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大鴉の恩返しは傍迷惑  作者: noll
紅茶編
67/84

とある鴉の察し(男視点)


 どうやら順番は公平にジャンケンで決められた様子。しかも見れば人間が先行であった。

 あの人間が悪意に満ちた顔から一転して、どこか諦めた顔を浮かべた所から俺は嫌な予感が体中を走った。見れば人間はやる気の無いスイングをかまして一つ目の門に向けハリネズミを放った。しかしそのハリネズミも門に入る手前でピタリと止まってしまう。その姿に人間が嬉しそうに笑った瞬間、俺は確信した。

(あの人間、負ける気満々だ!!)分かっていたが本当に諦めるとは思わず俺は愕然とした。そんな愕然とする俺と人間の視線が合った。人間はどこか片方の口角だけ微妙に上げて俺に笑いかけた。どう見ても間違える事など出来ない嘲笑いだと俺は思った。しかし、別に反則行動を行った訳ではない為に、俺は何も言えずグッと歯を食いしばることになった。ふと、俺の背後で何やら蠢くような音が聞こえ、俺は身を震わせ、慌てて後ろを振り返った。見れば、そこにはどこか幸せに満ちた表情で眠るネムリネズミこと、俺の伯父の姿があった。俺は思わず息を呑むが、眠っている事が分かると安心し、そっと息を吐いた。

 ぐうぐうと寝息を立てる伯父を傍らに、俺は暫し緊張しながらも今度は女の番と分かると、ゲームの方へ意識を戻した。

 そうしてゲームは着々と進んでいく。


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