新しい仲間
電撃がグレッドを襲う。回避してもグレッドを目掛け軌道を補正する電撃。グレッドに防御手段はない。
回避を諦めるとレアに向けて走り出し突きを繰り出すが、レアが召喚する魔法の盾に簡単に防がれる。
勢いを殺されたグレッドにレアの召喚した魔法の剣が襲いかかるが、上半身を屈めると同時に足払いでレアを地面に倒した。
「そこまでだ」とイレーザは二人を止めた。
「確かに…強力な魔道具だ。だが使ってる本人の能力が…全然駄目だ」
4度の電撃を耐えきったことから魔力が低いこと、大振りが目立つ剣の技術などをグレッドは評価する。
「まぁ、まったく駄目というわけでもない」と傲慢なイレーゼが珍しく評価する。
「それより、俺達と組む動機はなんだ?」と俺は質問する。
「貴族を捨て、名を捨て、一人の人間として生きること。周囲の知らぬ人間にこれ以上、人生を決められるのは、まっぴらだ」とレアは言った。
「う〜ん。一度登録した者が、別人として…再登録できるのか?」と俺はイレーゼに質問する。
「可能だ。レアが死んだことにすればいい。再登録する場合、過去に一致する肉体・魔力・スキルなど持つ者ががいるかなど、チェックしないからな」
「それいいね。レアは死んだ。いいね」
レアは喜ぶ。同い年ぐらいの女の子。オールバックの青い髪に翡翠の色の瞳。4つの指輪の魔道具を操る。MTとして俺達のパーティに参加することになった。
「それと…魔道具に頼りすぎるのは駄目だ。まずは実物の剣と盾を使って戦え」
イレーゼが他人にアドバイスするなんて、こいつ…まさか、レアのこと気に入ってるのか?
「おい、くだらねぇこと考えるなよ? 全部、顔に出てるんだよ、この馬鹿がっ!」
とめちゃ、キレられてしまう。
レアは新しく、テレナという名で表と裏のギルドに登録する。
王都で1泊した5人は、北に4日の位置にある冒険者の街フィレオに向けて早朝から出発する。
途中、狩りの練習として森に入る5人。昨晩イレーゼから言われたようにテレナは行動する。
「ごめんなさい。シュベトス」
テレナの買ったばかりのロングソードは、商人の父親役だったシュベトスの胸を貫く。
「お嬢様…」とシュベトスは絶句したまま地面に倒れる。
「まぁ、初めてにしちゃ、動揺もせずに殺せたもんだな」とイレーゼは言った。
「いや、初めてじゃないだろ? お前…何人殺してきた?」と俺はテレナに質問する。
「これで6人よ…。そうしなければ…生きていけなかったから…」




