第3章 その7 その貴族の結婚事情
サブタイ重!(笑)
今回は会話メインです。
夕食の薄切りステーキはとても美味かった。なんの肉か詳細解析など不粋と思えるくらいに。肉だけでも噛むと旨味がジュワッと広がり、仄かに香草の香りが肉の臭みを消しているのだろうが良いアクセントになっている。付け合わせのソースがまた絶品で、野菜や根菜と動物性の骨などをしっかりと煮込んでデミグラスソースの様だ。肉本来の旨味とソースのコクが加わって、まさに御飯が進む。お米自体は、後付けと思われるバターライスの様だが、それでもフォークが進む。出来れば此処は箸が欲しいのだが、箸がないのだろう。今度、自分用…ルナマリアにも作ろうか。たいした労力でもないし。
ふと周りを見ると、皆無言で食べている。本当に美味しい時は、無言になるのも頷ける。ふと視線が気になったのでルナマリアを見ると既に完食し、私のお皿にあるステーキ肉を見ている。身体は大きいから物足りなかったのだろう。残ってたお肉四枚の内、三枚をルナマリアのお皿に移してやる。良いの!?とでも言わんばかりに眼をキラキラさせながら、私を見て来るルナマリア。これじゃ、完全に妹か娘の面倒見ている気分だな。軽く首肯いてやると、飛び付く様に肉を頬張るルナマリア。見た目、若い母様にしか見えないのになぁ。
食事を終えて、用意されていた紅茶を飲む。さて、今後の話をしよう。
「職授の儀は選ぶ時間もありますから一ハウルは掛かると思います。私はギルドマスターに状況説明やらしないといけない事や、後にイレースさんをパーティ登録が必要なのもある。なので、まず私とルナマリアは武器屋に行って装備を調えてから冒険者ギルドに向かうとします。イレースさんとヴァレルさんは先にギルドへ向かって貰って良いですよ」
「ふむ(お嬢の称号を見られる訳にはいかんし)、お嬢もそれで宜しいか?」
「(どちらでも良いけど、時間効率は良いわね)ええ、それで構わないわ」
「ルナマリアもそれで良いよね?」
「武器一本じゃあ心許ないし、良いよ」
「じゃあ、そう言う事で。ではお風呂ですけど…先にしますか?」
「我々は後にしよう。アルフ殿達が先に入り、次にお嬢、最後は私が入ろう」
「分かりました。じゃあ、ルナマリア入ろうか」
「うん!」
◇アルフ達がお風呂に入っている間のイレースとヴァレルの会話◇
「…何とも自然に二人?で入って行きましたな」
「…そうねぇ。兄妹みたいなものなのかもね」
「しかし…アルフ殿で即決して良かったのですか?ギルドに行けば、他にも…」
「いえ!アルフ君が良いの!だってあんなに可愛いは…ジュル…コホン。あの歳で私よりも経験があるのでしょう?先日の、ゴブリンとはいえ、戦闘も凄く冷静だった。こんな優良物件は他にいないわ」
「確かに実力は私並みでしょう。ただ色々と隠していそうですが…」
「そんなの此方も領主の孫娘って事、隠しているわ。お互い様じゃないの」
「それはそうですが…後はエルフ族との繋がりでどうなるか…」
「でもオズィール様の御子なのでしょ?そこまで問題にならないと思うけど」
「お嬢も気付いておられましたか」
「私の場合、カマかけね。トナンの森、エルフって言ったら、オズィール様位しか考えられないもの。あの聡明な御方の御子。それもあんなに可愛い…」
「お嬢」
「あはは、でも優良であるには間違いないでしょ?。アルフ君ならお爺様も認めて下さるわ」
「隠してる事、エルフな事を除けばですが」
「もう〜。この話はもう良いわ。んで、ヴァレルは職授後には真っ直ぐ帰るの?」
「いえ、お館様の親書を王都に届けなければならないので。何かありますか?」
「ヴァレルの事だから、アルフ君の事も報告するのよね?なら、結婚相手は私になる予定だから勧誘しない様に言っておいて」
「…それは…重婚出来るのですから、無理があると」
「いヽえ、最初、正妻の座は私って事は分からせないとね」
◇
いや〜、怖いわ〜。これも貴族の為せる業なのか。結婚相手探しがイレースの本音だったとは。
え?何でその会話が聞こえてるんだって?だってこの部屋の魔法掛けて貰ったのは私だよ。当然、私には筒抜けになる様にするのが防犯意識ってもんですよ。
結婚する事自体は別に構わないけど、出来れば普通に恋愛が良いなぁ。
読んで頂いた方々に感謝を。




