表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の彼は忍者  作者: 紅葉
31/64

誕生日プレゼント

ーー5月25日。


バイト代が振り込まれた通帳を見てニンマリ。


バイト最終日、働きを認められて、バイトを続けて欲しいと店長からお願いされた。

学校と部活と忍者トレーニングと三足のわらじを履く私は、時間的にかなりキツイんだけど、自由になるお金の有り難みを覚えた私は、週二でバイトを続けることにした。


だって、これから夏休みもクリスマスもあるし、交際費って意外にお金がかかるんだよね。

部活だって遠征費だ何だと親に負担をかけているし、お小遣いを増やして欲しいと言いにくい。……なにより、先輩のお爺さんがレストランのオーナーをされているので、学校行事や剣道部への理解力があるのが、有り難いね。


ゴールデンウィーク中は、家族連れのお客さまが多かったから、男性客の視線もあまり気にならなかったし、先輩と一緒に働けて楽しかった。


暇人なのか優駿君は、毎日来店したけど、2日目から私が応対することは無くなった。


水を出そうとすると、先輩が行ってくれたり、オーダー取りを頼まれたら一足先に先輩か行っちゃったり……。


助けられてばかりじゃなくて、もっとキビキビ動けるようにならないとね、頑張ろう!


優駿君も友達多いんだから、どこか遊びに行けばいいのにねぇ。

それに外食ばかりは身体に悪いよ?


先輩への誕生日プレゼントは、何にしようか悩みに悩んで、前に由希ちゃんたちと行ったショッピングモールに、天然石のショップがあったのを思い出した。


キラキラと磨かれて光る天然石をストラップに加工出来るんだって。

石にも色々と意味があるらしく、誕生石に、勝利運とか健康運とか組合わせられるらしい。


「付き合って3ヶ月の彼氏へのプレゼントって言えば〜あれがあるじゃん?」


ねぇ〜、と最近仲のいいクラスの女の子友達にニヤニヤされる。

彼女らは彼氏がいるらしく、そういう話題が大好物の様子……。

でも口が軽いから、色々と真剣に相談するような相手では無いなぁと思う。だから、彼氏がいることは、言っていても相手が藤波涼だと言うことは、積極的には言っていない……。


「何なに?」

と、話の続きを促す。


「だ〜か〜ら、アレじゃん」


「あれ?」


「ア・レ」


……?


「にっぶいなぁ〜もう!!」


と、キャラキャラ笑われた挙げ句、教えて貰ったアレとは、つまり、春休みに買ったマンガでドキドキしたアレで……つまり、『私のハジメテをアゲル』って事らしい。




当初の目的通りに、放課後、由希ちゃん、優理花ちゃんと久しぶりに待ち合わせして、ショッピングモールの天然石のショップに行く。


天然石って、お値段色々……しかも、結構お高い……んだね。


先輩の誕生石のムーンストーンと、勝利の御守りのヘマタイトを選んだ。

透明感のある白と黒の組み合わせは、先輩のイメージ通り。


ブレスレットやペンダントもいいな〜と言ったら、優理花ちゃんに、ブレスレットやペンダントを贈る人は独占欲が強いんだってと、からかわれてしまった。


小さい石をいくつか繋げて貰って、ストラップに加工して貰った。


なかなかいい感じじゃないですか?

先輩、喜んでくれたらいいな〜♪






翌週の日曜日。

忍者修業に入る前のもはや形式化したおやつタイムに、プレゼントの入った袋を、先輩の前に差し出した。


「先輩、お誕生日おめでとうございます」


先輩は驚いた顔をして、袋を受け取る。


やりぃ!!

サプライズ成功です。


「誕生日、言ってなかったよね。ありがとう、中を見てもいい?」


「勿論です」


袋のリボンをシュッと開けて、長い指先が摘まみ上げたのは、小さいヘマタイトとムーンストーンをリング状に編んだ、ストラップ。


「ありがとう。……大事にする」


嬉しそうな、でも少し照れたような先輩の表情が嬉しい。


「先輩……えへへ」


「ところで理沙、九字護身法の印、出来るようになった?」


「はいっ!」


見てて下さいね。


両手の指を組み直して、九字護身法の印を組む。


「……『在』、『前』」


左手を右手で握り包むような印を組んで、チラッと先輩の反応を窺う。


「スムーズに出来るようになったね。理沙、素質あるんだな〜」


練習しましたからね!

褒められると嬉しいなぁ。


「ご褒美あげないとね、理沙、何がいい?」


え?


希望を言って良いと思ってなかったから、何も考えて無かったなぁ……。


う〜ん、先輩と写真も撮りたいし、デートもしたい……でも、キスしたいな。

最後まではまだ怖いんだけど、手を繋いだり、頭を撫でられたり、スキンシップが気持ちいいんだよね……。

そんなこと、女の子から言ったらはしたないって思われるかなぁ〜。


無意識にチラチラと先輩の唇を見ていた。

クスッと笑って、先輩が近寄ってくる。


急にドキドキして、真っ赤になって俯いて、動けなくなってしまう。

どうした、私!!


優しく腕の中に抱き込まれた……。


耳許に口を寄せて小さく囁く。


「怖い?」


頭をぶんぶん横に振る。

恥ずかしいだけです。


「……理沙の誕生日も訊いてなかったね、いつ?」


「4月1日です」


「エイプリルフールなんだ? 」


「そう。それで、陣痛来たからって、父さんに連絡したのに、嘘だと思って出産の立ち会いに間に合わなかったっていうのが、母さんの持ちネタ」


「ネタなんだ? 一瞬信じた」


「本当は分からないけど……」


「生まれてきて、理沙と出逢えて……良かった」


「私も。先輩と出逢えて良かった」


「涼って、呼んで?」


頬に添えられた手に導かれながら、顔を上げる……。


チュッ


唇と唇が触れるだけのキス。


なんだかもどかしい……。


「先輩……」


「クスクス。涼って呼べたらね」


最後にチュッと額にキスを落として、腕の中からも解放されたーー。


「さ、楽しいトレーニングの時間だよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ