第1話 無謀は勇気ではありません。過失です
新宿第七ダンジョンの入口前には、焦げた金属と血の匂いが残っていた。
救急用の白い結界が、夜の歩道に淡く浮かんでいる。
結界の中では、担架に乗せられた少年がうめいていた。
「痛い……腕が、熱い……」
少年の右腕は、肘から先が赤黒く焼けていた。
装備品の安物の盾は半分に砕け、床には溶けた魔石片が散らばっている。
その横で、少女が泣きながら治癒魔法をかけ続けていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい……私の魔力が足りなくて……」
彼女の名前は、御園ミミ。
配信上では「聖女ミミ」と呼ばれている回復役だ。
そして、その少し離れた場所。
金髪を逆立てた男が、三台の撮影ドローンに向かって叫んでいた。
「みんな、見てくれ! 俺は戦った! 仲間を守るために、命を懸けたんだ!」
男の名前は、レオン。
探索者名は「勇者レオン」。
登録ランクはD。
配信者としての人気だけなら、Aランク探索者より上だった。
ドローンの横に浮かぶコメント欄には、称賛の文字が滝のように流れている。
『レオン様かっこいい!』
『命懸けの撤退戦、泣いた』
『ダンジョン庁は補償出せよ!』
『勇者を守れ!』
『スパチャ投げた! 治療費に使って!』
レオンは一瞬だけ、担架の上でうめく少年を見た。
その視線は、心配というより、計算に近かった。
「……治療費、いくらになるんだよ」
小さく舌打ちしたあと、彼はすぐに表情を作り直し、撮影ドローンへ向き直る。
「みんな! 俺たち探索者は、いつだって命懸けなんだ!」
俺、黒木司は、その画面を横目で見ながら、タブレットに一行だけ入力した。
『要精査。美談化の兆候あり』
この手の案件は、だいたい燃える。
そして燃えた案件ほど、誰かが責任を隠している。
ダンジョンが日本各地に出現してから十年。
探索者は職業になった。
配信は産業になった。
企業は装備を売り、ギルドは依頼を斡旋し、SNSでは毎日のように「勇者」が生まれる。
だが、どれだけ魔法が現実になっても、人間の言い訳だけは変わらない。
無謀を勇気と呼ぶ者。
過失を事故と言い換える者。
被害者の悲鳴を、再生数に変える者。
そういう連中の後始末をするのが、俺の仕事だ。
ダンジョン庁事故査定課。
元・損害保険会社の事故査定員。
現在は、ダンジョン事故の過失割合を算出し、保険金や救済基金の支払い可否を判断する査定官。
それが俺、黒木司である。
俺は現場を一通り見回した。
焦げた盾。
焼けた床。
折れた槍。
泣いている初心者たち。
そして、カメラの前で悲劇の英雄を演じているレオン。
タブレットに、もう一行追加する。
『事故ではなく、手順違反の可能性大』
この時点で、俺の胃はすでに重かった。
前職時代からそうだ。
面倒な事故ほど、加害者は声が大きい。
そして本当の被害者ほど、静かに泣いている。
翌日。
ダンジョン庁新宿庁舎、事故査定課の面談室。
机を叩く音が、部屋に響いた。
「ふざけるな! 俺は命を懸けて戦ったんだぞ! 保険金くらい、さっさと振り込めよ!」
目の前で怒鳴っているのは、昨日の配信者、勇者レオンだった。
焦げた鎧をわざわざ着ている。
右腕には包帯。
表情は怒りと被害者意識で真っ赤だ。
背後には、三台の自律型撮影ドローン。
この面談すら、ライブ配信しているらしい。
普通なら庁舎内の配信は禁止だ。
だが今回は、本人が「透明性のために公開する」と騒ぎ、広報部が日和った。
結果、俺の面談室は公開処刑場になった。
処刑されるのは、どちらか。
それはこれから決まる。
「レオン様、落ち着いてください……」
隣に座るミミが、小さな声で言った。
顔色が悪い。
目の下にくまがある。
昨日の治癒魔法で魔力を使い切ったのだろう。
「黙ってろ、ミミ! お前がもっと早く回復してれば、俺の腕だってここまで焼けなかったんだ!」
レオンが怒鳴る。
ミミはびくりと肩を震わせ、口を閉じた。
俺はタブレットを操作しながら、レオンを見る。
「言い分は以上ですか、レオン氏」
「ああ、そうだよ! 俺は装備を失った。腕も焼かれた。命懸けで戦った。救済基金から満額出すのが当然だろ!」
「分かりました」
俺は資料を閉じた。
「では、査定結果を報告します」
レオンの口元が、勝ち誇ったように歪む。
「おう。ようやく話が分かるじゃねえか」
「今回の新宿第七ダンジョンにおける負傷および装備破損事故について、探索者災害補償制度に基づき、あなたへの保険金支払いは全額免責と決定しました」
一瞬、面談室が静まり返った。
ライブ配信のコメント欄だけが、猛烈な勢いで流れ始める。
『は?』
『ゼロ?』
『役所仕事きたw』
『レオン様が死にかけたんだぞ!?』
『黒木ってやつ冷酷すぎ』
『血も涙もないな』
レオンの顔が、ゆっくりと赤くなる。
「……今、なんて言った?」
「全額免責です」
「意味が分からねえよ!」
「簡単に言えば、一円も払いません」
レオンが椅子を蹴って立ち上がった。
「ふざけるな! 理由を言え、理由を!」
「理由は簡単です」
俺は面談室の壁面モニターを起動した。
「今回の事象は、事故ではありません。あなたの重過失による自業自得です」
「なっ……!」
俺は右手を軽く上げる。
固有スキル。
《因果鑑定/ログ・リプレイ》
事故現場に残った魔力痕跡、破損装備、血痕、配信ログ、ダンジョン内監視結界の欠片。
それらを照合し、事故前後の行動を再現する。
戦闘能力はない。
モンスターを倒す力もない。
だが、嘘をついた人間にとっては、下手な剣よりよほど厄介なスキルだ。
壁一面に、昨日の新宿第七ダンジョンの映像が映し出された。
映像の隅に、青白い文字が浮かぶ。
【因果鑑定/ログ・リプレイ】
【対象事故:新宿第七ダンジョン火蜥蜴誘導事故】
【発生時刻:二十一時四十三分】
【査定対象:探索者レオン】
【暫定分類:負傷・装備破損・第三者巻き込み事故】
「な、なんだよこれ……どこから撮った……!」
「現場に残された魔力痕跡と、あなたが『ゴミだ』と言って捨てていった破損装備から復元した確定ログです」
俺は画面を指した。
「さて、査定を始めましょう」
映像の中で、レオンが赤い点滅灯の並ぶ通路へ足を踏み入れる。
頭上には警告表示。
――ここから先、警告区域。推奨ランクB以上。三名以上のパーティ必須。
【違反検知】
【警告区域侵入】
【推奨:Bランク以上三名】
【実際:Dランク単独】
【過失加算:+三〇%】
「まず第一。あなたは警告区域へ侵入しました。ここはBランク以上のパーティが三名以上で入ることを義務付けられた区域です」
「そ、それは……冒険にはリスクがつきものだろ!」
「冒険と規則違反は別です」
映像では、ミミが必死にレオンを止めていた。
『レオンさん、ここは危ないです。戻りましょう』
『配信の数字が上がってるんだよ。空気読め、ミミ』
ミミが隣で小さく息を呑んだ。
自分の声が再生されたからだろう。
「第二。同行者による撤退勧告を三度無視しています」
【撤退勧告無視】
【同行者による撤退提案:三回】
【探索継続理由:配信継続】
【過失加算:+二〇%】
「視聴者が求めている、という理由で危険区域に留まった。制度上、非常に評価が悪いです」
「視聴者に応えるのも探索者の仕事だ!」
「違います。配信者の都合です」
コメント欄の速度が少し落ちた。
『え、ミミちゃん止めてたの?』
『三回止めてるじゃん』
『レオン、聞いてなかったのかよ』
『いやでも盛り上げるためにはさ……』
俺は次の映像へ進めた。
レオンの盾が拡大される。
内側に、細いヒビ。
【整備不良】
【装備破損歴あり】
【修理記録なし】
【過失加算:+二〇%】
「第三。装備点検不備。あなたの盾には、事故前から内側にヒビが入っていました」
「そんな細かいヒビまで知るかよ!」
「知る必要があります。命を預ける装備ですから」
映像の中で、レオンが盾を雑に床へ置き、笑いながら言っている。
『修理? 要らねえよ。今日はスポンサーの新装備回ってことにしとけ。古い盾でも見た目じゃ分かんねえ』
コメント欄がざわつく。
『スポンサー装備じゃなかったの?』
『え、案件詐欺?』
『古い盾使ってたってこと?』
『これまずくない?』
レオンの額に汗が浮かんだ。
「ま、待て! それは配信上の演出で……」
「演出で安全性は上がりません」
俺は映像を進める。
巨大な火蜥蜴が現れる。
レオンがカメラへ向かって剣を構える。
『来たぞ! みんな、ここからが見せ場だ!』
その直後、レオンは魔石弾で火蜥蜴を挑発した。
本来なら、火蜥蜴は通路奥で眠っていた。
それをわざわざ起こしたのだ。
【危険誘発】
【休眠中モンスターへの挑発行為】
【目的:配信演出】
【過失加算:+一〇%】
「第四。休眠中のモンスターを挑発しています」
「ち、違う! モンスターが急に襲ってきたんだ!」
「ログでは、あなたが先に撃っています」
映像は冷たい。
人間と違って、言い訳をしない。
火蜥蜴が咆哮する。
レオンが盾を構える。
次の瞬間、盾が砕けた。
レオンは悲鳴を上げ、逃げ出す。
逃げた先は、一般探索者エリアだった。
そこには、休憩中の初心者パーティ三人がいた。
少年の戦士。
槍を持つ少女。
小柄な魔法使い。
彼らは、突然現れたレオンと火蜥蜴に目を見開いた。
映像の中で、レオンは彼らの背後へ回り込む。
つまり、初心者たちを火蜥蜴との間に挟んだ。
【第三者巻き込み】
【安全区域へのモンスター誘導】
【初心者パーティの退避経路を妨害】
【過失加算:+二〇%】
面談室の空気が、変わった。
ミミが青ざめる。
レオンの口が開き、しかし言葉は出ない。
俺は映像を止めた。
「レオン氏。あなたは逃走時、初心者パーティの退避経路を塞いでいます」
「ち、違う……パニックで……」
「ログ上、あなたは一度、彼らの位置を確認しています」
映像が巻き戻る。
レオンが初心者たちを見る。
そして、その後ろに回る。
たった一秒。
だが、その一秒で十分だった。
「角度の問題ではありません。ログで見れば、あなたは初心者を盾にして一秒稼いでいます」
コメント欄が、明らかに反転し始めた。
『うわ』
『これ盾にしてるじゃん』
『最悪』
『さっきまで信じてたのに』
『ミミちゃんも止めてたし、初心者も巻き込まれてるし……』
レオンが震える声で言う。
「お、俺だって腕を焼かれたんだぞ! モンスターにやられて――」
「それも違います」
俺は映像を進めた。
初心者の魔法使いが、迫る火蜥蜴へ向けて火球を放つ。
だが、レオンが退避経路を塞いでいたせいで、魔法使いは不安定な体勢だった。
火球は軌道を逸れ、火蜥蜴ではなくレオンの右腕をかすめる。
【負傷原因解析】
【申告:モンスター攻撃】
【実際:初心者探索者の防衛魔法の余波】
【虚偽申告疑い:あり】
「あなたの右腕の火傷は、火蜥蜴の攻撃ではありません。巻き込まれた初心者の防衛魔法の余波です」
「そ、それは……」
「虚偽申告です」
俺はタブレットを置いた。
壁面モニターに、査定結果が表示される。
【査定結果】
【主原因:警告区域侵入】
【副原因:装備点検不備/撤退勧告無視/危険誘発/第三者巻き込み】
【確定過失割合:探索者レオン側 一〇〇%】
【保険金支払い:全額免責】
【補償対象:巻き込まれた初心者パーティ三名】
【求償対象:探索者レオン】
俺はレオンを見た。
「無謀は勇気ではありません。過失です」
面談室に、レオンの荒い息だけが響く。
だが、俺の仕事はここで終わらない。
むしろ、ここからが本題だ。
「ただし」
ミミが顔を上げた。
「あなたが巻き込んだ初心者パーティ三名については、事故査定課の権限で、被害者救済基金から治療費、休業補償、装備補填を即日仮払いします」
「え……?」
ミミが小さく声を漏らした。
コメント欄も一気に変わる。
『初心者には払うのか』
『そこはちゃんとしてるんだ』
『黒木、冷たいけど筋は通ってる』
『レオンには出さない、被害者には出すってことね』
レオンが机に手をついた。
「待てよ……俺には出さないのに、あいつらには出すのかよ!?」
「はい」
「俺も怪我してるんだぞ!」
「あなたの怪我は、あなたの重過失の結果です」
俺は一枚の書類をレオンの前に滑らせた。
「さらに、救済基金が初心者三名へ仮払いした金額、ダンジョン施設の修繕費、緊急結界の使用料、救急搬送費用の一部については、後日あなたへ求償します」
「きゅ、求償……?」
「簡単に言えば、こちらが肩代わりした分を、あなたに請求するということです」
レオンの顔が引きつった。
「いくらだよ」
「概算で、二千八百万です」
面談室が静まり返った。
コメント欄も、一瞬止まったように見えた。
「に……二千八百万……?」
「現時点での概算です。初心者パーティの後遺障害認定が入れば、増える可能性があります」
「払えるわけないだろ!」
「分割払いは可能です」
「そういう問題じゃねえ!」
「あなたの配信収益、スポンサー収入、投げ銭、グッズ売上から、法令に基づいて差し押さえます」
「ふざけるな! 俺のチャンネルを潰す気か!」
「違います」
俺は、淡々と告げた。
「あなたが壊した生活を、あなたの収益で戻すだけです」
レオンの口が震えた。
「俺は……勇者だぞ……」
「保険は、英雄ごっこの賞金ではありません」
俺は書類を整える。
「失われた生活を、少しでも元に戻すための制度です。だから、あなたには払いません。あなたが壊した生活に払います」
ミミが、俺をじっと見ていた。
驚いたような、少し泣きそうな顔だった。
その顔を見ると、少し言いすぎたかもしれないと思う。
思うだけだ。
言い方を柔らかく探している間に、被害者の支払いが一日遅れる。
前職で、俺はそれを嫌というほど見てきた。
嘘つきの声は大きい。
被害者の声は小さい。
だから、査定員は数字と証拠で声を作る。
それが仕事だ。
レオンは椅子に崩れ落ちた。
背後のドローンがまだ配信を続けている。
コメント欄は、もはや完全に反転していた。
『これは自業自得』
『初心者の治療費出るならよかった』
『二千八百万www』
『いや笑えん、被害者いるし』
『黒木さん、言い方きついけど正しい』
『無謀は勇気じゃない、過失です』
俺はドローンを見上げた。
「なお、この配信ログも証拠として保存します」
レオンがびくりと震える。
「え」
「庁舎内での許可外収益化、ならびに事故関係者への誹謗誘導が確認された場合、追加資料として扱います」
レオンは慌ててドローンを止めようとした。
だが、遅い。
配信アーカイブは、もう残っている。
ログは編集できない。
面談終了後。
レオンは、青ざめた顔で部屋を出て行った。
ミミは最後まで残っていた。
彼女は深く頭を下げる。
「黒木さん……ありがとうございました」
「礼には及びません。俺は契約とログに従っただけです」
「でも、初心者の子たちに、すぐお金が出るって聞いて……少し、安心しました」
「支払いを早めるために、あなたの治療記録も後で確認します」
「はい」
ミミは少し迷ってから、口を開いた。
「あの……黒木さん」
「何ですか」
「もう少し、言い方があると思います」
「あります」
「あるんですか?」
「ですが、加害者に優しい言い方を探している間に、被害者の支払いが遅れます」
ミミは困ったように眉を下げた。
「……正論すぎて、言い返せません」
「それと、御園さん」
「はい?」
「レオン氏とパーティを組み続けるのは、人生の過失割合を上げるだけです」
「人生の……過失割合……」
「回復役を怒鳴り、危険区域へ連れて行き、責任だけ押しつけるリーダーは、欠陥物件です。早めの契約解除を勧めます」
ミミは一瞬、ぽかんとした。
それから、少しだけ笑った。
「黒木さん、本当に言い方がひどいですね」
「よく言われます」
「でも……検討します」
彼女はもう一度頭を下げ、面談室を出て行った。
扉が閉まる。
俺は椅子に背を預け、短く息を吐いた。
引き出しを開け、常備している胃薬を取り出す。
前職の損保時代も、事故査定は胃に悪かった。
だが、ダンジョン庁に来てからは、そこにモンスター、配信、魔法、SNS炎上が乗る。
書類は分厚くなり、胃痛は深くなった。
ファンタジーになれば仕事が楽になるなどと考えていた過去の自分を、できることなら査定対象にしたい。
俺は水もなしに胃薬を飲み込み、タブレットに目を落とした。
未処理案件が並んでいる。
保険金詐欺の疑い。
装備メーカーの安全基準違反。
未成年探索者の負傷事故。
ギルドの危険度表示ミス。
ファンタジーになっても、人間の責任転嫁はなくならない。
むしろ、スキルや魔法や配信がある分、悪質になっている。
その時、タブレットの一番上に新規通知が表示された。
『勇者レオン、緊急配信を開始』
配信タイトルは、こうだった。
『俺はダンジョン庁に潰された』
画面の中で、レオンが泣きそうな顔をして叫んでいる。
『みんな、聞いてくれ! 黒木って査定員に、俺は全部押しつけられた! 俺は仲間を守っただけなのに!』
コメント欄が、また荒れ始めていた。
俺は配信画面を見ながら、タブレットに新しい項目を追加した。
『虚偽発信』
『名誉毀損の可能性』
『証拠隠滅誘導の有無、要確認』
二千八百万に加えて、さらに請求項目を増やしたいのか。
どうやらレオン氏は、事故だけでなく炎上処理でも過失割合を積み増すつもりらしい。
俺は目頭を押さえる。
この手の人間は、一度では終わらない。
事故処理が終わっても、炎上処理が残る。
そして炎上処理にも、証拠は必要だ。
俺は指を鳴らした。
《因果鑑定/ログ・リプレイ》
次に確認するのは、事故現場ではない。
配信アーカイブと、切り抜き動画だ。
コメント欄の同情は、証拠能力を持たない。
だが、嘘を広げた記録は、立派な証拠になる。
「……仕事を始めるか」
無謀は勇気ではない。
美談は証拠ではない。
そして責任は、魔法でもスキルでも消えない。
だから俺は、今日も査定する。
支払うべき相手を、間違えないために。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
現代ダンジョンの事故を、元査定員の主人公がログ鑑定で処理していくお話です。
黒木は冷たく見えますが、嘘つきには払わず、本当の被害者には必ず払う男です。
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