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花鳥雲月録 ~乙女と不機嫌な護り人~  作者: 五十鈴 りく
第三部+五方神鳥の章+

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102/102

おまけ

※こちらは本編が完結した後の二人の裏会話です。

 こちらから先に読むと本編のネタバレを含みます。

「ねえ、ルーシュイも一緒にお義姉ねえ様にお会いしたわよね?」

「ああ、シャオメイか」


「そうよ! あれ、やっぱり()()シャオメイよねっ? シャオメイがお兄様のお嫁さんになってたんだけど!」

「それなんだが、実は事前にユヤン様から聞いていたんだ」


「え?」

「いや、知らないでいきなり再会した時、変に動揺したら昔の女だと思われるだろうとか言って笑ってらしたが」


「ユヤン様ったら……」

「まあ、彼女はつくづくメイリーと縁があったということだな」


「そうね、シャオメイならいいわ。むしろ嬉しい。お兄様はお義姉様が亡くなった時、それはお嘆きだったから、ようやく傷が癒えたのね。姪のファミィもシャオメイなら可愛がってくれると思うわ」

「実は、義兄上あにうえが結婚する時、挨拶のためユヤン様に会いに来られたそうで。その時、いい機会だと色々と話をされたそうだ。メイリーが鸞君であったこと、シャオメイがその女官であったこと、踏み込んだ話をな。自分の妻と妹に関わることだから、秘密にしておくのもどうかって」


「そうなの?」

「ああ。その上で、義兄上と妻のシャオメイにメイリーが鸞君であったことなどを口外しないようにと釘を刺されたそうだ。義兄上はいずれご出世なさるだろうから、シャオメイが義兄上のもとにいることは、国にとって不利益にはならない。まあ、それも次の鸞君を立てなかったからできることだと仰られていた」


「国にとってとか、そんなことよりも、お兄様やシャオメイの幸せの方がわたしには大事よ」

「うん、それは間違いないから。心配要らないさ」


「それならいいの。ねえねえ、ところでルーシュイ、わたしのお粥、昔より美味しくできてる?」

「……」


「なんで黙ったの、今」

「え? いや、深い意味は……」


「ないの?」

「うぅん、まあ……」


「嘘。美味しくないんでしょ」

「そ、そんなことは……。ちょっ、泣かなくても……っ」


「泣いてないわよ、これくらいで泣かない。あ、でも、ルーシュイが寝ぼけて私に『レイレイ様』って呼びかけた時は泣いたわ。『レイレイ』って誰よって」

「寝ぼけて? ……それは、悪かった」


「ううん。まさか自分のことだなんて思わなかったから。でも、忘れてしまっていたからこそ、そんなわたしのことを変わらずに大事にしてくれていたんだって知ることができて、わたしは今、国で一番の幸せ者ね」

「二番だよ。一番は私だから」


「ルーシュイってば……。ねえ、わたし、恩返しにルーシュイより長生きしてルーシュイを看取るからね」

「……私よりも長生き?」


「そうよ」

「えっと、私の方が長生きする予定だから、間に合っているよ」


「ええっ」

「私の方が先に死んでメイリーがどこぞに再嫁すると嫌だから、先に死なない」


「うわぁ」

「なんとでも言ったらいい。そういうわけだから、メイリーも私を看取るつもりなら相当長生きしないとな。私は負けないつもりだが」


「わたしも絶対に負けないわ」

「そう願いたいね」


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