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130 交易計画と難民申請


 交易路と言っても、こちらが作成するのは陸路ではなく海路。

 しかも、その海路を使って交易をするのは俺達魔族ではなく、人間達がメイン。


 と、なると、港の整備だの交易用資材である特殊農作物、特産品の準備は俺の方で手伝ってやったとしても、やはり、それなりに航海技能を持った者を雇い入れたい所である。


「なんか、良い手はあるか? ベータ、ボーギル」


 ミーカイルを無事追い返し、俺は残った二人に声をかけた。


「私は、街から街へ旅をしている『芸人旅団』のリーダー殿に尋ねてみます。それと、交易品ですが、特産品の作成に関して、『マンドラニンジン』のほかにも『妖天蚕マギ・シルキー』の絹織物も量産体制が整っております」


 おお、それはありがたいぜ!


「……ですが、交易となりますと、我々の作り出せる特産品だけではなく『商業ギルド』にもお話を通しておいた方がよろしいかと愚考いたします」


「なるほど」


 冒険者ギルドの建物を建て替えるだけでも利権がいろいろ絡んでいたからな。

 だったら、最初から抱き込んで……もとい、胸襟を開いて話し合ったうえで合意にこぎつけた方が良いだろう。


「じゃ、ベータの方から『商業ギルド』には連絡を取ってほしい。」


「かしこまりました。旦那様」


「交易品はそっちで何とかしてもらうとして、要は、『船大工』や『航海士』、『水兵』みたいな特殊技能持ちを呼び寄せたいんだろ? 他の町の冒険者ギルドへ依頼をするって手もあるぞ? まぁ、本来はそういう組織の『護衛役』が冒険者ギルドの本業なんだけどな」


「へー? そんな事も出来るんだな」


 確かに、冒険者ギルドってその町の『なんでも屋』みたいな組織だって言ってたな。


「ただ、今回みたいな大規模案件で、しかも事業の立ち上げだろう? そうなってくると、領主代行・ダーイリダ様の承認は最低限必要だろうな」


 なるほど。

 ちょっと整理すると、ミーカイルとの交易を成立させるには、すごいざっくりと大まかに、


 1,特産品の準備(それに関する利権の整理)

 2,近くの漁村を魔改造(それなりの船舶が停泊できるような港の整備)

 3,海路貿易技能を持つ人材の確保(海図や安全な航路の確認と整備)

 4,交易をおこなうための船の確保(もしくは作成)


 以上の点はクリアする必要性がありそうだ。

 よし! こんな作業は初めてだから、ちょっとワクワクするぜ!!


 しかし、そんな忙しい俺たちのところに、もう一つ問題が転がり込んできたのだった。




「カイトシェイド様、実は、黒の森に、旧・魔王城からの難民の皆様がお見えになってイルようデス」


「旧・魔王城からの難民!?」


 ボーギルとベータが退室した直後、ネーヴェリクからの相談を受けて俺は首をかしげた。


「ウチのハポネスに来たい魔族が居るなら、どんどん移住して欲しいって前も話したよな?」


 実際、ネーヴェリクやゴブローさんが頻繁に黒の森へ行くのはゴブリン・オーク・コボルト等の低級魔族スカウトの為だったりする。


「増員なら、全く問題はないぞ!? ダンジョン・ポイントも順調に推移してるし……」


 むしろ、ダンジョン・ポイント的には是非ともいらしてください!

 可能な限り住環境を整えます! 超絶ウェルカム状態だ。

 なぜ、ネーヴェリクは、わざわざそんな困った顔で俺に相談を求めて来たのだろう?


「ハイ……ネーヴェリクもそれは分かっているのデスが、お見えになっているのが食人鬼グールの皆様と水竜族の皆様なので、少し迷っていて……」


「!!……そうか、食人鬼グールに水龍族かぁ……」


 そう。

 食人鬼グールと水龍……この二つの種族は、住環境と食生活の面で、「人間・亜人厚遇政策」でダンジョン・ポイントを伸ばしてきたハポネスとはかなり相性が悪い。


 しかし、ダンジョン・ポイント的には美味しい種族なのは間違いない。

 さて、どうしようかな?


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