171 使者を送り出そう!
一応、7人の魔王とは
俺、こと、カイトシェイド。
シスコン変態魔王・ミーカイル。
ぽわぽわ魔王・ラフィーエル。
残りのよく知らん奴等が
滅魔王ジブリ―ル。
蝕魔王のバール・ゼブル。
界魔王のリヴァイア。
そして、色魔王ベリアルを倒して、のし上がって来たのが、例のおあたま残念魔王・サタナスである。
ミーカイルの方でジブリ―ルとバール・ゼブルには連絡してくれるらしいので、こちらが連絡を取るのはリヴァイアさんとサタナスである。
この魔王会議招集の使者……実は、案外危険度が高い業務だったりする。
まぁ、当たり前かもしれないが、相手の魔王の機嫌を損ねてしまえば命は無い。
そのため、全く面識の無い新規の魔王には、屍鬼のようなアンデッド族の使者がおススメなのだとか。
リヴァイアさんは、どんな性格なのかよく分からないが、それでもミーカイル曰く、突然使者に危害を加えるタイプでは無いらしい。
フジョシーヌちゃんが使者をしていた時も特段トラブルを起こしていないそうなので、常識的な対応が取れるヤツなら問題無いそうだ。
なお、リヴァイアさんは男性型。
使者は女性型の方をおススメされたので、ケイトラさんにお願いをさせて貰った。
問題はサタナスの方である。
ウチのアンデッド族と言えばネーヴェリクだが、彼女一人をサタナスのところの使者に送るなど、あのアホ精霊の話が無くたって言語道断!
「ん~……誰が良いかなぁ……」
以前サタナスの配下に居た奴等は避けた方が良いだろう。
マドラ、サーキュはもちろん、タデクーもパス。
魔族以外の人選も避けたいところだ。
仮に戦いになった時に、一息で殺してくれれば、まだ【強制転移】のお守りでなんとかなるのだが、捕らえられてじわじわと拷問され続けられたら、目が当てられない。
特に精神的な防衛能力は魔族のほうが人間よりもかなり強いのだ。
ボーギルとカシコちゃんはもちろん、コギッツくんやシスター・ウサミンも却下。
ウチの魔族で比較的サタナスとは付き合いが無いヤツが良いかな?
アルファは……どうだろう? 喧嘩っ早いうえに、実はまっすぐなあの性格……サタナスとは相性悪いだろうなぁ……
ベータなら問題は無いと思うのだが、有能すぎる執事様がハポネスから出られてしまうと日常業務的に俺が困る。
オメガは子供すぎるだろうし……
ゴブローさんは俺に対する忠誠心が強すぎるから、今回はそれがマイナスに出る可能性が高い。
「……やっぱ、ドエムンかぁ……」
うん。
何つーか、その、サタナスってネチネチネチネチ相手に苦痛を与えて楽しむのが好きなんだよな。
その点、ドエムンはその手の拷問がほぼ、効かない。
効かない、というか、ご褒美にしかならないと言うか……
まぁ、サタナスとはある意味、相性最悪でもあり最高でもある訳なのだ。
「んんん!! かしこまりましたぞぉぉぉ!!! 必ずや、使者の務め、果たして参りますぞ!!」
「わたくしも、龍族を代表して必ずや魔王様のご期待に応えます!」
「頼んだぞ、ドエムン、ケイトラ!」