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146 打ち合わせをしよう!


 そんな訳で、まずはミーカイルのやつを追い返そうと思ったら、さんざん駄々をこねやがったので、ホーリー・スライムを一匹譲ってやることにした。


「え? ナニコレ? スライム?? 可愛い以外に何の役に立つのさ?」


 ぷきゅ、ぷきゅと、光るスライムをつつくミーカイル。


「役立つ訳じゃないけど、そのスライムは入浴剤代わりになるし、ルシーファの生活排水で育ててるかr「ありがとう!!! 僕の好みをよく分かってくれているねッ! 心の友よッ!!」


 こんな理由で心の友になりたくねぇなぁ……


「せっかく僕が素直にお礼を言ってるんだから、その嫌そうな顔、やめてよね!?」


「……ぷぎゅ~……」


 あ。ホーリー・スライムにまで不満そうな声出されてる。

 コイツ、一定量の魔力がある相手なら懐くはずなんだけどな……?


 とりあえず、スライムくんの貴重な犠牲のもと、邪魔なミーカイルを解出向させ(おいだし)て、ラフィーエルさんと打ち合わせをした結果、以下の内容でバトルをする事を決定した。




 勝負場所は、迷宮都市として名高い『ラビリン』の八百万迷宮群やおよろずめいきゅうぐん

 勝負方法は、冒険者たちの満足度により勝敗を決する。

 勝負用のダンジョンはサブ・ダンジョンとする。

 お互い、ダンジョン・バトル用の異空間にダンジョンポイント5万までで新規作成するものとし、出入口だけは『ラビリン』に設置、ただし、モンスターやキーパー等の魔物・魔族に関しては自分のファースト・ダンジョンからの異動も認める。


 それぞれの景品は、ラフィーエルさんが勝利した場合は『世界樹の苗』を譲る。

 俺が勝利した場合は『氷雪系の魔道具』を貰う。

 勝負開始は今から1カ月後。そして、勝負期間はさらにそこから1カ月間だ。


 ……と、いう内容に決まった。


「ありがとうございます~、助かります~」


 ラフィーエルさんがホッとした様子でニコニコしていた。


 彼女は、ある意味では貴重な、それなりに常識・約束の概念が一致し、意思疎通が図れそうな魔王だ。

 友好を深めておくことは悪い選択ではないだろう。


 なお、今回のバトル、かなり特殊な形である。

 お互いにダンジョン作成系のスキルを持っているので、ラフィーエルさんのたっての希望で、ダンジョン・バトルの時にだけ、双方が合意した際に生み出せる異空間に、新規の『サブ・ダンジョン』を作成し、そこを舞台とする事にした。


 最初に使えるダンジョン・ポイントが5万なのは、ラフィーエルさんがサブに割けるポイントの限界がそのあたりであるためだ。


 5万ポイント、となると、大したトラップや放出アイテムを作成することができない。

 ただひたすら階数を作っても地下30階が限界じゃないかな?


 なるべく冒険者を呼び込むには『報酬』を充実させるのが一番手っ取り早いのだが、今回は使えるポイントが限定5万までだし、ダンジョンの出入口を設置する場所が迷宮都市・ラビリンの八百万迷宮群やおよろずめいきゅうぐんだ。


 ここは、その名の通り、無数の生きたダンジョンへの入口が密集している地域で、ぶっちゃけ、軽く次元が歪んでいるらしい。

 当然、この街に住む冒険者達にとって、地下20階程度のダンジョン産の『魔法石』は、それほど魅力にはならない。


 そして、冒険者からの評価方法だが、これは双方一緒で、このダンジョンが気に入ったらこちらで準備しているただの白い石を投票箱に投げ入れて貰う、というやり方を取る事にした。


 多分、八百万のダンジョンがあるとはいえ、そんなシステムを使っているダンジョンは他に無いだろうから、冒険者からすると『白い石を投票箱に放り込む』のは「一切馴染みが無い行為」だ。

 これをどれだけ周知できるか、が、一つ勝負の分かれ目となるだろう。


 ……こんなバトルは完全に未経験だ。


 ガキのころ、じいちゃんと遊んでいた『ダンジョン創り試行ゲーム』を思い出す内容だ。

 何気に、ちょっと楽しみだったりする。


 俺は、思わず笑みを浮かべると、ラフィーエルさんが退席した後、早速【会議空間】を展開したのだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] いい人(魔王)に見えてもなぁ……今まで登場した魔王(主人公含む)には、まともな性格したやつが一人も居なかったから信用出来ないww
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