66、真実を知る
三章開幕です。
「馬鹿な……」
彼は、あまりの出来事にただそう呟く。
自分の信じていたモノが根底からひっくり返された、足元が崩れ去るような感覚。
本気で世界が天地逆転したのではないか?
つい、そう思ってしまった。
「これが、教会ですよ」
「馬鹿な馬鹿な馬鹿な……こんな、こんな事があっていいはずがない……赦されていいはずがない……!」
見せられたのは惨劇だった。
目を覆いたくなるほど悲惨な、数千年前から続いている地獄の数々。
見るだけでも神経を直接引っ掻かれるような苦痛だ。並の精神力なら発狂しかねないほど、その映像は刺激的だった。
それを見る男は血の涙を流す。
映像の中で蹂躪される人間たちの苦痛を想像するだけで、胸が張り裂けそうだ。
こんな地獄を作り出す者たちが、本当に同じ人間なのかと疑ってしまう。その疑問は地獄を作り出さる精神性だけでなく、地獄作りを実行してしまう実力にも向けられる。
奴らは、化け物だ。
人智を超越した、真の怪物だ。
「我らの誘い、乗っていただけますかな?」
「……僕は、僕は、まだ、しかし……」
言葉にならない。
どうすればいいか、なんと言葉を返せばいいのか、何も思い付かない。
それを察した一人は、男に甘く語りかける。
「焦る必要はありません。アレを見て、冷静でいられる方がどうかしているのです」
「僕は……!」
「落ち着いてください」
時間をかけて、男を落ち着かせる。
そうして一人は、男の事を待ち続けた。
待って待って、待った末に、一人はまた甘やかに男へ言葉を吐いた。
「我らは理解しろとも、味方になれともいいません。しかし、知っておいてほしい。これを知って、貴方がどんな選択を取るのかは強制しません。ですが、さらに深淵を知りたいのなら、三番街の喫茶店『リヘンシップ』まで」
過呼吸気味な男へ、言葉を残す。
男にとっては呪いにも近い言葉を。
「聖国の大監獄、サルベ牢獄の襲撃への参加。是非とも考えておいてくださいね」
この三ヶ月後、世界で最も堅牢な監獄、世界中から凶悪犯が集められるというサルベは半壊する。
そして、万を超える服役者も、牢獄半壊と同時に消え去ってしまった。
多分十一時にもっかい更新します。
したいです。
しよっかなあ……




