05
ここが異世界なのだと理解した俺は途方にくれた。だって天国ならまだしも異世界だなんて。どうせ魔物とかいるんだろ!魔法とか使ったりするんだろ!!勇者とか魔王とかもいるんだろ!!!俺にチート能力が宿っちゃってるかもしれないんだろ!!!!
......それなのに、俺は眼鏡が壊れて何もかもがぼんやりとしか見えない状態だ。そんな状態で異世界で生き延びられるわけがない。
死を覚悟し絶望する俺に、少女は「......あの」と遠慮がちに声をかけた。
「私はその、メガネ?のことは分からないけれど。私のお父さんなら直せるかもしれないです」
「それほんとか!!??!?」
がばっと立ち上がり少女に詰め寄ると、彼女は俺の勢いに驚いたのかびくりと体を震わせゆっくりと頷いた。
「私もまだお父さんには会ったことがないんだけれど、お父さんはすごく強大な魔法が使えるんだって聞いたことがあります」
「会ったことないんですか?」
「はい。......もし拒絶されたらどうしようって思うと、怖くて。でも、君がいれば大丈夫な気がするの!ねえ、一緒に会いに行きませんか?」
そんな少女の言葉に、俺は迷わずYesと答えた。なんにしろ、眼鏡を直さないことには俺の異世界ライフは始まらないからな!
「私の名前はクリスティーネ。よろしくお願いします」
「よろしく。俺の名前はハルトだ。敬語はなしでいこう」
そうして、俺たち二人の冒険は幕をあげた。
「......そういえば、クリスティーネのお父さんってどんな人?」
「お父さん?魔王だよ!」
「......は???」




