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00-01.もし最初に出会ったのが…

ちょっとした番外編です。本編とは関係ありません。

「王国軍だ! 殺せ!」

「北の残党を見つけたぞ! こっちだ!」


卒業旅行帰りに突然、森の中に迷い込んだ。言葉通り、本当に突然だった。

最初は慌てたり、声を出したりして周囲に人がいないか探したけど、沈黙しか返ってこず、ひたすら暗い森の中を彷徨う。

もしかしたら動かなかったほうがよかったのでは?

と、後悔していると少し遠くから人の声が聞こえ、急いでそちらへと駆け寄った。

人がいた。これでここがどこなのかきっとわかる! 助かる!

そう思っていたのに、見たことのない壮絶な争いをしている光景が目にうつる。


「な、なにこれ…」


声に近づくたび、怒号や罵声、悲鳴や叫び声などが森中に響く。

たくさん歩いてクタクタだった足を無理やり動かして駆け寄ったのに、異様な言葉と雰囲気、それと血生臭さに自然と足は止まってその場に座り込む。

疲れた。というより、非現実的な光景に身体から力が抜けてしまったのだ。

目の前では様々な動物たちが命のやり取りをしている。―――殺し合っている…!

ゆっくりとその現実を受け入れると身体の芯から震えが沸き上がり、今度はどうやってここから逃げ出そうかと考え始める。


「(どうしよう…どうしよう…! 見つかったら殺されるかもしれない…)」


無意識に息を殺し、身体をさらに小さくさせてその場から逃げ出すべきか、このまま息を殺して大人しくしているのか考えるも答えは出ない。


「(逃げよう…!)」


その結論が出たのは考え始めてから数分だったのか、数秒だったのかわからない。

持っていたキャリケースを再度握りしめ、震える足を叩いてバレないよう逃げることにした。

どこに逃げるのが正解なのかわからないけど、とにかくあの場から離れるのが先決だ。

人に会いたいとは思っていたけど、あんな場面に遭遇したくなかった。

この現代社会に戦争? 殺し合い? 日本じゃありえないし、何より動物が喋るなんてもっとありえない! きっと夢だ!

そう思いたいのに歩きすぎて身体中はちゃんと痛いし、この臭いも夢とは思えない。

じゃあなんで私はここに?


「っ!」


自然と溢れる涙を拭うと、前方にぼんやりと明かりが目に入った。

すぐにその場にしゃがみこんで再び息を殺す。

バレてはいけない…。

乱れる呼吸を必死になっておさえ、明かりが離れるのをひたすら待つ。


「どっちに行こう…」


明かりは右から左へと移動した。明かりについて行けば誰かに会えるかもしれない。

いや、もしかしたら偵察?の人で、今から敵陣に奇襲をかけるのでは?

右に行けばあの明かりの人達の仲間がいる? それとも奇襲をかけた帰り? なら敵だと勘違いされて殺される?

だったら真っすぐ行くべき? もしかしたらまた違う戦場に行くかもしれないし、さらに森を彷徨うことになるかもしれない…。

見つかったら殺される。だからと言って森を彷徨うのも危険だ…!

今までにない体験に頭を捻って何が最善か考えるも、こんな経験をしたことないから正解が見つかるわけもない。


「(―――よし…!)」


でも決めなければいけない。

私が決めた選択は、

最初に出会わなかったのがシャルルではなかったら?のIF話です。

ちょうど王国と北の国との戦争中の森の中に転移させられました。

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