第2章 その31 その戦力差
もっと私に表現力を\( ̄_ ̄;)/
詳細解析で見た男のレベルに、驚愕したからか…いや、此れは回復出来ていないダメージの所為だ。痛みが全身に走る所為で、身体が震える。なんとか手槍を杖代わりにしながらも、家にゆっくりと近付く。勿論、男を睨みを効かせながらだが、効果はないだろう。
「ほ〜うぅ。ブッ殺すつもりで打っ叩いたつもりだったが、結構タフじゃねぇか」
男は片手で幅広の剣を、肩に担ぐ様にして此方を見ている様だ。あの程度じゃ、猛獣が獲物を嬲っているのに過ぎないのだろう。バレない様に小回復を掛けて、少しでも時間稼ぎをする。
「はっ!光魔法使えるのか、坊主は。ならもうちょい痛め付ける…」
その時、家の扉が大きくバタンと開く。
「家で騒いでるのは誰よ!?ってアルフ?どうしたの!?お前かぁ〜…ん?誰?」
勢いよく扉を開けて叫んだり、私を見て青褪めたり、男を見て怒り心頭になったり、頭の上にハテナ作ったり…なんだろね。ちょっと和んでしまうよ。男の方は、エミーのその様子を見て睨み付け。
「ボルゾンだ!!同じパーティーだったろうが!」
あ、エミー達の元パーティーメンバーなんだ。小回復を唱えながらも、納得して…いや納得出来るか!
「母様!アイツ、ロドル達を殺したんだ!私もブン殴られたんだよ!」
「ボルゾン…あぁ、ゲス野郎ね。んで、私の可愛いアルフをぶん殴ったと」
エミーの怒りが頂点に達した様に黒いオーラを発したかと思ったら、家の前から消え…男、ボルゾンの目の前まで一瞬で移動して逆袈裟に切り上げた。
だが、ボルゾンは上から剣を振り下げて鍔迫り合いの様になる。
「引退した割には剣筋、鋭ぇな。剣姫は伊達じゃねぇってかぁ?」
「何あんた?探掘士だった割に強いじゃない?何処で鍛えたの?」
「今は、忍者だよ。それに地獄を見てきたからなあ〜!」
ボルゾンがエミーの剣を弾き、蹴りを繰り出すが、エミーは後ろに素早く後退して足を斬り付ける。だが、ボルゾンは直ぐに脚を剣筋から離す様に横に払う。とてもじゃ無いが、あんな接近戦は私には無理だ。援護用に『光針』をボルゾンの上空十メル程に数を揃えていく。ちょっと距離が遠いから八本が限界かな。
エミーが、左手の柄を握り直す様に一瞬だけ中指からの三本を振り下げる。ボルゾンには分からない様に、私に指示を出したサイン。タイミングを合わせろと。エミーは右脚を前に、そして左脚を背後に伸ばす様に態勢を変え剣を納刀する。
「我流、『剣気一閃』!!」
エミー必殺の居合抜き。それがボルゾンに当たると同時に、『光針』を奴の頭上に降り注ぐ。
「ぐはっ…」
ボルゾンは苦悶の声を発したから、ある程度はダメージを与えた筈だ。私の光の針も半数は当たったが、残りは外れて地面に刺さり土や草を舞い上げて姿を隠す。私とエミーは土埃が晴れるまで待った。
「がぁ〜糞がっ!!コレはそのガキの仕業かっ!」
土埃が晴れると、ボルゾンは満身創痍…程になっていなかった。エミーが放った剣気一閃は、奴の鎧を断ち割っていない。私の光の針も右眼に刺さっただけだった。レベルが違うとここまでの差があるのか?
「ボルゾン、その鎧は何?傷一つ付かないなんて」
「あぁ!?あ〜此奴は王様が身に付ける鎧だぁ〜。所謂、国宝級って奴だ。いやいや、エミー、テメェの剣技にゃあ、流石の俺様も動けなかったぜ。だが、この鎧のお陰で助かったなぁ?」
鎧で助かった?国宝級って…鎧を詳細解析すると、更に絶望、いや諦めが尽きそうだった。
アダマンタイトの鎧
攻撃力30増
防御力100増
移動力20減
対魔法無効化(鎧)
対物理無効化(鎧)
付与 小回復(装備者)
備考 兜、鎧、小手、盾、脛当の五点が全て揃うと、対魔法、対物理共に完全無効化出来る。
マテ。国宝級っていうか、伝説級じゃないのか?こんなのどうやって…いや、奴の眼には刺さったんだ。なら、少ないながらも勝ち筋はある。エミーもそれが解っているのか、今度は顔や手足への斬撃に切り替えた。
だが、それも読んでいるのだろう。奴の去なす剣速が速くなり、エミーを少しずつ追い詰めていく。私が躊躇している間に、奴の右眼すら徐々に回復している。兎に角、手数を増やすしかない。
まだ死角であろう奴の右側に周り、槍を突き出すが簡単に躱される。背面の首に光針を撃ち込むも、鎧のネックガード部分で防御され、無駄に終わる。明らかに、速さや経験、レベル差、そして鎧の能力でエミーと私二人の攻撃が簡単に悪しらわれている。何か手はないものか、と思考に耽ったのが間違いだった。
奴の剣先が私の左胸、つまり心臓を狙いすますかの様に差してきた。別思考で『全力回避!』『間に合えぇ!』『死ぬもんかぁ!』と心で叫び、身体を右前に半回転させながら右方向に回避行動をとる。心臓は免れたが、左腕が半分切れて出血する。残りの思考で準備していた『光針』三本を奴の顔面目掛けて撃ち込む。
私は全力回避した反動で右にスッ転ぶが、奴もまた右眼に『光針』が刺さり呻き声を上げた。エミーはその隙に、私を刺し貫こうとした奴の右腕を叩き斬る。追撃するかと思っていたが、エミーは呻き奴との距離を取る。
エミーの右脇腹には、ナイフが刺さっていた。
誤字脱字等ありましたら、ご報告頂けると幸いです。読んで頂いた方々に感謝を。
次週も予定通り18時更新です。
どうか読んで頂いている皆様へ。是非ともブックマークや評価を下からお願いします。




