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66【スラムの子供達(後編)】


「うわぁー」


「でっけー」


「ほへー」


「すごい!」


俺達はめちゃくちゃでかい屋敷に連れてこられた。


「来なさい」


そう言って貴族の女の子が屋敷に入っていく。


「お帰りなさいませエレナ様。

そちらの方々は?」


「この子達は私が雇うことにした子たちよ。

それよりロゼを呼んで来て」


「はい。

かしこまりました」


メイドは頭を下げ、何処かに行ってしまう。


それから三十秒程でさっきとは違うメイドがやってきた。


「お嬢様どうかなされましたか?」


「この子達を雇うことにしたわ。

とりあえずお風呂入れたり部屋の案内などをしてあげて。

それで、女の子二人はメイドにするわ。

だからロゼに全て任せる事にする。

男二人は私の護衛、騎士として立派になってもらうためにヴィルデに全て任せるわ」


「かしこまりました」


「わかりました」


「今の話しでだいたいわかったでしょ。

今後は女の子二人はこのメイドの言うことを聞いて、男の子二人はこの剣持ったカッコイイお姉さんの言うことを聞きなさい。

ロゼ、あとこの子達に関する後始末もお願い」


「かしこまりました」


「いろいろ仕事増やして悪いわね」


「いえいえ、後々の私の為にもなるので大丈夫ですよ」


「じゃあ、あとは任せるわ」


そう言って貴族の女の子はどっかへ行ってしまった。


「改めて、私の名前はヴィルデだ。

エレナ様の専属の護衛をしている」


「私は、エレナお嬢様の専属メイドのロゼです。

あなた達の名前を聞かせてください」


剣持ったカッコイイお姉さんとメイド服のお姉さんが名前を名乗ってくれ、俺達の名前を聞く。


「俺の名前はエイジです」


「俺はイーラです」


「私はメイです」


「アノンです」


皆が俺に続いて名乗る。


「はい、これからよろしくお願いします」


「お、お願いします」


「「「お願いします」」」


「それでは屋敷内を案内しますね」


それから俺達はロゼという女性とヴィルデという女性に屋敷内を案内された。


食堂やお風呂、訓練所など一通り案内されたあと、ある一室に案内された。


「ここがエイジとイーラの部屋です」


その部屋は二人で使っには十分以上の広さがあり、ベッド、机、タンスと一通り揃っていた。


「え、こんな綺麗な部屋で生活していいんですか?」


「もちろんあなた達の給料から少し貰いますが、それでもとても格安にしてますよ。

給料面の話しは次のメイとアノンの部屋を案内してからにしましょう」


「お願いします」


メイとアノンの部屋は俺達の部屋から多少離れていたが広さや置いてるものはほぼ同じだった。


「それでは注意事項や給料面の話をしましょう」


「お願いします」


「「「お願いします」」」


俺達は息を飲んでしまう。

俺達は孤児なので給料とは縁のない生活を送っていたのだ、緊張しても仕方ないだろう。


「まず、夜の二十時以降互いの部屋に行くのは遠慮してください。

一応は集団生活をしてる場でもありますので、兄妹だからと許可することは出来ません。

もし、事情がありましたらその時は私か、ヴィルデに相談してください」


「はい」


「それから給料の話をしましょう。

エイジとイーラは18万リンから部屋代、水道代、食費、電気代などを引いて16万リンです。

そして、メイとアノンは16万リンから同じく部屋代などを引いて14万リンになります。

何か質問などはありますか?」


この条件は破格だ。

宿代など全て合わせて二万リンは安すぎるし、俺達みたいな孤児に対して16万リンや14万リン渡すなんて普通はありえない。

貰えて5万リンがいい所だろう。


「あの、こんな好条件でいいんですか?」


「はい、お嬢様があなた達を雇うと決めた瞬間からあなた達は私達の身内同然です。

多少の便宜を図ったところでなんともないです。

それにお嬢様は公爵家令嬢で、それに個人資産も相当ありますからなんの問題もありません」


「わかりました。

ありがとうございます」


「他になにかありますか?」


「あの、男子と女子で給料が違うのは何かあるのでしょうか?」


「先程言ったように女の子達にはメイドをやってもらいます。

そして、男の子達にはお嬢様の護衛などをやってもらいます。

護衛と言うのはとても危険な仕事です。

怪我はもちろん最悪死んでしまうこともあります」


ゴクリと息を呑む。


「もちろんそうならないためにヴィルデがしっかり訓練所を付けてくれますが、可能がゼロになるわけではありません。

その危険分の値段だと思ってください。

まあ、お嬢様もいると思いますので死ぬ確率は1%もないとは思いますが」


お嬢様がいるだけで死ぬ確率が1%以下になるお嬢様ってなんだよ!


「わかりました。

説明ありがとうございます」


「あと、頑張りによって給料も上がったりもしますので頑張ってくださいね」


「やった!」


「こら、アノン!

すみません」


お転婆のアノンが声を上げたので注意する。


「いえ、いいですよ」


「それから、これが最後の注意事項です」


ロゼさんとヴィルデさんが真剣な顔になる。


「お嬢様を絶対に裏切らないでください。

あなた達がどんな失敗をしても私達はあなた達を見捨てたりしません。

しかし、お嬢様を裏切った時だけは話は別です。

例え地獄の果てであっても追いかけ殺します」


すごい殺気だ。

隣でメイとアノンが泣きそうになっている。


「以上で説明を終わります。

何かありますか?」


ロゼさんは殺気をしまい、さっきと同じように聞いてくる。


「いえ、ありません」


「そうですか。

それでは先程案内したお風呂に入ってきてください。

着替えとタオルはもう置いていますのでそれを使ってください」


「はい、わかりました」


「行こう」


俺はみんなを連れてお風呂に向かう。


あの大人二人があんなに忠誠を誓うお嬢様ってどんな人なんだろう?

俺が見た感じだと少し運動神経がいいだけで他はそんなにその辺の令嬢と変わった感じはしなかったんだけどな。

まあ、これから嫌でもわかるか。


そして、俺達を拾ってくれたお嬢様のためにしっかりと働こうと心に誓った。


決してさっきの殺気が怖かったわけじゃないからな!


今日も読んで下さりありがとうございます。

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