表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

170/197

170 サタナスを呼ぼう!


『か、カイトシェイドさん、あの、い、今……!』


 翌日、慌てふためいた様子のラフィーエルさんと、ミーカイルのヤツから通信が入った。

 新たな魔王が誕生した瞬間には、天の声が全魔王に届くのだとか。


『魔王ベリアルが()られたみたいだねぇ……これは、ウチのトラオウが荒れちゃうなぁ』


 やれやれ、困ったものだよ、と口では言っているミーカイルだが、その目に宿っているのは好戦的な光だ。

 ……そう言えば、コイツもサタナスには思うトコロがあったっけな。


『大七魔王会議の開催だね』


『みぃちゃん、また幹事やるの?』


 どうやら、今まではミーカイルが主催となっていたらしい。

 だが、ラフィーエルさんのその言葉に、ミーカイルは肩をすくめて首を振る。


『ラフィーエルがやりたいって言うならそっちでやっても良いけど?』


『むむむむむ、むりむりむり、私には無理だよ~!』


 ぷるぷると必死で首を横に振るラフィーエルさん。


『僕も無理だね。残念ながらカイトシェイドのせいで『権限』が消滅しちゃったから』


「ん? どういうことだ?」


 聞けば、どうやら大七魔王会議を主催できるのは、新参の魔王を除き、魔王同士の戦いで【もっとも最近勝利を収めた者】という取り決めがされているらしい。


 つまり、現時点で開催権限があるのは、ミーカイルに勝利した俺、もしくは、その俺と引き分けたラフィーエルさんの二人だそうだ。


 今回は、俺が主催して、ここ『ハポネス』にあのサタナスを呼ぶか、ラフィーエルさんに主催してもらって、俺が『氷雪ダンジョン』に出向くか、の二者択一だ。


 さて……どうしたものか?


 ウチで開催した場合、あのサタナスをここハポネスに呼び込むことになるのだ。


 うーーーーーん、アイツが?

 ここに?

 また来る??


 終わった後、大人しく帰るかなー?

 

 ふと、サタナス恐怖症のチビ天使の姿が脳裏をよぎる。変質者(ストーカー)のミーカイルも来るんだろ?

 また、パニック起こしそうだな……

 しかも、今回はあのバカ精霊の発言もある。


 俺としては、ヤツの発言を全部信用している訳ではないが……

 それでも、まぁ、かなり弱体化しているルシーファは、しっかり守ってやらないと危ないだろう。


 ネーヴェリクも危険に晒すのは避けたいし、ルシーファの護衛にボーギルを付けておくのも少々考えものだ。

 しかも、新婚さんなのだから、少しは、夫婦水入らずの期間を設けてやりたい。


 うん。今アイツをウチに呼ぶのは避けたいな。

 

「そうですね……ラフィーエルさんの『氷雪ダンジョン』で大七魔王会議を実施してもらうことは可能ですか?」


『ええっ!? か、カイトシェイドさんまで!?』


 俺はレベルが上がったことで、【同調】のスキルを習得している。

 これは、『同盟者のダンジョン内』であれば、自分のダンジョンに居るのと同じ状態を維持できるというものなのだ。


 つまり、俺はラフィーエルさんのダンジョンに限り俺の分身体を送り込めるのだ!!


 今回は、さすがに俺が直接、出向いておきたい。


「もし、必要なことがあればサポートもいたします」


『は、はぅぅぅぅ……わ、わかりましたぁ……でしたら、あの、おもてなしはこちらで頑張りますので、他の魔王の皆さんへのご連絡、お願いしても構わないでしょうか?』


 ご連絡ってことは、あのフジョシーヌちゃんみたいに、部下を使って他の魔王達へ招待する旨を伝えなければならない。

 同盟中や出向中のこの二人とはこうやってそれぞれが己のダンジョン内に居ても通信をする事ができるのだが、それ以外の魔王はそうもいかない。


「もちろんです、ラフィーエルさん。……ミーカイルも手伝えよ? お前、俺んトコロに出向中なんだからな」


『別に構わないよ? その代わり小一時間でいいから姉さんと二人っきr「させる訳無いだろ」


『ちぇー……だったら、サタナスへの連絡はそっちでやってよね?』


 そういう事になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ