51【気持ち】
この話しどうですか?
51【気持ち】
「うぅん」
私は、重い目を開けた。
「あ、お姉様!」
「エレナ様!」
横には、リリとロゼがいた。
あ、リリ、大人しくしてなきゃいけないじゃない。
ロゼも何でそんな泣きそうな顔してるの?
あれ?
そもそもなんで私はこんな所で寝てるんだろう?
それを考えているうちに意識がはっきりしていき、深夜の出来事を思い出す。
「うっ!」
「お姉様!
大丈夫ですか!?」
「エレナ様!
気持ち悪いのですか!?
直ぐにバケツと水を持ってきます!」
リリが私の背中を摩り、ロゼがバケツと水を取りに馬車から出ていく。
やばい、気持ち悪い。
お腹の中から昨日の夜ご飯と胃液が上がってくるのがわかる。
もう無理!
そう判断した私は、急いで馬車から飛び出て森に少し入った所の木の下で吐く。
「おえぇぇ!」
意識がはっきりしていくほど思い出してくる、人を斬った感触、敵の悲鳴、返り血の暖かさ。
頭がガンガンと痛む、涙も出てきて、吐いた木とは違う木まで行き、それを背もたれにし座り込む。
「はぁ、はぁ、う!はぁ」
息も乱れ、吐き気もまだ治まらない。
「エレナ様!」
「お嬢様!
大丈夫ですか!?
水です、飲んでください」
私が座っているところに先程水とバケツを取りに行ってくれていたロゼとヴィルデが来てくれた。
「ガラガラ、ぺー。
はぁ、ゴクゴク」
最初の一口目で吐いた時に汚れた口の中を洗うためにうがいをし、二口目から体内に取り入れる。
「エレナ様、今の気持ちを今後も絶対に忘れてはいけません」
「ヴィルデ様!」
ヴィルデが言った言葉にロゼが怒鳴る。
「ロゼ、いいよ。
ちゃんとわかってる。
この気持ちを忘れてしまったら、私はあの盗賊たちと一緒になってしまう。
人間を殺すことに何も感じない人達と」
私のその言葉に怒っていたロゼが黙り込む。
「七歳と言うのはとてつもなく早いですが、剣を握るのであればこれは、避けて通ることの出来ないことです。
私もはじめて人を斬った時は、吐き、一日中泣いていまいました」
「うん」
「そして、さっきエレナ様がおっしゃった通り、その「罪」の意識を絶対に忘れないでください」
「うん」
「ですが、同時にエレナ様によって救われた人達のことも考えてください」
「え?」
私は、ヴィルデが言ってることが理解出来なかった。
私はただ自分のために、リリを助けるために戦った。
もしかして、リリのことを言っているのかな?
「今回の戦いは、エレナ様が戦わなくとも勝てる戦いでした」
まぁ、そうだよね。
ネニュファール家の騎士はみんな強いもんね。
やっぱり私がやったのはただの自己満足なのかな?
そう考えると涙が出そうになった。
そんな私をよそにヴィルデは話を続ける。
「しかし、確実に三人は死んでいたでしょう」
「え?」
またまたヴィルデの言葉が理解できなかった。
ネニュファール家の騎士があんな賊に負けるわけないじゃないか?
「一対一では絶対に負けませんが一対多を何回も繰り返さないといけない戦いでした。
そんなのエレナ様や私ぐらいの実力がないと無傷なんて無理です」
そう言えばそうだ今回は相手の人数が多すぎた。
こちらに被害がでても何ら不思議は無い。
「エレナ様は、あまり実感がないみたいですね」
「え?あ、うん」
私が曖昧な返事をする。
「それでは証拠を見せましょう。
エレナ様立てますか?
移動しましょう」
「あ、ごめん。
無理っぽい」
今の私は、足に全然力が入らなかった。
「わかりました。
では背中に捕まってください」
「ありがとう」
ヴィルデにおんぶをしてもらい移動することになった。
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