第一章 零之切割(ゼロスライサー)
この書は『矽元湧離』の後作であり、不定期に更新されます。本作は、琳忏星のワープ(躍遷)後、約氏星で巻き起こる動乱を詳細に描いていく作品です。SFバトルや超能力に魅力を感じる読者の方、また内政や国事にご興味をお持ちの方に特におすすめします。もちろん、本作には日常の些細な出来事や逸話も含まれております。
他の執筆者と比べ、私の文才はまだ至らぬ点もございますが、書き進める中で少しずつ成長してまいります。
同時に、読者の皆様には私の別の小説——確か聖騎士と九人の悪魔に関する作品——もおすすめいたします。そちらも『矽元湧離』と同様に長編小説として連載中でございます。
最後に、本小説をお手にとっていただき、心より感謝申し上げます。深く御礼申し上げます。
[約氏星、首都ロウェイナン]
(裴斯特甘武装公司)
(某処からの電子雑音)
「見つけたぞ、零之切割。」
………
「よくも俺の前に戻って来たな、史忒斯。」
「そんなに堅苦しくするなよ、零之切割。あの特体共の能力は、もう存分に味わっただろう?」
開襟の薄水色スーツを着た銀髪の男は、今、高さ四メートルにも及ぶ鋼鉄の機甲の前に立ち、悠然と顔を上げて相手に語りかけていた。
「もし歅涔さんがお前を優遇するよう言っていなければ、その態度だけでここで片足を折ってもらっても構わなかったぞ。」
「そんなに堅苦しくするなよ、零之切割。」史忒斯は両手を背中に組み、平然と胸を張った。「同盟同士、和を以て善しとするのが——」
「ん?」零之切割のサイのような鋼鉄の兜の下、原子炉のように輝く赤い結晶の瞳が史忒斯の顔をじっと睨みつけた。
「同盟?実に馬鹿げている。」
………………
(三時間前)
(約氏星、辺境地帯)
(莫提蘇偽死軍臨時基地)
「零之切割が来たのか?」
巴克洛夫・蘭、莫提蘇偽死軍グループの指導者の一人は、冷えた浮き椅子に座り、左手で滑らかな椅子の肘掛けを撫でながら、右手で頭を掻き、苦悩に沈んでいた。
「巴克洛夫、まずは[特体小队]に零之切割を迎撃させましょう。彼らだけが、あの恐ろしい怪物を食い止めるチャンスを持っています。」
「今はそうするしかないな、旬扬德。」巴克洛夫はすぐに立ち上がると、同時に脳機を作動させた。
「[特体小队]、出動だ。」
(数分後)
(警報が鳴り響き、広場全体に響き渡る)
「[亡者の葬頌]?面白い……」
「ねえ、相手はデカいんだよ~」
「零之切割が相手なら、死んでも仕方ないよね。」
「うん……」
AT-74ステルス輸送機に座る四人の特体は、それぞれ緑・紫・赤・橙の四色のフェイスカバー式ヘルメットを被っていた。緑光の△、紫光のⅠ、赤光の○、橙光のᚺ——これらの特殊な記号が彼らの胸甲に刻まれ、ちらちらと輝いていた。
「投下地点に到着しました、特体の皆さん。」
輸送機のカーゴドアが開き、四人の特体は身支度を整え始めた。SEUから派遣された、名高い[零之切割]を相手にする以上、準備なしで戦うわけにはいかない。
「アイネイキュウシ、髪の毛といてくれ~」
「もう、お前は何歳だと思ってるんだ、亓。」赤光の○が刻まれた装着式機甲を着た金髪短髪の男が、ツインテールの橙髪少女の後ろに立ち、彼女の跳ねたツインテールを整え始めた。
「(200、100、1400)、零之切割は二時の方向にある軍需庫へ向かっています。」緑光の△が刻まれた同型機甲を纏う黒髪の少年が地上を見下ろした。「複式金装甲が主です。我々の通常兵器では微塵も傷つけられません。リシグ、戦闘時は可能な限り彼の足止めをしてください。」
「ええ、サール。」紫色の長髪をした成熟した女性が短く返事をした。
(「降下開始!」)
四人が準備を整えると、次々とカーゴドアから飛び降りた。地上の零之切割は高空の気配を感じ取ると、その重厚な右腕を持ち上げた。
[死线]
彼の右腕機甲部の二つの砲口から、赤黒い二本の光線が迸り、まっすぐに雲霄へと突き刺さった。千メートル上空から地上へ向かって降下していた四人のうち、亓の眼前に突然あの異様な光線が襲いかかった。
光線が彼女の目前に迫った瞬間、赤い障壁が四人の前に広がり、まずその二本の光線を地面に跳ね返した。続いて放たれた数本の回転レーザーも、その四人を包む赤い障壁によって防がれた。
「よくやった、キュウシ!」
「我々はすでに零之切割に発見されました。次はどう動きますか?」
「零之切割まであと1200メートル。これから分散降下します。アイネイキュウシ)、全員にバリアを張ってくれ。」
「よし、任せてくれ!」アイネイキュウシは四人を包む障壁を複数の光輪に分裂させ、三人と自分自身を同時にその中に包み込んだ。
(「絶対障壁?」)
零之切割は右手を下ろし、左手を上げて、左側の重火器で自分を攻撃している偽死軍共を一掃しようとした。
瞬時に、彼の左腕に展開された砲台モジュールから、黒い波紋を漂わせる一連の擬似イオンビーム群が放たれた。
[死枪]
「うわあっ!」
彼の左方にいた偽死軍の一群は、爆発によって生じた硝煙に瞬時に飲み込まれた。彼らはひとり残らず、身体が制御を失って地面に倒れ、次の瞬間には内側から炸裂した。
「劣等種どもめ。」
[矢量瞬移]
零之切割は浮遊軍艦の傍らに瞬移し、素手でそれを軽々と縦に持ち上げた。その強大な遠心力により、内部の操縦士は即座に圧し潰された。
「退屈だ。」
彼はその浮遊軍艦を頭上に掲げ、数百メートル先の要塞の高壁に向かって猛然と投げつけた。同時に、彼はその強力な腕を持ち上げ、機甲腕部の銃腔から長さ50cmの長距離弾道収束ミサイルを二発発射した。
「報告![子午]防衛部が二発の——」
廊下を走っていた防衛部副隊長がバクロフに報告を送ろうとしたその時、背後からの炎と火花が彼に襲いかかった。廊下の激しい揺れで彼はよろめき倒れ、最終的には業火に飲み込まれた。
「おい!ザシ——」
(「何も成せぬクズどもめ。」)
零之切割は斜めに、低空を飛来する数機のアセファ型戦闘機に目を向けた。彼の肩部の圧縮砲台からは数発の圧縮指向性収束徹甲弾が放たれ、完全に正確に彼を横断しようとした戦闘機を撃墜した。
(「奴の隙を突け!」)
「亓、後腰部の右側腹だ!」
「よし来た!!」
ツインテールの橙髪少女は背中に担いだ巨大な圧縮動力斧——その斧は彼女の身長の三倍ほどもある——を持ち上げ、それを零之切割に向かって投げつけた。しかしその巨斧は相手の右腕によって防がれた。
(「特体の力か……」)
瞬時に、その動力斧の刃先が激しく震え始め、斧柄が接触した地面は粉々に砕け散った。零之切割の右腕と動力斧は激しく擦れ合い、火花が散った!しかし、それによって彼の装甲に傷がつくことはなく、むしろ動力斧の刃口が欠け始めた。
「今だ!」
零之切割がうつむくと、橙色の戦甲を着た亓が右拳を突き出し、彼の後腹部に向けて能力を発動しようとしていた。
[雹击]
彼女が零之切割の表面に触れた瞬間、その合金表皮は空気中で激しく震え、瞬時に歪んで一塊の鉄屑と化した。
(「絶対零度?」)
[矢量瞬移]
零之切割は直後に5ナノ秒で数百メートル先へ瞬移した。彼の後腹部の装甲はすでに霜に覆われ、次の瞬間にはその一片がごとく剥がれ落ちた。
再生モジュールによって、彼の傷は瞬時にナノ修復された。橙色の少女が再び突撃してくるのを見て、彼は左手を差し出し、掌から直接致命的な殺気を放った。
(「亓、次の瞬間にお前の前方7.55メートルの位置にブラックホールが生成される。」)
(「分かった!」)
零之切割が手掌砲から半径10cmの制限型ブラックホール砲を放つと、亓は両腕を胸の前で交差させ、直後に両腕を下に振り開いて、まだ幼体の小さなブラックホールを掻き乱した。
(「万物を変質させるのか?しかも直接接触せずに。」)
零之切割は左手を収め、右手で亓の左側面に打撃を与えた。彼は今、この特体を一掃するための強力な一撃を放とうとしていた。
(「アイネイキュウシ、早く!」)
「ああ、任せろ!」アイネイキュウシは左腕を振るい、亓を障壁で包み込んだ。
(「危なかった!」)
零之切割の右拳が障壁に激突し、その衝突による余剰エネルギーが彼の眼前の地域を一瞬で粉砕した。空の上では雲霧が散り、晴れ渡っていた。彼の左側の地表もすべて高空へと吹き飛ばされ、延々数千里にわたっていた。
「このままでは、指揮センターにまで被害が及ぶ可能性が高い。」戦場分析を担当するサールは顔を背け、リシグに向かって叫んだ。
「リシグ、零之切割を足止めしろ。」
「了解!」
びくともしない赤い障壁に対し、零之切割は脚部の動力モジュールを起動させ、電光石火の速さでアイネイキュウシの目前に迫った。
「速い!」
零之切割の左手手掌砲が艾汭玖斯の顔面を狙って轟くが、その巨大なエネルギー波はまるでその場に静止したかのように、相手の目前で留まっていた。
(「凝滞か?」)
零之切割は左手を引っ込めたが、その動作は予想よりも半拍遅れていた。亓もその隙に、その巨大な動力斧を握りしめ、彼の背部に向かって思い切り振り下ろした。
(矢量瞬移)
「え?」突然自分の眼前から消えた零之切割に、亓はすぐに振り返り、動力斧を胸の前に構えた。
[死枪]
零之切割は背広筋部分の装甲を開き、背部に収納された長条形容器を展開した。そこに刻まれた赤いカウント表示が上から下へと急速に減少しており、不吉な兆候のように見えた。
(「顔を左に、亓!」)
亓は頭を左に傾け、彼女の靡くツインテールが赤い曲線と間一髪でかわした。
(「全知——あの萨尔の能力か?」)
「危うく死ぬところだった——」亓は後方に跳躍し、その動力斧は次第に変形して浮遊バイクとなり、彼女は一回転して、後方駆動のそのバイクにまたがった。
(魂の減少:10人)
「アイネイキュウシ、早く障壁を使え!」
(「そろそろ俺も飽きてきた。」)
零之切割は両腕を差し出し、次の瞬間には四人の特体が彼の目前に引き寄せられ、かつてない連打攻撃を受けた。
「念動力?!」
赤い障壁の保護により、四人の特体はその鋼鉄の怪物が彼らに向かって猛烈に拳を打ち込むのを目の当たりにした。零之切割が数十発の拳を叩き込んだ後、四人は瞬時に数キロメートル先へ吹き飛ばされた。
「やばい!副作用が来た……!」
アイネイキュウシは両目が真っ赤になり、充血が眼球にまで達していた。無敵と称される障壁であっても、彼は頻繁に使用することはできなかった。どうやら彼は今や最後の切り札を使うしかないようだ:
「来い、零之切割。お前がどれほど強いか、見せてもらおう。」
零之切割は周囲を見渡したが、あの特体たちはすでに姿を消していた。彼は脚部の動力モジュールを起動し、高高度に飛翔して総指揮本部の位置を確認しようとした。
(「シリグラマ透視スキャナーでもあの糞本部を探せないということは、亜空間技術を使っているな。」)
[红障]
アイネイキュウシは両手の指を組み合わせ、遠方の零之切割を赤い障壁で直接包み込んだ。一秒保つごとに、彼の脳は狂ったように消耗していった。最終的に、零之切割はその赤い障壁に肩を押し潰され、改造バイクに乗った亓はその隙を捉え、動力斧に変形しつつあるバイクを持ち上げ、障壁を破った零之切割に向かって全力の一撃を放った。
[雹击!]
「リシグ、今だ!」
「了解。」
零之切割はベクトル瞬移を使おうとしたが、遠方のリシグが彼をその場に固定し、彼の身体さえも即座に反応できず、彼女によって凝滞させられた。
火光がきらめき、エネルギーを付与された動力斧は零之切割との衝突の間に粉々に砕け散り、そして零之切割自身も巨大な力によって遥か彼方へと吹き飛ばされた。
(「油断した。」)
前胸甲を擦り傷程度に損傷した零之切割は、風を受け流しながら遥か遠くへと飛ばされ、最終的に数百キロメートル先の山々に激突した。
(「身体が動くようになった!」)
[矢量瞬移]
零之切割は体を起こし、大気圏上へと跳躍した。完全に修復した彼は、先ほど飛来したあの大陸を眼下に見下ろし、その目は見る者を慄然とさせるものだった。先の一戦を経て、彼はあの特体たちの現在の底力を見極めた。
(「零之切割、裴斯特甘武装公司へ戻ってください。」)
「…………」
「零之切割、あの四体の特体を相手に、勝算はどのくらいだ?」
「ステス、分かっているだろう。あの四体の特体を倒すことは、約氏星を爆破するよりはるかに難しい。」
「おおお……君の短気な性格はかねがね聞いていたが、まさか開口一番にこの星を破壊するとは言わないか。」
「もしその実力がなければ、軽々しくこんな言葉は言わない。」零之切割は史忒斯と共に広い回廊を歩いており、その重量のせいで地面が震えていた。「歅涔さんの命令があるからといって、私がそうしないと思うのか?」
「確かにそれは良い方法ですね。ただ——そうされると、彼は頭を痛めるでしょう。」
「私は歅涔が頭を痛めたところを一度も見たことがない。」
「あなたがそう思うなら、そうなのでしょう。」
「権勢に阿る俗物め。」
零之切割にさんざん皮肉られたステスは、それでもなお穏やかな表情で相手を先導し続けた。二人が巨大なシャッターの前に到着すると、零之切割はそれをエレベーターのドアを開けるかのように軽々と押し開けた。
「ここがあなたの部屋です。各種設備は一通り揃っています。」
「悪くない。」零之切割はサッカー場の半分ほどの広さの部屋を見渡し、振り返って史忒斯を見た。「お前はもう出て行け。」
(シャッターが閉まる)
「ふぅ~」ステスはポケットから制汗スプレーの缶を取り出し、自分の額に向けて吹きかけた。「あの男、ハイストが言う通り、本当に傲慢だな……」
「聞こえているぞ。」
「げっ。」シャッターの向こうから聞こえた声に驚いたステスは、すぐにスプレーをしまい、回廊の奥へと早足で歩いていった。
「だから言っただろう、お前たち凡人のような連中には心底失望する……」
零之切割は浮き椅子に座ろうとしたが、その椅子は彼の重量で曲がり変形してしまった。彼はSEUにいた頃を思い出した——あそこでは椅子は微動だにしなかったはずだ。どうやらこの星の物品は、琳忏星のものよりはるかに丈夫ではないらしい。
(呼び鈴の音)
「誰だ?」
「よお、零之切割。我々はまだ会ったことがないな。」
「裴斯特甘か?」
「その通り、私が裴斯特甘だ。遠くまでお迎えできず申し訳ない。」
リン式スーツを着た裴斯特甘は、堂々と零之切割の部屋に入ってきた。彼の両目の下にある蛍光カラーのラインがこめかみから目の縁まで伸びており、その光は非常に穏やかだった。
「確かに会ったことはないな。」零之切割は振り返って彼を見つめ、その場に立ったまま動かなかった。「何か用があれば、早く言え。」
「実はですね、私の方であなたに付き添うサービス要員を一人配置しました。彼女はさほど有能というわけではありませんが、少なくとも戦闘以外の大部分の事務を処理できるでしょう。」
裴斯特甘がそう言って横に数歩下がると、シャッターのところにいた黄紅色のショートヘアの少女が緊張しながら入ってきた。
「使用人?もしお前が奴隷主なら、この封建的な城をまとめてぶっ壊してやるぞ。」
「いやいやいや~」裴斯特甘は震える女性に近づき、右手を彼女の肩に置いた。「約氏星では封建制度はすでに3000年前に滅びています。だから彼女が何か抑圧されている存在ではないことは保証しますよ——そうだろう?棠。」
「えっ?!あ、はい……」
零之切割は親しげな二人を見つめ、無表情のまま二人の前に歩み寄った。一歩踏み出すごとに、その重い足音が棠娣をわずかに震わせた。
「お前か?」零之切割は身をかがめて棠娣をじっと見つめ、彼女と向き合った。
「は、はい!私、棠娣と申します!」棠娣は軽くお辞儀をし、目尻にはすでに涙が浮かんでいたが、表情は必死に平然を装っていた。
「その名前からすると、琳忏星出身だな。」
「その通りです、零之切割。」裴斯特甘は数歩後退した。「実は彼女、かつていくつか悪事を働きまして、その後時似対銘国から我が星へ派遣され、罪を償うためのサービスに従事しているのです。」
「ん?」零之切割の瞳は棠娣の身体にロックオンし、同時に彼女の脳機チップを読み取っていた。
「裴斯特甘さん!そんなこと言わないって約束——」
「しーっ……」裴斯特甘は人差し指で棠娣の唇を塞ぎ、その後背を向けて立ち去った。「あとはお二人にお任せします。私は会社の業務に戻らなければなりませんので。」
「裴斯特甘さん——」
シャッターが閉まると、棠娣は顔を上げて零之切割を見上げ、心臓が激しく震えていた。
「お前、なぜ義体の両腕を使っている?」
「えっ?そ、それは——」
零之切割は棠娣の義体の両腕をじっと見つめ、その目は針のように鋭かった。彼女の記憶分析を通じて、彼はようやくその理由を知った。
「お前、かつて『罟』組織の人間だったな?」
「えあっ!ち、違います!」棠娣は慌てて手を振った。「わ、私は従犯で……!」
「従犯なら死ななくていいのか?」
零之切割は彼女の首を掴み、そのまま持ち上げた。強烈な窒息感に棠娣は戸惑い、自分の喉を締め付ける巨大な鋼鉄の手を両手で掴んだ。
「ご、ごめんなさい……」
数十秒後、零之切割は彼女を下ろした。棠娣はよろめきながら地面に倒れ、彼女の胸元に設置された換気孔が生命の危機によって周囲の空気を吸い込んでいた。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
「…………」
「少なくともお前はその後も意固地になって腕を移植しなかった。その点は見逃してやろう。」
「本当にごめんなさい、ごめんなさい……うぅ……」棠娣は地面に倒れたまま、涙で顔を濡らしていた。零之切割の力はほとんど彼女の首をへし折らんばかりだったが、それも彼女の人生における大きな罰の経験の一つに過ぎなかった。
「立ち上がれ。」
「うっ……」棠娣はよろよろと立ち上がり、口元からはどくどくと血が流れ出ていた。血が服の襟を濡らしても、彼女はふらふらと零之切割の前に歩み寄り、両目を閉じて、うつむいて謝罪した。
「お前は私に何も謝ることはない、棠娣。」零之切割は背を向けて立ち去り、一言だけ残した。
「本当に罪を償いたいのなら、お前が生きているうちに正しいことをしろ。」
既知の情報:
サール(△):
能力:全知。あらゆる情報を数字として認識し、万物の属性と本質を悉く見通す。その双瞳が捉えたものはすべて、彼にとって明らかとなる。同時に、視界内のあらゆる物体を透視する機能を有する。
リシグ(Ⅰ):
能力:凝滞。心に定めた対象の動作を遅延させ、速度を低下させる。時間停止とは異なる性質を持つ。極めて迅速な反応により敵をその場に「固定」し、決定的な瞬間に奇襲を成功させることができる。凝滞による減速の程度は彼女自身が決定する。
亓(ᚺ):
能力:雹击。触れたものを歪曲させると同時に、対象を霜化させる(歪曲によって生じる極めて強い圧力により空気が凝固する)。武器を介しても、その媒体を通じて対象を隔空的に歪めることが可能である。
アイネイキュウシ(○):
能力:红障。絶対無敵の障壁を創り出す。この障壁はあらゆる性質の「ダメージ」を無効化する。彼自身の念動力によって生成され、場所を問わず任意の位置に、大小自在に展開できる。障壁の形状は彼の頭脳イメージに応じて自由に変化する。




