俺は『消しゴム』をバッグから取り出した。最後に一人でも、道連れにしてやる。
現れた人影は三十路前後に見える特徴のない男だった。なぜだかシキを連れていた。
「確認するが、『七つ道具』の愛川か?」
「そうだが、」
っ……、冗談言う気力もねー。
「ご隠居の命令だ。あんたを保護するよ」
…………は?




