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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
乾坤一擲、徳之島自給自足
52/57

Just

 2体目のゾンビは痩せた男性のゾンビで1体目のゾンビから3メートル程離れた場所にいる。

 後ろを見てみると切りつけたゾンビは首が半切れになり活動を停止しているようだった。


 2体目のゾンビの直ぐ後ろには3体目

4体目のゾンビが迫っている。


 後ろに控える2体のゾンビを対角線上になるように回り込みながら刀を構え、目の前のゾンビの隙を窺う。


 刀を叩きつけても後ろの2体が近すぎる。


 右手で柄を握り左手を峰に添わせて目の前のゾンビの首を狙う。

 右手は骨が砕けたか肩が外れたか動かさず左手だけを闇雲に突き出しては、俺の身体を嚙みつこうと小走りに近づいてくる。


 フッと息を吐きだしながらゾンビの喉に刀を突きいれる狙い違わずゾンビの首に刀が刺さった。

 そこから左手に力を込めて首骨を断ち切るように思い切り引き抜き後ろに下がる。

 仕留めきれたようでゾンビはゆっくりと倒れ床の絨毯に赤黒い血溜まりを作る。


「えぇぇづぉおおおお」


 後ろの1体が鳴き声を上げて大浴場の方へと駆けて行く。

 大浴場の方を見るとナカムラさんが入り口からこちらを覗いていた。


「ナカムラさん逃げろっ!」


 ゾンビに負けずに走り出すがゾンビが遠い。


 ナカムラさんは急いで大浴場の方に戻りながら大浴場の中に向けて叫んでいる。


「みんな!こっちに2体きてるっ!」


 その間も走り続け大浴場前で1体のゾンビに追いつき、その首に目掛けて刀を振り下ろすが走りながらで力が入らない。

 3回振り下ろした所でゾンビを1体倒すが先行したゾンビの足は止まらず大浴場の暖簾を過ぎようとしていた。


 後ろからイチゴの声が聞こえてくる。


「はぁはぁ、マサシ、これ、はぁはぁ…」


息も絶え絶えなイチゴからランタンハンガーを受け取り刀を鞘に戻す。


 大浴場からはは悲鳴が聞こえてくる。

 急いで暖簾をくぐり脱衣場へと走る。


 ゾンビは浴場と脱衣場の間にあるガラス戸を激しく叩き今にもガラス戸は割れてしまいそうに見えた。

 ガラス戸の向こうにはナカムラさんを始め衣類を身にまとった女性や、タオルを身体に巻き付けただけの女性が顔を青ざめさせ必死にガラス戸にへばりついているのが見える。


「うぉぉぉっ!!」


 声を上げゾンビの注意を引き付けようとするが効果はない。

 ならばと後ろから近づきゾンビの首に目掛けランタンハンガーを突き入れる素早く引き抜き後ろへ下がる。

 そこでゾンビ気付いたのか振り向くと、こちらに向かい両手を突き出して迫りくる。


 後ろからヒュッっと風切り音がするとゾンビの耳に矢が突き刺さる。

 ゾンビはそのまま床に倒れ数回、痙攣すると動かなくなった。

 後ろを振り向くとイチゴが得意そうにしていたので手をズボンで拭い頭を撫でながら声をかける。


「グッジョブ」


「うんうん」


 ゾンビの耳穴から矢を引き抜きイチゴへ手渡す。

 浴室の方を見るとドアにへばりついていた女性達が腰が抜けたように浴室に座り込んでいた。


「今のうちに服を着てない人は着て下さい!」


 そう言うとゾンビの足を持ち引きずりながら大浴場の出入口へ急いで向かう。


「ねぇねぇ?女湯は堪能できた?」


 イチゴが馬鹿な事を言っているのを聞きながら暖簾を捲りエントランスの方を覗く。

 保安が5階にも回ってきたらしく足が潰れたゾンビを始末しているところだった。

 ゾンビをエントランスまで運び7階を見上げる、上も落ち着いてきたようにみえる。

 武器を持った人間が走っている。


 エントランスにいる武器を持った奴に「これの処理も頼む」と言い引っ張ってきたゾンビを頼む。

 イチゴが話しかけてくる。


「落ち着いてきたみたいだね?」


「ああ、そうみたいだな」


「私たちも部屋に戻る?」


「その前に洗濯物見とくか」


「あっ!忘れてた!乾燥かけなきゃ」


 エントランスから見えていたランドリースペースに戻り洗濯機を見ると洗濯は終わったようだった。

 イチゴが乾燥機にかけない物をより分け、ポケットに入れていた袋になおす。


「乾燥も30分くらいだね」


「今度こそ自販機行くか?」


「うん!」


 エントランスに戻るとカワカミさんが指示を出しているところだった。


「エレベーターにのせて7階に運んでくれ、甲板にコンテナが用意されてるからまた上で指示を聞いて運んでくれ!」


 カワカミさんの周りでは2人一組になってゾンビを運び出す作業が始まっているようだ。


 ナカムラさんも大浴場から出てきたようで何人かの女性達とエントランスに設置してあるソファーで休んでいる。


 そんな様子を見ながら歩いているとカワカミさんから声をかけられた。


「ヤマダ君キシダさん!」


「カワカミさんお疲れさまです」

「お疲れさまです!」


「ミライから聞いたよあ、ありがとう」


 そういうとカワカミさんはこちらに頭を下げる。

 それに気付いたのかナカムラさんも、こちらに歩いてきて一緒に頭を下げる。


「ヤマダ君もキシダさんもありがとうございました」


「いや、とんでもないです」


 イチゴは両手を突き出してワタワタとしている。

 カワカミさんが頭を上げて話し出す。


「いや君達が5階にいなかったら危なかったと思う。

 ミライが助かったのは君達のお陰だ。 重ねて言わせてくれ、ありがとう」


 大袈裟だと俺は思ったが、もしイチゴが同じような状況に陥ったならカワカミさんと同じ気持ちになるだろう。

 そう考えると腹に収まった。


「カワカミさんお互い様ですよ!」

「そうそうお互い様!楽にいきましょー!」


 イチゴがそう言うとカワカミさん達も笑って話し出す。


「ああ、そうだな、何かあったら言ってくれ」


 そう言うとカワカミさんは現場の指揮に戻っていった。

 その場にはナカムラさんと俺とイチゴだけが残る。


「ナカムラさん自動販売機行くんですが一緒に行きますか?」


「私はヨウヘイお兄ちゃんが指示終わったら一緒に部屋に戻るから、ここにいるわ」


「わかりました、何かいりますか?」


「もし、あったら苺ミルクが飲みたいわ!」


「はーい」「はーい!」


 ナカムラさんと別れ7階の自販機コーナーに向かう。

 エントランスの階段を上りながらイチゴと話す。


「それにしても、なんか船内でゾンビになっちゃう人が多いな?」


「うん?ハウステンボスの時はゾンビに噛まれてとかあったけど?」


「うん、そうなんだけど内部発症が多いというか?」


「うーん?たしかに?船乗る前に港で確認とかなかったのかな?」


「ハウステンボス出る前に探索班の男はシブヤさんが確認してたよ」


「れでぃはミヤザキさんが確認してたよ?」


「うーん?そうだよな?」


 話しているうちに7階の自動販売機コーナーに到着する。


 赤地に白抜き文字の鮮やかな米国からの侵略者的な文明の遺物。

 青地に白抜き文字の機械仕掛けの無人販売機。

 白地に青と緑のラインの入った蓮華教から飛び出した派閥の関連会社な自販機。

 どれもに電気が通りLEDの目映い光が灯り、砂漠で懇々と湧き出すオアシスさながらに癒しと安息を・・・


「マサシ?マサシ?どうしたの?なんか変だよ?」


「いやすまん、なんか自販機見たら感動してしまった」


「・・・正気ですか?」


 どうやら商品は売り切れていないらしく、売り切れのランプが点灯している物はない。

 俺は真っ黒な炭酸飲料をイチゴはメロンソーダを買った。

 苺ミルクは無かったのでメロンソーダをもう一つ買う。

誤字脱字報告ありがとうございます┏○))

助かります(*´人`*)


・・・いまさらなんですが私・・・

かぎかっこ前にスペース押す癖があって・・・


必死に修正中です・・・


蛇足でした。

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