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私、魔法使いを見た!  作者: MorinoNanana
第一部 黄金樹の下の約束
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プロローグ

 魔法学院の図書館で、一人の男が静かに腰を下ろし、一冊の本を手にしていた。男は本の角を強く握りしめていた。


 涙が一滴、また一滴と、本に載った写真の上に落ちていった。写真には、二人の少年と一人の少女が、黄金色の大樹の下で並んで立っていた。


 男は指の腹で、写真の中の少女を優しくなぞった。彼女は二人の少年と肩を並べ、あんなにも楽しそうに笑っていた。


 静まり返った図書館で、男は低く呟いた。


「もう時間がない……ごめん」


 握りしめられた頁には、いくつもの皺が刻まれていた。長い時間が過ぎ、男はようやく重い音を立てて本を閉じ、元の場所へ戻した。


 男は最後に図書館を見渡し、そこを後にした。そして、そのまま学院からも去っていった。


 もし、魔法が人を自由に空へ飛ばし、傷を癒やし、弱い者たちを守ることもできるのなら――


 それなら、失ってしまった彼女を、もう一度連れ戻すこともできるのだろうか。

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