強襲
砂漠地帯に入り砂丘を上り下りしながら「熱い…」と何百回と繰り返し呟くバスタ。
ホモンクルスの体は熱いとか感じないから楽なのだが、体の組織を維持するために体力を普段より多く使うため、結局は普通の人間と不快指数は変わらない。
「おい、見えたぞ、あと少しだ。頑張れ」
砂漠地帯にある城塞都市アバスタン出身の両手剣の剣士であるパニーラが仲間を奮い立たせる。
「敵襲っ!! 北、2km先に砂煙っ!! 数不明っ!! 全員、戦闘態勢っ!! 第三部隊所属騎士は防衛戦の陣形、傭兵は前へっ!!」
第三部隊の砂漠地帯担当らしい人物が、大雑把な指示を出している。
早速、傭兵を盾として使うのかよ…。いざという時の”転符”があるため、勝ち負けには拘らないが…。
「グループで固まるぞっ!! MT前へっ!! 3列で並べ。STはMTの後ろだっ!! STは近距離から順に隊列を組めっ!!」
俺はSTの後ろに突き短剣を抜く。隣ではバスタが指示を出し、隊列が組み上がったため、騎士の前に移動する。
地鳴りと思えるほどの足音が近づいてくる。砂漠なのに足音するんだな…。
さてと…相手は、どんな攻撃で来るのか? 傭兵の訓練なんてしてないからわからん。
「槍隊だっ!! 突っ込んでくるぞっ!!」「距離500っ!!」「200っ!!」「くるぞっ!!」
他のグループからの情報が飛び交う。
ドンっ!! 鈍い音と共に目の前のSTの背中がぶつかってくる。
ぐっ…。何にしても…突撃を受け止めたらしい。3列前には巨大なとかげに乗る蛮族の戦士がいた。
その手に持つ巨大な槍を突進の勢いと共にMTの盾に穿ち、MTの諸共貫いたのだ。
ニヤリと笑う蛮族へ、サイドステップでSTの背後から抜けると、トカゲの上、蛮族の背後に飛び乗り、首を掻っ切って、とかげから飛び降りた。
MTを見ると腹を貫かれてなお、蛮族の槍を引き抜かせまいと、手で抑えていたのだ。
隣の蛮族も、俺と同時に飛び出したバスタによって、首を折られていた。
突撃してきた蛮族より、こちらの傭兵の数が勝っていたため、蛮族を全て仕留めることができた。
「違うっ!! こいつら蛮族じゃねっ!!」
城塞都市アバスタン出身のパニーラが叫ぶ。
「もう一陣来るぞっ!!」
見れば、先程よりもガタイの良いとかげと、より大きな人影が見えた。
まずい…先程の突撃で、こちらのMTは…ほぼ壊滅だ。それに増して…更に強い突撃だと??




