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私の彼は忍者  作者: 紅葉
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会えない日々

3月の学校行事は忙しい。


卒業式、それが済んだら学年末テスト、そして終業式。

春休みにはがっつり稽古をして、春の選抜大会。


学年末テストが終わるまで部活は無いから藤波先輩にも会えない〜!!


バレンタインデーの後、何だか藤波先輩といい雰囲気になれて、告白する? それとも、告白されちゃうのぉ〜?? と、気持ちが盛り上がったけれど、次の日から藤波先輩は学校を休んでいた。ガックリ……。


インフルエンザかなぁ……と心配する。

一週間経っても部活に来ない……。


二週間目に突入しても部活に来ない……。


こんな事なら、メールアドレス交換しておけば良かったかも。


ストーカーだと思われるかなと、ドキドキしながらも、お爺さんから何か聞けるかもと、恥ずかしかったけれど誰かを誘いもできなくて、一人で忍者レストランに行ってみたけれど、お爺さんもお姉さんもお兄さんも出演してなくて、別の役者さんによってショーは公演していた。


「だーかーらー、告白しなよって言ったのに」


先輩欠乏症でしょんぼりする私に鞭打つ台詞は由希ちゃんのもの。


「だって……」


私たちもう付き合ってるんじゃないの? って錯覚するくらい幸せ過ぎた二日間だったね……。

何だったんだろ、アレ。

私が作り出した妄想でしたか?


「あれだけ積極的に誘われていたから先輩から告白あるかもって思っていたけどね〜」と、優理花ちゃん。


「理沙気づいてた? 理沙がお茶当番の日にだけ、藤波先輩練習メニューさっさと済ませて消えるの。あれ?と思ったらいなくて、その後アンタが毎回『藤波先輩って優しいよね〜』って言ってるんだけど」


……そうだったの?


「理由はともあれ、他の女に取られる前に登校してきたら即、告白よ! 」


と由希ちゃんが雄々しく言い放った。

ヒトを指差すのは止めてね……。




結局先輩が登校してきたらしいと聞いたのは、3月に入ってから。

学年末テストの準備期間中で部活は休み。

部活が無いと学年が違う先輩とはなかなか会えなかった。

上級生の教室訪問なんて怖くて出来ないし。


卒業式、式典の最中に藤波先輩のお姿は少し見れたけれど、目も合わなかった……。シクシク。


そして、学年末テスト。


試験範囲が一年間やった全範囲ってあり得ないでしょ?

実にまんべんなく出題されていたよ。先生のイジワル〜!!

平均点ギリギリを覚悟した。


長かった5日間の学年末テストが終わって明日からようやく、ようやく!!部活始まりますよ!!

やっと先輩に会える〜!!


喜び勇んで部活に行ったものの、いざとなると先輩とお話する機会が見つからず……。

お茶当番もしばらくは回って来ない。

部活はというと、テスト期間中に稽古出来なかった分を取り戻すべく、春の選抜に向けて力も気合いも入りまくりでかなりキツイ。


ひ〜ん!!


そんなある日、吉備先輩から皆に伝えられた。


「春の選抜大会に向けて強化合宿をすることに決まりました。家庭の事情もあるだろうけど、なるべくみんな参加して」


「いつ?」


2年生の先輩が質問する。


「春休み入ってすぐの3日間。場所は当麻剣道場。男女合同だけど、寝る所は別だから安心して」


と、爽やかに冗談を言った吉備先輩。

当麻剣道場は、当麻先輩のお父さんが経営する道場で、よく道場生の合宿にも使われているらしい。

男子は道場で、女子は母屋に泊めてもらうそうな。


稽古内容は聞くのも恐ろしいけど、楽しみだな。藤波先輩と話す機会があればいいな〜。







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