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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
剣と魔法の時代
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快進撃 その2

その少女は浮遊する三本の魔槍を従え、背中にはもう一本腕が生え、全ての腕は大人の戦士の太ももの厚さがあり筋力が盛り上がっている。


槍を持ち戦場を翔る…その姿は、まさに戦場の乙女と比喩されるに相応しいと、誰もが思った。


エリアは蛮族の壁を突破した…が、自軍は防衛態勢のまま、反撃に転じる様子はない。


なるほど…腐っても傭兵ですか…。


傭兵にとっての真の勝利とは…死なずに戦い続けること…。この戦で無理に自軍が勝利し、次の戦いが無くなることを恐れているのだろう…。だが蒼き血統と貴族院の傭兵団だけは、事情が違うようだ…。


「蛮族の攻撃起点である突撃を妨害せよっ!! このまま逆に、こちらが突撃するのだっ!!」


貴族院の傭兵団・副団長であるフレンガーが突撃の指示を出す。


この突撃は、依頼である”貴族院から派遣された傭兵団に紛れ込んだ調査員を排除すること。”の判別にも仕えるのではないか? 調査員ならば…わざわざ…突撃に参加などしないのでは?


フレンガーの号令に、蒼き血統のフェレクターも同調する。


「貴族院と同時に突撃せよっ!! 合図は、フレンガー殿に任せるっ!!」


傭兵団同士が連携を組むのは初の試みであった。そもそも攻撃に転ずる事自体初なのだから…。


突撃の隊列を組み直す中、フェレクターの横に付くと、次の目標を指示される。


「わかりました」とだけ言うと、再度魔法の掛け直しを実施する。


丁度、魔法の掛け直しが終了したとき、フレンガーの突撃の号令が出て、両傭兵団が蛮族に向けて、突撃を開始した。


目標を探す…。蛮族の第三王子を…。


その一際目立つ装飾の鎧を着た王子を見つけると、一歩遅れるようにスピードを調整する。


突撃な得意な蛮族も、自らが突撃されることには不慣れのようだ。完全に隊列が乱れ…そもそも…防御など意識していないのだろう…。こちらの両傭兵団が、蛮族の部隊の中央深くまで、食い込むことに成功したのだ。


背後からの足音に、一度だけ振り返る…。冒険者中心の傭兵団が後から、突撃を開始したようだ。なるほど、彼らはメインが冒険者だ。傭兵のポイントを稼げるときに稼いで、冒険に戻るのだろう…。蛮族を倒せばかなりのポイントが稼げるようだ。


中央に食い込んだのは良いが、左右から蛮族が襲ってくる形になる…。だが…王子の首さえ…取れれば…。傭兵団の先頭…そのすぐ先にいる王子へ向け…全力で跳躍する。


着地と同時に、王子の親衛隊が戦闘態勢に入るが、遅いっ!!


こちらも着地と同時に、王子へ槍を投擲したのだ。その槍は…見事、王子の眉間に食い込んでいた…。


第三王子は、まだ子供だった。まだ戦場になど出すべきではないのだ…。


王子を討ち取ったことで、蛮族の第二部隊の足並みは完全に乱れる。


そこに左翼から冒険者の傭兵団が突撃を開始し、蛮族の戦力は激減するのだが…蛮族の第三部隊…つまり本体が、ゆっくりと距離を縮めていた…。

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