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よろしくお願いいたします。
「ここで話そうか。ここならゆっくり話ができる」
連れられていった先は色とりどりの花が咲く王室の庭園でとても綺麗な場所だった。きっとここは王族や限られた人しか来られないような場所なんだろう。
「ローザ……」
王太子殿下は私に話しかけようとしたが、私があまりにも動揺していたからか躊躇しているようだった。
そして、何やら魔法のようなものを使った。その途端、プラチナブロンドだった髪はブラックになり、ブルーだった瞳はブラウンになり私のよく知ってるネオの姿になった。
「これなら大丈夫か?」
いつものネオの姿を見たせいか、私は少し落ち着きを取り戻した。
「やっぱりネオだったんだ……」
私の言葉に無言でネオは頷いた。
「……俺の本当の名前はネオシスト・キュメント。この国の王太子だ」
「ネオが王太子殿下……」
「ああ、それと運命の魔術師でもある」
ネオは王太子殿下で運命の魔術師だった。
「じゃあ、オシラ様は?」
「オシラは元公爵令嬢だ」
オシラ様は元公爵令嬢だったんだ。だから王妃様と親しげだったんだ。それなら納得がいく。
「ローザ、黙っていて本当にすまなかった。この前ローザと気持ちが通じたばかりだったからもう少し後で話そうと思っていた」
(やっと正体を現したか。僕はあいつがいつ自分の正体を明かすか気になっていたんだよ)
ヤラがいきなり話しかけてきた。
『ヤラは知ってたの?』
(当たり前じゃないか。でもあいつが自分で言うだろうと思ってたから)
『そっか』
「ローザ?守護精霊と話しているのか?」
「ごめんなさい。不意にヤラに話しかけられてしまって」
「もしかして、今守護精霊から番の本当の意味を聞いたのか?」
「本当の意味?」
「良かった。それはまだのようだな。ローザ、いきなり俺の正体を知ってしまって戸惑っているかもしれない。でも俺は今までローザと一緒に過ごしてきてローザの努力家なところや自分の好きなことに対する熱意やちょっと抜けている可愛らしいところをみてローザとこれからもずっと一緒にいたいと思っている」
「ネオ……」
ネオは素直に私への気持ちを話してくれた。でもどうして気持ちが通じ合った時に教えてくれなかったんだろう。
「どうして、この前付き合うことになった時に王太子って教えてくれなかったの?」
「それは…俺はローザとずっと一緒にいたいと思っているが、正体を知ったらローザは俺と一緒にいてくれなくなるのではないかって」
「ネオ……」
「それにまだ話していなかったが、守護精霊同士が番なのは王族の、それも王位継承者の王太子のみなんだ」
「それってつまりお妃になるのが決まっているってこと?」
「そうだ。だからもし、気持ちがついてきていなかったとしても守護精霊同士が番の場合は一緒に成らざるを得ない。でもそれは俺の本意ではない。そういうものではあるが、俺はローザが好きだからローザと一緒になりたいと思っている。それをローザには知っていてほしくて」
「それで言わなかったの?」
「ああ」
ネオは私のことが本当に好きで私に誤解されたくなかったんだろう。だから守護精霊同士が番の本当の意味を私に知らせなかった。
「ネオが私に誤解されたくないって気持ち、理解できるよ。私も同じ立場だったらそう思ったと思う。でも私はやっぱり付き合う時に全部教えて欲しかったよ」
「教えたら付き合うのを飛ばして婚約になっていたとしても?」
「婚約……」
「そうだ。俺は王太子だからすぐさま婚約となってしまう。俺はそれが良かったしても、ローザは子爵令嬢で俺との身分差を気にすると思って」
ネオが辛そうな顔をした。優しいネオは私のことを考えた上で行動を起こしてくれる。
でも今回は私に先に聞いて欲しかった。だって私は……
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