寿命
「エリア…」と囁き抱きつく俺が誰だかわからないと訴えるエリア。
エリアを救うためにホモンクルスになったことを俺の代わりに告げるバレード。
「なんで…そんなことを…」
その場にうずくまり嗚咽するエリアにかける言葉がみつからない。
「この程度で驚かれても困る。お前たち二人にはやってもらわねばならぬことがある」
意気揚々と説明が始まる。俺の寿命が近づいている? なのにその笑顔は何だ?
魂は消え去るが、ホモンクルスの体を、エリアが操作するということ。
「えっと…。それ、俺が死ぬってことですか?」恐怖や激怒などの感情がない俺には死など恐れるものではないのだ。
「そういうことになる…。しかし動くホモンクルスは、国内どころか世界初なのだ。失うわけにもいかぬ。クラリスはそこの重要性に興味がないので、私が引き継ぐことにしたのだ」
「でも、エリアの魂をホモンクルスに移しても、また寿命が来ますよね?」
「心配ない。お前の魂を魔法水に溶かす。その魔法水の中にエリアが浸かれば、ホモンクルスとシンクロして動かせるのだ」
「なぜ、私なのでしょうか?」エリアは胸の前で両手を組み質問する。
「そもそも、なぜホモンクルス計画が失敗するか? 原因は魂の定着にある。こいつは、エリア、お前を救うために、錬金術の壁を突破したのだ。その魂はお前にしか動かせぬ」
「エリア…やるしかない。俺達は買われてしまったのだ。生きるためには…価値の証明が必要だ」
「でも…あなたは死ぬのよ?」
「寿命が近いと言われただろ? どうせ死ぬなら、エリアのために死にたい」
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試験台の上に乗ると、バレードが宝石を持ち近づいてくる。
「ホモンクルスになって、数カ月しか経っていないが、お前は頑張ったほうだ」
人体改造からホモンクルスへ移されるときに使われた宝石だ。これに俺の魂と記憶が吸い込まれる…。
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最後に…感じたのは…ゆらゆら揺れる水の流れだった…。
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エリアは一糸纏わぬ姿で、人が収まるサイズの試験管にかけられた梯子を登る。
試験管は薄青い液体で満ちている…。
「そのまま入れ、呼吸は…そのまま水を飲み込めば良い。我慢していても、いずれ限界が来る無駄な抵抗は時間の無駄だ」
エリアが試験管に入るとバレードはニヤリと笑った。




