その後 【完】
「あれ~?ありさ、痩せた?」
「えっ?う、うん。」
航と付き合い始めてから1年がたった。
1年の間で、恋人たちがやることぜんぶやっちゃった気がするな~。
キスもしたし、お泊まりもしたし、エッチも・・・・した。
贅肉が付いた身体を見られるのが恥ずかしくて、洋服をきたままで、とお願いしたら大変なことになった。
色々なところにもデートに行ったし、両親にも彼氏の存在をほのめかしてしまった。
「いいね~やっぱ、恋は偉大だね。あたしも恋したいな~」
「瑠夏も彼氏いるじゃない。」
幸せそうなありさと航にあてられたのか、瑠夏はあのバーベキューの後ナンパしてきたという見た目の良い男と付き合っていた。
が、やっぱり心の底から好き、というわけにはいかないらしく。
「違うのよ、あれは。この前別れたし。」
「そうなの?」
瑠夏はお行儀悪く机に肩肘をつき、ストローで飲み物をすする。
今まで、あんまり長続きした恋はなかった。
どうしてかしら。
「そういえば、もうすぐ航先輩くるでしょ。」
「うん。」
そのとき、瑠夏の携帯が小さく振動をして、メールが来たことを知らせる。
差出人は・・・
「玉城さん?」
「うんそう。」
瑠夏は、ありさに了承を取ってからメールの受信ボックスを開き、「玉城さん」とかかれたところをクリックした。
『瑠夏ちゃん、元気?この前言っていた映画のチケット貰ったんだけど、一緒に行かない?あ・・・彼氏がうるさいならいいんだけど。』
何を言っている。
彼氏と別れたと知っているからこうして連絡してきたくせに。
そろそろ、新しい側面を切り開くのもいいかもしれない。
『元気ですよ。そうですね。行きたいです。もちろん、玉城さんのおごりで。』
くすりと笑って、そう入力する。
もちろん、本当におごらせる気はない。
「遅くなってごめん。ありさ、瑠夏ちゃん。」
「航先輩!じゃあ、私行くね。」
店に入ってきた航にありさを任せると、瑠夏はそこを出た。
真夏の日差しとアスファルトからの反射熱で目を細める。
今日も暑いな・・・
『玉城さん、お話したいことがあるので、ぜひ、ロマンティックな場所を用意してください。』
道を歩きながら先ほどの返信文にそうつけたし、送信する。
何を言いたいのか、きっと聡い玉城なら分かるはずだ。
瑠夏は太陽を見上げて、また目を細めた。
なんとなく、最後は瑠夏のことで終わってしまった(笑)
なんにせよ、ここまで付いてきて下さり、ありがとうございました。
たくさんのお気に入り登録、嬉しかったです。
一応これで本編は完結ですが、希望があれば続編が書きたいです。
・・・そしたらR15くらいになっちゃうかな・・・。
付き合って下さったみなさま、本当にありがとうございました。