129 物々交換の目論見をしよう!
「へー? ココって海が近いんだ? ……それなのにあんなに森の木が大きいの? いいなぁ……」
ミーカイルが応接室の窓の向こう側……黒の森の方を指差して呟いた。
確かに、黒の森は町の近くでもかなり大きな木々が茂っている。
「ああ、あの黒の森の奥にはカシコの生まれ育ったエルフの里もあるらしいぜ?」
そうなんだ? ゴブローさんの出身地でもあるし、カシコちゃんの出身地でもあるのね? 黒の森。
ただ、流石にエルフの里はすぐに行き来できるような距離では無いらしい。
「……それなら帆船も作りやすいよね。いいなぁ、ウチの近くの森にはもう大型船の竜骨になるような大木があまり残って無いから羨ましいよ」
どうやら、ミーカイルのダンジョンでは鉱石資源が豊富な割に、植物資源が手薄らしい。
『魔法石』のように、どこのダンジョンでも、生きたダンジョンであれば発生する物資もあるが、単純にダンジョンの立地条件の問題で、多少の特徴の差が発生する。
聞いた話では、ミーカイルのダンジョンでは鉄鉱石や銀鉱石など、金属資源がかなり豊富らしい。
普通のダンジョンだと、20階層前後で現れ始める鉄鉱石が、地下5階で、すでに採れるようだ。
なるほど、だからあの物騒なドア・トラップを創りやすかったんだな。
金属資源は、ウチだとようやく出始めた所だから、高品質のミスリルやらオリハルコンやらが有るなら欲しいなぁ。
ゴブローさんの槌とか、アルファの手甲とか、今まであまり武器を持っていなかったネーヴェリクやオメガ、シスター・ウサミン達にも、色々装備品をバージョンアップさせてやりたい。
その反面、植物資源に関しては、並……というか、少なめ、という特徴がある。
ウチのダンジョンだと、金属資源の発生量や速度は並。逆に、マンドラニンジンや魔桑の育成を鑑みると、植物資源には比較的強い傾向があると思われる。
多分、他の植物資源も、育てやすいんじゃないかな?
黒の森自体、ダンジョンができる前から存在していたし、そういう気候風土なんだろうね。この辺り。
魔王城付近は流石に改造され過ぎてて、元の形状がわからないけどな。
「それに、ウチもマンドラニンジン欲しいし……キミの街を見ていたら、ダンジョン・エリアをこうやって広げる手もあるって分かったし。それに、僕が声をかければ、ジブリールとラフィーエルも乗ってくれると思うし?」
どうやらミーカイル側も、ダンジョン・エリア内の街を充実させることで、ダンジョンの育成速度を上げたいらしい。
コアも復活した、って言ってたしな。
そんな訳で、ミーカイルとの交易路、つくってみようじゃないの!!
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