貴族と王族は我慢の限界です
お馬鹿さん達がやらかしていた同時刻。
ザイラス王国では国民や貴族の不満が急激に膨らんでいた。
現国王が聖女であるマリアナを国外追放した後から国内は荒れていた。反乱が今まで起きなかったのは聖女がその後魔国に渡り幸せになったと国民の前に姿を現したからだった。国外追放され一度姿を消した聖女は魔王をつれて
お忍びで挨拶に来てくれた。
その時を思い出しているナーヴィス公爵、アレンは静かに目を閉じた。
聖女マリアナの護衛騎士だったアレンは現国王が嫌いだった。民に愛される聖女に嫉妬して虐めていたのだ。
マリアナは知らなかったと思うが聖女は神殿から出てはいけないなど規則を
作ったのは現国王である。
聖女を神殿に幽閉し国民から隠そうとしたらしい。現実は逆効果で神殿は多くの人で賑わい聖女に会おうと行列をなした。
考え方がお粗末だなとアレンは思った。元々アレンとマリアナと現国王は幼なじみだ。
幼なじみと言っても仲はあまりよくなかったが。マリアナとアレンはともかく現国王は我が儘で横暴な子供だった。アレンが苦手から嫌いになるのに時間はかからなかった。
頭の悪いガキとしか思わなかったのだ。
大きくなっても頭が悪いガキのままで聖女を冤罪で国外追放した時は闇討ちをしようかと本気で考えていた。
ナーヴィス次期当主だったアレンは聖女につきそえなかったが信用できる神官やシスター、親友であった女騎士が共に出て行ったのが幸いだった。
聖女が国外追放された一週間後。
反乱を起こす予定だったアレンの元に
一人の魔族の男が現れた。その男は同じ男でも目を開く程の美しい姿を持っていた。
アレンに男は聖女は無事だ、心配するなと言ってすぐ去っていった。
その男が魔王だと分かったのはそれから一年後、聖女が現れたときだった。
今、反乱を起こして自分たちを疲労させないでと聖女本人に言われた国民と貴族はそれに従った。
国王は馬鹿ではあるが仕事が出来ないわけではない。
反乱をいつ起こしてもいいように蓄えておくということで一度保留になった。
その後アレンの元に養子としてルアティナが来たのはそれからさらに十年後だった。
この国を婚姻という形で支配するわと話す少女はかつての聖女マリアナに
似ていた。
彼女が聖女の娘だとアレンが密かに国民や他の貴族に話し、万が一の時は反乱を起こすと決めた。
その万が一は本当に起きた。
国王の息子がマリアナと同じときのようにルアティナを国外追放をしたのだ。
「いいかげんしろ!」
それを聞いた国民と貴族はとうとう完全にぶちギレた。
もはやこの国には王族に従う者など誰もいない。




