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序章
――――その日も広い青空では、白い飛行機雲が縦横無尽に駆け巡り、複雑な模様を描いていた。
それらは或る時は眩い閃光に変わって散ってゆき、また或る時は黒い筋へと変わり不規則な模様を描いて落ちてゆく。
そこは、幾多の空のサムライ達が己の命とプライドをかけて闘う戦場であった。
その戦場に一人の若者がいた。
彼はただ守りたいもの守るために戦った。
だがそれは果たせなかった。
若者の腕の中で血まみれになってだんだん冷たくなってゆく少女。
その姿に若者は心に深く想う。
自分の大切な人が傷つくのがいやなんだ。
今度こそ大切な人を必ず守り通そう、と。
その想いを胸に若者は今日もサムライとなり空を征く‥‥‥‥