序章
世界は支配に満ちている。俺はそう思う。
しかしその支配を容認するつもりはない。この不自由な世界にも、光は差し込むべきなのだ。
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「しくったか......」
男は後悔していた。
もう少しで目的を達成できたのに、どうしても確かめたかった事を無理に突き止めようと不要な動きをした結果がこれだ。
昔から気になったことを放置するのが嫌な性分が、ここにきて仇になるとは。
彼は岩陰に身を潜めながら切らした息を急ピッチで整える。
(次の攻撃が来る前に早めにここを離れないとな)
離脱の準備を整えていた矢先、何者かによって彼が隠れていた岩ごと魔法で破壊されて彼はその姿を晒した。
相対した者は、男が絶対にそこで会いたくなかった魔法使いだ。
「あんたみたいな魔導士に会うなんて、俺もツイてないねぇ。さてどうするか......」
男の体は激しく光り輝く。そして敵対している魔導士も体を光り輝かせた。
二つの光が激しくぶつかり合い、何度かぶつかっているうちにツイてない男の光がもう一方の光によって吹っ飛ばされてしまった。
壁に強く打ちつけられ怯んでいると、彼を吹っ飛ばした魔導士の手が彼に迫る。
(やはりダメか......)
そして男は、自由を奪われた。
俺は不自由、俺は諦めない、俺はそう思う。
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世界は支配に満ちている。私はそう思う。
生まれた時から人は不自由な生き物だ。
親からの枷、学校からの枷、社会からの枷。だが本当に恐ろしく忌むべきなのは、見えない枷だ。
自分の手足が自由だと思っていても、ある時自分に課せられた支配に気がついてしまった瞬間にその枷は現れる。
私は自分を捉える枷を認識している。
しかし、その支配を解き放ってまで自由になろうとは思わない。
自由に溢れるということは、秩序や規則を取り払って自らの望む世界や望む行動に身を任せることになる。
私は不自由、私は檻の中、私はそう思う。




