母として
ノクターンの地下屋敷、ラウンジの飾りも上品で嫌味のないセンスの家具が充実してきた。
その特注のソファーには、一人の女性が寝かされていたのだ。その上質のネグリジェを身に纏う妖艶なボディライン、流れる銀髪は儚さを演出していた。
ライゼーナが大商人ギエンテを拉致してから四日後のことだった。この日、エミリア様の扱いについて大喧嘩し、リフィーネ様はフィルン侯爵と床を共にしなかったのである。
刺激臭でリフィーネ様を強制的に起こす。
「こ、ここは…?」
「お目覚めですか? はじめまして、エミリアと申します」
ギョッとした顔で私を睨むリフィーネ様。
「これは? どのような申し開きをするのですか?」
「お母様と、親睦を深めようと…。ちょっとした子供の悪戯ですわ。まずは私の自己紹介をさせて頂きます。私は、お母様と同じく、死の教団を信仰し愛しております」
「な、何を…馬鹿なことを…。し、死の教団なんて…」
「それ以上言ってはなりません。例え事実が明るみに出ようとも、偽りは死より重いのですから」
小娘に、死の教団の教えを諭され、唖然とするリフィーネ様に、驚愕の事実を告げる。
「さらに、私は、現ノクターンの主でもあります。お母様…。私はお母様と仲良くしたいのです。そのためには、ノクターンの主として手段を選びません。本日、お母様に気に入られることができなければ、私は…。屋敷から黙って出ていきましょう…」
手段を選ばないノクターン…それが事実なら…私は…殺されるのか? とリフィーネ様は思っているのか、恐怖に顔を歪ませていた。
「お母様、どうぞこちらへ」
足取りの重いお母様を拷問室まで案内する。開かれた拷問室の美しい拷問具を見て、お母様は驚嘆の声を上げる…。さらに…貼り付け台に…憎き、大商人ギエンテの姿を見つけた。
「なるほど…情報の収集…実行力…ノクターンの主であることに間違いないようですね」
「ふふっ。さぁ、お母様、ご一緒に、最高の獲物が、死を待ちわびています」
「あら? エミリアさん、拷問の基本は、死ではありませんよ? 生かさず殺さずですわ」
お母様は、手足の詰めを全て引き剥がすと、口を開けさせ歯を抜き始めた。
「お母様、ペースが早すぎませんか? ギエンテの精神が持ちません」
「ふふ。エミリアさんに、私の腕を自慢したくて…。大丈夫です。見ていなさい」
しかし不思議だ。男の性器は伸びたり縮んだり…見ていて気持ちいいものではない。痛いと伸びるらしい。
「ゆ、ゆるひて…。た、たしゅけ、て…」
お母様は、外に出ている2つの玉に、何十本もの針を刺し、巨大なハンマーで打ち潰した。




