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112 魔王会議出席者を決めよう!


 二人が退席した扉を眺めつつ、俺は小さく息を吐いた。


 第7魔王会議、か。……どうしようかな?

 俺個人としてはダンジョン外に出るのはしばらく遠慮したい。


 だが、フジョシーヌちゃんといい、あの魔王ミーカイルといい……

 一筋縄ではいかない感じが垣間見える。


 これはウチで最高の戦力を持つヤツに代理出席してもらうしかない、か。


 そんな訳で、当初は『四天王枠争奪戦』だったはずなのだが、急遽、ネーヴェリクも含め『第七魔王会議出席者決定戦』を兼ねることになってしまったのである。


 そのため、ベータやボーギルには悪いが、外部からの参加は無し。

 戦闘方法も1対1で戦えるとは限らないので、全員一斉参加型の乱闘勝ち残り方式とさせてもらう事にした。

 

 シスター・ウサミンとコギッツくんに関しては、参加可能だが、仮に優勝してしまったら、事情を説明して協力して貰う予定だ。

 ……でも、多分、大鬼族がひしめく地下20階層以下はA級冒険者でもなかなかキツイみたいだから、まだサーキュのところまで到達していない二人にとって、優勝は荷が重いと思うが、一斉バトルとなると「誰と誰が潰し合うか」で多少順位には変動があるはずだ。


 うーん、誰が優勝するんだろう?


 単体攻撃力なら、アルファ、ゴブローさん、ボーギルの3人がいい勝負だと思う。

 しかし、防衛能力だけ考えると、あのサタナスを防ぎ切ったドエムンが侮れない。

 多彩な魔法ならカシコちゃんだが、シスター・ウサミンの使う【月魔法】は使い処を間違えなければ、かなり厄介。

 そういった意味では【幻惑】系に強いコギッツくんやオメガだって油断はできないし、【能力吸収】系のネーヴェリクや、バランス型のベータがどう動くかも注目だ。

 

 正直、誰が勝ってもおかしくない。


 予定を変更したダンジョン内闘技場には戦闘用の円形ステージを準備した。

 このステージから落下する、致死ダメージを受ける、戦闘不能になる、のいずれかが発生した場合はそこで敗北だ。


 致死ダメージ判定はちょっと身内のバトルに使うには勿体ないのだが、ダンジョン・ポイントを消費して緊急避難お守りを作って、みんなに持たせた。



「ドゥフフッ……カイトシェイド様、私、にもご自身の配下の戦いを観戦させていただき、光栄ですわ」


「……つーか、ぶっちゃけ、見せないと言ってもお前の事だから、ミーカイルに戦力調査の指示を受けてるんじゃねーのか?」


 俺は、闘技場の自分の席の隣で楽しそうに観戦を決めつけているフジョシーヌちゃんを見やった。

 この手のタイプが近くに居る場合、秘密裡に進めるよりも、サッサと手の内をいくつか晒しておいた方がいい。


 ヘタに隠そうとすると、逆の思わせぶりなヘンテコな情報を掴みかねないのだ。


「まぁ! そこまで私を慮っていただけるなんて……! 感激ですわ」


 ゴブローさん配下の鬼巫女ちゃんが俺たち用に飲み物と軽食を準備して下がっていく。

 なお、フジョシーヌちゃんは、結構、ウチの女子達と話が合うらしく、すでに奴隷組の幾人かと仲良くなってしまったのだ。

 女子って……恋愛に関する噂話好きだよね……


 俺の場合は別にミーカイルに知られて困るような事はないのだが、ばーちゃんの件もある。

 自覚せずに、虎の尾を踏んでいる可能性がゼロとは言えない。


 それに、何故か噂の中の俺は「ワンプッシュ半でゴールテープを切る早漏の貴公子」とか「幼天使を己の好みに調教する『光の宮』計画実施中」とか「街中の回復術師の性癖を開花させた超絶テクニシャン」とか、何かトンデモナイ事になっていたのだ。

 放置しておくと、そんなアホみたいな誤報が伝わりかねない。


 ホント、どこから出たの!? その噂ッ!!


 そんな情報を持ち帰られてもミーカイルだって困惑するだけだろ!?


 困惑する俺を後目に、闘技場では戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。


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