表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/44

20.追い出した連中を皆バカにする



 護衛依頼中の俺たちは、巨大鼠ジャイアント・ラットの襲撃を受けた。


 だが……。

 ずばんっ! どがんっ! ズドォオオオン!


 銀の剣の皆さんが鮮やかに敵を斬り伏せていく。

 リィナの剣、ノエルの魔法も加わり……ものの数十分で魔物は全滅した。


「いやはや、すさまじいですなぁ……!」


 キャラバットさんがニコニコ顔で近付いてくる。荷物を守れたからだろう。


「被害ゼロとは! いやぁ、恐れ入りましたですはいぃ!」


 重力場を突破する個体が出てもおかしくなかった。被害なしで済んで本当に良かった。


「さすがは噂に名高い銀の剣の皆様!」

「そして……ガイア氏もさすがですはいぃ!」


 ……ん?


「なんで俺……?」

「そりゃあもう、ガイア氏の重力場が敵を足止めしていたのは、この素人のワタクシでもわかりましたです、はいぃ!」


 ……そうなのか?

 重力なんて見えないから、今まで評価されなかったのに。


「ガイア君、なんだいそのハトが豆鉄砲くらった顔は」


 ギンコさんが苦笑する。


「いや、俺のサポートって今まで見えないからって評価されてなかったんで。キャラバットさんが見えてたのが、不思議で」


 特別に目がいいのかと思ったが――。


「「はぁー……」」


 リィナとノエルがそろってため息。ギンコさんも苦笑している。なんでだ……?


「ガイアさん、前から言いたかったんですけど……ガイアさんの超ウルトラスーパーデラックスゴージャスなサポートを理解してなかったのって、元パーティメンバーがバカなだけですよ!」


 リィナの言葉にキャラバットさんがうなずく。


「全くその通りでございます! 重力は見えずとも、普段より動きが軽かったり敵の動きが遅かったりしたら、素人でもわかりますですはいぃ!」


「いや……でも、現に追い出されてるんだが……」


「ワタクシが思うにですねぇ、オクレールたちは自分のことしか見ていないのではありませんか、はいぃ?」


「……!」


 自分のことだけ……そうか。

 だから――俺の支えに気づけなかった。


「……どれだけガイアが支えていても、自分しか見てないから、外部ガイアのサポートに気づかなかったってことだね」

「視野狭窄もいいところだ。そんな連中が我らと同格だとは……嘆かわしい」


 ギンコさんもリィナも、そしてキャラバットさんまでオクレールを非難する。

 ――追い出された側の俺に非があったわけじゃないのか。

 あいつらこそ、間違っていたんだ。


「ガイア氏はもっと自信を持ってくださいです、はいぃ」


 キャラバットさんが笑顔で続ける。


「貴方様はとてつもなく優秀です。一部の表面しか見ない連中や、噂などという形のないものに心を痛める必要はありません」


 そしてリィナたちへ視線を向ける。


「ガイアさんはすごいけど、彼はあたしたちのリーダーなんでっ。お譲りはできませんから!」

「ふふ、わかってるさ。まあでも“今は”、だろう?」

「今もこれからもっ、ガイアさんはずっと一緒に冒険するんですー!」


 リィナとギンコさんが言い争い、それを周囲は微笑ましく眺めていた。

 オクレールのように俺を見下す者は、誰もいない。


「貴方様を大事にしてくれる人たちだけを、大切になさい。逆に、大事にしてくれない人なんて放っておけばいいのです」

「そう……か。そうですね」


 少し気になっていた。オクレールたちはどうしてるだろうかと。

 だが――気にする必要はない。


「余計なことに気を取られず、今その手にある見えない絆を、どうか手放さぬように」


 ……絆、か。

 オクレールたちとは結べなかったもの。

 だがこの人から見れば、俺の手の中にあるという。


「ガイアさんっ!」


 リィナとノエルが駆けてくる。


「ギンコさんが、またガイアさんを勧誘してました!」

「……断ったけれど、しつこくて」

「だからガイアさん言ってやってくださいよー! あたしたちを手放すつもりはないぞー! って!」


 ギンコさんたちは楽しそうに笑っていた。俺もつられて口元が緩む。


「リィナたち、からかわれたんだよ。ギンコさんに」

「へ……? そーなの?」


 ギンコさんは「無論だ」と笑う。


「君たちの絆を引き裂くつもりはないさ。狙うとしたら仲違いして彼がひとりになった頃合いだな」

「そんなことしないもん! ねー!」


 リィナが笑顔でこちらを見る。


「ああ」

「ほらー! だからガイアさんはお譲りできませんっ!」

「……リィナ。ガイアはモノじゃない。失礼よ」

「あわわわ! ご、ごめんねガイアさん……」


 本気で謝るリィナ。その様子に俺は苦笑した。


「気にすんな。そんくらいじゃ傷つかない」

「そっかー! よかったー!」「……ごめんなさいね、ガイア。この子アホだから」「なにー!?」


 笑い合う彼女たち。俺も自然と笑みがこぼれる。


 ……消せない過去はある。取り返しのつかないこともあった。

 だが俺の手の中には、まだ残っていた。

 すべてを失ったわけじゃなかったんだ。

【★☆大切なお願いがあります☆★】


少しでも、

「面白そう!」

「続きが気になる!」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】から、

ポイントを入れてくださると嬉しいです!


★の数は皆さんの判断ですが、

★5をつけてもらえるとモチベがめちゃくちゃあがって、

最高の応援になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おっちゃんはたまに良い事言う。それを拾えるかどうかは本人の資質ではあるけど。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ