↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラージアンの君とキス  作者: 月宮永遠
3章:宇宙戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/42

11

 何もやる気が起きず、ベッドにごろりと横になると目を閉じた。完全にふて寝である。


 ――シュナイゼルは、私のこと、どう思ってるのかな……。


 知りたいような、知りたくないような……、複雑な気持ちだ。

 少なくとも、嫌われていない自信はある。好かれているとすら思う。けれど、それがどんな種類のものかは判らない。


 ――ディーヴァに言われたから? 義務感だけじゃないと、思うけど……。


 友情というよりは、護衛対象に寄せる保護欲。そんなところだろうか。いずれにせよ、夏樹が想うようには、想ってくれていないことは確かだ。


 ――ラージアンも、恋をしたりするのかな。


 そう考えた瞬間に、目を見開いた。自覚しては、言葉にしてはいけないと思っていたのに、考えずにはいられない。

 瞳を閉じていても、彼の姿を想い浮かべてしまう。最近では、シュナイゼルをかっこいいとすら思ってしまう。

 姿も形も違うのに、やっぱり、シュナイゼルに寄せるこの気持ちは、どう考えても――”恋”。


「不毛だ……」


 思わず声に出た。ばったりとうつぶせになり、枕に顔を埋めた。


 ――あぁ……。自覚しちゃった。どうにもならないのに……。


 シュナイゼルに会ったら、どんな顔をすればいいのだろう。

 今日は気まずい思いをさせてしまった。全て夏樹のせいだ。心配してくれているのに、一人で空気を悪くしている。


 ――避けたりしないで、一緒にいられる時は素直に楽しんで……、出来るかな。


 悶々と悩んでいると、枕元に置いてあるサポートギアの電子音が鳴った。


『マスター、リリアンから通信が入っています』


「えっ?」


 以外な名前を聞いて、一気に目が覚めた。


『繋いでも宜しいですか?』


「うん……」


『ナツキ。予定よりも早く対象惑星で戦争が始まりました。我々も参戦します』


「えっ!?」


『間もなく当艦は超速移動を開始します。既に準備段階に入り、これからコロニーを無重力空間に戻します。移動が終わるまで、ナツキを安全なシェルターに入れるよう、ディーヴァから指示されました』


「え……」


『時間がありません。今すぐ外に出てきてください』


「シュナイゼルは?」


『すぐに来ます。重力解除まで時間がありません。急いでください』


「判った」


 飛び起きると、デニムにTシャツ、ウィンドブレーカーを羽織って、転がるように家の外へ飛び出した。外で待っていたリリアンは、夏樹を見るなり背中を向けて「こちらへ」と誘導する。

 リリアンは電話ボックスのような、硝子張りの小部屋の扉を開いた。すぐに床が割れて、深い円形の滑り台が現れる。


「入ってください」


「でも……」


 割れた床とリリアンを交互に見比べた。

 まるで奈落の底へ落ちて行くような、暗い穴だ。ここに飛び込むのはかなり勇気がいる……。


「早く。時間がありません」


「シュナイゼルは?」


「後から来ます。早く」


「……」


 本当に後から来るのだろうか。サポートギアの存在を思い出して、シュナイゼルに繋ごうとしたら、背中を押された。


「きゃぁ――っ!」


 悲鳴を上げながら、真っ黒な穴を滑り落ちた。

 ようやく落下が止まったと思ったら、無重力に浮いているような、心もとない感覚に包まれた。周囲は真っ暗で、何も見えない。


 ――ここがシェルター!?


 いくら踏切が悪いからって、何も突き落とさなくてもいいのに。本当にシュナイゼルは後から来てくれるのだろうか……。

 その後、しばらく意識を保っていたが、一向にシュナイゼルはやってこなかった。

 最悪なことに、アースが反応しない。

 五感の絶たれた空間で、夏樹は間もなく意識を手放した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=474030588&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。