第2章 第4話:アイリスとデート
次回投稿日は未定です(-_-;)ブックマークしてお待ちいただけると助かります……。
バスケの練習試合が終わり帰り支度をしたアイリスが校門で待つ漣のもとへと走ってやってきた。
「漣、おまたせ!結構待たせちゃったかな?」
「全然問題ないよ。アイリスは急いできてくれたんだろ?」
「早く漣に会いたくて、シャワー浴びて髪乾かしたら急いで着替えてきたよ」
「そんなに慌てなくても良かったんだぞ?」
「少しでも早く漣に会いたかったから、いてもたってもいられなかったんだよ」
そう言って満面の笑みを漣に向けた。
「ところで今日の私の活躍どうだった?」
「ああ、凄かったよ。よくあんな重い重りをつけて、あれだけ動き続けられるよな」
「鍛え方が違うのだよ」
右腕に力こぶを作って、得意げに笑うアイリスであった。
「そういえばみんなはもう帰ったの?」
「ああ、帰ったよ。アイリスに『今日は楽しんできて』って言っていたぞ」
「そうなんだ。ならみんなの期待に応えてたっぷり楽しまないとね!」
「ああそうだな。それでどこか行きたい場所はあるか?」
「うーん」とうなりながら思案顔になるアイリス。
そして一度ぽんっと手を叩くと漣の方を向いた。
「この間駅前にオープンしたクレープ屋さんに行ってみたい!」
「ならまずはそこへ行ってクレープを食べようか」
そう言うと漣はアイリスの手を握って、駅の方へと歩き出した。
歩きながら漣は思い出したようにアイリスに尋ねた。
「そういえば相手の高校の里崎って選手の動き、アイリスはどう思った?」
「ああ、あの子ね。おそらく何か特別な訓練を受けた子なんだと思うよ。すごく動きが洗練されてたから。それもスポーツとしての動きというよりも、戦闘のための動きって感じで……」
真剣な表情で、アイリスは漣に告げた。
「やっぱりアイリスもそう感じたんだね。一応注意はしておいた方がいいかもな……」
「れーん!今は他の女の子のことを考えちゃダメでしょ!隣にいるのは私なんだから私だけを見てくれないと、『メッ』なんだからね!」
アイリスは「メッ」と言いながら、漣の鼻の頭を人差し指で軽く触ったのだった。
「わかったよ、アイリス。これからは気を付けるよ」
「わかればよろしい」
アイリスは楽しそうに白い歯を見せながら笑っていた。
ーーー
クレープ屋さんにはたくさんの女の子たちやカップルがクレープを買いに来ていた。
最後尾に並んだ二人は、なにを注文しようかメニューを見て悩んでいた。
そのとき不意に後ろから声をかけられた。
そこにいたのは、先ほど試合をした相手チームの選手たちだった。
その中の一人である里崎が、アイリスに声をかけたのだった。
「アイリス、あんたもここにクレープ買いに来てたんだね。私たちの目的も実は半分以上はこの人気店のクレープを食べることだったんだよ」
里崎はそう言って笑みを見せた。
漣は里崎の言っていることに妙に納得してしまった。
通常通りアイリスのいない状態で試合をしていれば大差で相手チームが勝っていたであろうことが容易に想像できたからだ。
「でも、アイリス、あんたがいてくれたおかげで試合自体もかなり有意義なものになったよ。今日は一挙両得だな」
「私もあんたがいたからなかなか楽しめたわ。また対戦しましょ!」
「ああ、今度は本大会でな。で、さっきからあんたの横にいるそのイケメンは誰なんだい?もしかしてアイリスの彼氏か?」
「だとしたら何か文句あるの?取ろうとしても漣は私に惚れこんでるんだから無駄だからあきらめてね!」
「それはちょっと残念だよ。でもちゃんと私にもあんたの彼氏に負けない素敵な年上の想い人がいるんだから安心しな」
「へー、そうなんだ。でその人はどんな感じの人なの?」
アイリスが興味津々といった感じで問いかけた。
「そうだな。少し影がある人なんだけど、凄くストイックでかっこいいんだよ!そういえばどことなくあんたの彼氏に雰囲気が似てるかもな。彼氏さんはお兄さんとかいない?」
アイリスは里崎のその何気ない質問に一瞬だけピクっと体を震わせた。
その隣で質問を受けた漣は全く表情を変えることなく答えたのだった。
「残念ながら俺に兄はいないよ。その人とうまくいくことを祈ってるよ」
そう言って完璧な作り笑顔を里崎に向けたのだった。
その時漣たちの順番が回ってきた。
「なんになさいますか?」
「アイリスは結局何にするんだい?」
「ああー、里崎と話してたせいで全然決められてないよ!」
そう言って頭を抱えるアイリスであった。
結局二人は店員が勧めてくれた2種類のクレープをそれぞれ頼んだのであった。
クレープを買った二人は里崎たちと別れ、近くの公園のベンチに腰を下ろした。
アイリスが周りを警戒してから漣に話しかけた。
「さっきの里崎の話あれは……」
「アイリス、俺の兄さんは5年前に任務に失敗して亡くなったんだよ」
「う、うん、そうだよね。ゴメン、忘れて。……それよりせっかく人気店のクレープ買ったんだから早く食べようよ」
「ああ、そうだな」
二人はクレープを一口食べてみた。
アイリスがクレープを口に入れた瞬間、目を見開いた。
「おいしいー!漣も一口食べてみてよ!」
そう言って漣の前に自分の持っているクレープを突き出したのだった。
漣が一口そのクレープをかじった。
「うん、クリームがたっぷりなのに甘すぎず、アイスの冷たさもマッチしてとてもおいしいね。アイリス、俺のも食べてみるかい?」
今度はアイリスの前に漣が自分のクレープをつきだした。
アイリスは大きく口を開けてかぶりついたのだった。
ーーー
その後、ステーキショップで夕食を済ませた二人は、自宅への帰り道を歩いていた。
「漣、今日はごちそうさま!もう私お腹いっぱいだよ」
アイリスはニコニコしながら、お腹をさすっていた。
「どういたしまして。満足してもらえたみたいでよかったよ。でもその様子じゃお土産に買ったケーキはアイリスは食べられないかな?」
漣はそう言いながら、意地悪な笑みを浮かべていた。
「ケーキは別腹だから!絶対に食べるからね!」
そう言って漣のケーキを持っていない方の腕にアイリスが抱きついた。
漣はこんな幸せな時間がいつまでも続くことを願いつつ、心のどこかでそれが難しい願いなのだとも考えていた。
お読みいただきありがとうございます。
この話を書きながらクレープが食べたくなってしまった作者です。
でもおじさんだから恥ずかしくって買いに行けません……( ;∀;)
そんな可哀想な作者にブクマと評価★の愛を下さい!




