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コミックマーケットへ帰還せよ!  作者: 尾久出麒次郎
8/17

二日目その1


 二日目:腐界に沈むコミケ会場


 翼は昨日と同じくホテルのレストランで合流して朝食を取り、大井町駅でりんかい線に乗ると翼は昨日と同じように庄一の分厚い金属板のような胸板に寄りかかるような体勢になった。

 国際展示場駅に到着すると、並んだ場所は昨日と違って西館待機列。翼と庄一が並んだ場所はホテルサンルート有明付近だった、そういえばこの辺りのホテルは有明ベイワシントンホテル、サンルート有明等いくつかあるがどこも満室だという。

 いいなぁ、ここに泊まれたら楽なのに。

 昨日と同じように翼はスタッフの注意を聞くと、折り畳み椅子を置いて列を離れる。昨日の殺伐とした東館待機列と比べると、和気藹々とした感じがする。翼は逆三角のビッグサイトを撮影しようとスマホのカメラを起動させ、撮影する。

 一般待機列を横目にキャリーカートを引いて会場内に入っていく人たちはサークル参加者だろう。開場前の様子はどんなものか、ツィッターで見たことはあるが一度自分の目で実際に見てみたいものだと思う。

 サークル入場していく人々の中に錯覚かと思うほどの一瞬だけ、見覚えのある人物が見えて翼は眼鏡を外して両目を擦った。同じゼミの糸川早苗いとかわさなえ堀越那美子ほりこしなみこがいたような気がした。

「糸川さんに……堀越さん?」

「どうした? 知り合い?」

「ええっと……多分……見間違いかもしれません」

 翼は自分に言い聞かせるように微笑みながら首を横に振る、まさか通ってる女子大の知人がここにいるはずがないと思ってると、庄一は少し険しい顔になる。

「う~ん、案外知ってる人かもしれないよ」

「そんなはずないですよ、来てるかもしれませんけど限りなく低いですよ」

「でも、確率は決してゼロではない。コミケカタログのマンレポを読めばわかるが、コミケ会場で偶然の再会をしたって話しもある」

 庄一の言う通りだ。今回のコミケカタログのマンレポでも会場内で、知り合いに遭遇したという話しもよくある。

「学校の先生とか嫌いな人だったら嫌ですね」

「そうだな、会社の上司とかだったらたまったもんじゃないな」

 庄一も苦笑しながら肯いた、その表情に翼は手を繋ぎたいとモジモジしていた。



 一方その頃、直人たちは西館待機列で寒さに震えながら有明フロンティアビルにあるコンビニ前で温かい湯気の立つカップラーメンを立ち食いしていた。

「美味しい! カップメンがこんなに美味いなんて思わなかったわ!」

 玲子は熊本人だからなのか、とんこつ味のカップメンを立ち食いする、コミケは初めて来たとは思えない程の順応振りで、一成も嬉しそうに塩味のカップメンをすする。

「だろう? この寒い中でカップメンは絶品だぜ!」

「ほんとね! ところで一成君この大きな荷物は?」

 玲子は大きな荷物が入ったバッグを見下ろしながら訊いた。今日、一成はサークル参加するわけでないのに何が入ってるんだろう? 直人はしょうゆ味のカップメンをすすりながら思ってると一成はスープを飲み干して答える。

「今日はな、コスプレして午前中は適当に回って午後からコスプレあわせをするんだ」

「コスプレあわせって?」

「簡単に言えばみんなでテーマに沿ったコスプレをしようってこと、オイラもそれに参加するんだ」

 そういえばこいつ、二日目はコスプレするとか言ってたな。何が入ってるんだろう? 直人がスープをすすると玲子が代わりに訊いてくれた。

「どんなコスプレするの? やっぱりアニメキャラ?」

「これだよこれ、対リア充部隊――ARLC(Anti Real Life Command)通称:アリックさ、ネタに走ったコスプレ集団なんだ。今日サークルで参加もしてるよ」

 一成は左手でタブレットを取り出す。それなら直人も訊いたことがある。元々は壁殴り代行を行うという設定の民間軍事会社、パンチングウォール社(略称:PW社)の一部過激派社員が独立して作った武装集団だという。

 一成のタブレットを見ながら玲子は興味津々の様子だ。

「へぇー凄い本格的ね」

「どれどれ俺にも見せてくれ」

 直人もタブレットの画面を覗く。

 確かに本格的でそのままサバイバルゲームに行ける装備で私服の上にボディアーマー、ヘルメットにはナイトビジョン、手には小さなダットサイトが載ったACOG光学照準器付きのミニミ分隊支援火器(SAW)を持っていた。

「クリスマスの時のもあるぜ」

 すると一成はスライドさせて別の画像に切り替えると、サンタの格好でミニミを持っていた。

「おお! でもこれ、お前一人じゃね?」

 直人の一言に一成はグサリと来たのか、手を止めた。

「ち……因みに、玲子ちゃんと直人はクリスマスどう過ごしたの?」

「あたしは御幸と桜と三人で過ごしたわ。これがその時の写真」

 スマホを取り出した玲子はスマホの画像を見せる。懐かしいな、化粧してるとはいえわかる。画像にはどこかの居酒屋で玲子は塚本御幸や本島桜とビールのジョッキを持って乾杯していた。


『来年こそは彼氏とクリスマス!! &独身脱出!!』


 そう派手にデコレーションしてるが多分来年も同じことになりそう、そう思ってると玲子は妬ましげな眼差しで訊いた。

「佐久間はどうせ家族と過ごしたんでしょ?」

「何故わかった?」

「あんなに美人の奥さん持ってるからな!」

 一成は嫉妬の眼差しで見つめると素直に白状するため、スマホを取り出して見せる。

 今年のクリスマス、息子と妻の実家があるヘルシンキで過ごした時の写真を何枚かスライドさせる。

「ほら、これだよ。女房の実家があるヘルシンキに行く時に撮った奴さ」

「あっ! ちょっとこの写真何!? まさかファーストクラス!?」

 玲子は直人がスオミエアーの機内でご満悦な様子で座ってる写真を見逃さなかった。

 クリスマス前に成田~ヘルシンキ線のA340の機内で撮ったものだ、直人は面倒臭いと思いながら白状する。

「正確にはビジネスクラスだ、スオミエアーにファーストクラスはない」

「この上級国民め! 金も自由な時間もあるうえに綺麗な奥さんや可愛い子どもを持って人生イージーモードか!?」

「じゃあ一成、お前働けよ。いい大学出てるんだし」

 あまり言いたくないが言わないといけない言葉を言うと、一成はドヤ顔で言った。

「ふっ、働いたら負けかな? と思ってるんでね」

「働け! 童貞クソニートが!」

 次の瞬間、一成は玲子の右ストレートを右頬に受け、更に頭部を真っ二つにされるくらいの手刀打ちを受けた。この分だと喧嘩の強さも衰えていないようだと、直人はなぜか安堵した。



 午前一〇時、開場アナウンスを会場内の西館と東館を繋ぐ通路(誰が言ったか通称:ゴキブリホイホイ)で聞いた。庄一は拍手を終え、東ホールガレリアに降りて東4・5・6ホールに入ると、ここで翼と別れる。

「それじゃあ中島さん、気をつけてね」

「はい! 頑張ってきます!」

 翼はピシッと敬礼するが庄一はまるで様になってないな苦笑し、別行動に入る。一度外周部である東トラックヤードに出て東7ホールに向かう、そこの鉄道・旅行・メカミリ系のブロックに向かっていた。

 だが今回行く東7ホールは行き慣れておらず現在地はわかり辛い、予定より遅れていつも行ってる銃火器の研究サークル『オープンボルト』に到着すると、親しげに声をかけられた。

「おおっ! 外人部隊の旦那!! 今回も生きて帰ってきたか!!」

「もう退役した身だよ」

「いやいや、戦争帰りの兵隊さんって平和な生活に馴染めずに自ら命を絶つ人が後を絶たないって聞くからさ」

 彼の言葉は軽いが、庄一には重く聞える。

「僕はまだ大丈夫だ、あんたも受かったんだな」

「へへへへ! 常連だしな! それと旦那、いいことあったのかい? 顔に出てるぜ」

「そうかい?」

 庄一は四ヶ月ぶりに見る顔に微笑みながら歩み寄る、このサークルは世界各地の紛争地帯で使われる兵器を研究しているという。

「聞いたぜ旦那! FAMASを退役させてHK416Fにするって話し!」

「どの道僕が手にすることはもうない、フランス外人部隊はもう退役した。今はただのプー太郎さ、それで? 今回はどんな本を作ったんだ?」

 庄一は新刊を訊くとサークル主に訊く。表紙は訓練で使ったことがあり、実戦で嫌というほど恐ろしさを味わった重機関銃だった。

「ブローニングM2重機関銃だ旦那も使ったことは?」

「あるどころかこいつと撃ち合ったことがある。仲間が狙撃銃で仕留めようとしたら両腕と頭を持っていかれたよ。その後は僕がAT4で陣地ごと潰したが」

「うっへぇ……旦那の話はいつも生々しいな」

 庄一は高校卒業後、家族や友人にも告げずフランス外人部隊に入り、それから七年間世界各地の紛争地帯に派遣され、幾多の死線を潜り抜けてきた。

 そして今年の四月に退役し、戦場で知り合った日本人の仲間と金を出し合い、熊本で買った中古住宅で貯金を切り崩しながら生活してるがそれももうすぐ終わる。

「一冊いただくよ」

「ありがとうございます! そうだ旦那、打ち上げに参加しないかい?」

「いや、すまないが今回は一人じゃないんだ。新兵を連れてきたんだ」

「そうか、それじゃ幸運を祈る! 米やんとイワエモンのご加護を!」

 庄一は新刊を買ってサークルを後にすると、次のサークルへと向かう。

 さて、自分は今無職だが今年の四月まではフランス外人部隊、それも精鋭中の精鋭である第二外人落下傘連隊の中のパラシュート()コマンドー()グループ()という特殊部隊にいた。

 表には出せない血生臭い作戦を多くこなしたし、多くの人命を奪った。

 この血で穢れ切った手であの無垢な少女の綺麗な手を握っていいわけがない。

 そう考えてると目標のサークルがあるブロックを過ぎてしまった。

「いかん、今どの辺りだ?」

 庄一は地図を取り出して位置を確認する。

 参加者は宝の地図とか呼んでるが誰が言ったんだろう? 庄一には作戦区域の地図の方がしっくりする感じた。すぐに位置を割り出して来た道を戻ろうとするが、どこもかしこも人口密度が高い、遠回りで歩いて戻ることはできたが時間をロスしてしまった。

 これも平和ボケか、そして旅客機の写真集を出してるサークルに行く。

「すいません、新刊て……これですか?」

「はい、忙しくてなかなか納得のいくのができなくて夏は新刊落としましたけど、今回はその分いつもよりボリュームを増やして作りました」

 サークル主は誇らしげに言うと庄一は取ってページを捲りながら訊く。

「どんな所が納得いかなかったんですか?」

「いろいろこだわり過ぎちゃったのもありますけどね、今度製作される『みこな☆テイクオフ!』に出てくる魔法少女、エアバス機がモデルみたいですよ!」

 なるほど、後半には羽田や成田、関空で撮ったエアバス機の写真だ。なるほど、こだわった部分というのは航空会社まで絞ったらしい、例えば羽田ゆめみはFEAの787、千歳いちはドイツのアイゼンフォーゲル航空の747-8だ。

 しかも今度の主人公である大田みこなはエア・スカンディナビアのA350らしく、成田で撮った写真が掲載されていた。

「二冊下さい」

「ありがとうございます! 一〇〇〇円です」

 庄一は一〇〇〇円札を出して二冊買う、自分用と翼用のだ。あの子、喜んでくれるといいな? 昨日みたいに無邪気で可愛い瞳を輝かせてくれるかな? 楽しみだと、口元が思わず緩んでることに気付く。

 ああ……そうか、僕はあの子とのコミケを楽しんでるんだな……最初は危なっかしくて誰かが見守ってあげないと、そう思っていたがやれやれだ。

 あの子の手を握ることはできないが、それでも……できることはまだある。



 翼は東1・2・3ホールで買い終えると、東4・5・6ホールを通過してトラックヤードに出る。ここを出ると昨日と今日限定で防災公園がコスプレエリアとして解放されている。

 第九〇回から解放されて以来、開放的で広いからか大評判だという。

 でも翼は川西さんと回りたいと思ってLINEする。

『川西さん、今どの辺りですか?』

『今、買える物は買って東7ホールを出て東6ホールのトラックヤードにいるよ』

『あたしもそこにいます! ちょっと早いですけど、合流して一緒に防災公園見に行きませんか?』

『わかった、屋台前で会おう』

 もしかすると来てるかもしれない、翼は周囲を見回すとすぐに見つけた!

「川西さーん! ここでーす!」

「よく見つけたね」

 早歩きで来た庄一は感心した様子で微笑むと、翼は猫を被って上目遣いであざとくウィンクした。

「だって……乙女の勘は鋭いんですよ」

 恋する乙女のね! 翼は内心付け加えて完全にぶりっ子のやり方に、恥かしさと自己嫌悪が徐々に湧いてきて悶え死にそうになって防災公園へと歩く。

 やだもう馬鹿馬鹿! 恥かしい! あたしったらなんてことしてるのよ! 庄一は知ってか知らずか右手を顎に当てる。

「なるほど、女の勘は鋭いと聞いたが……まるでフェイズドアレイレーダーだな」

 それで一気に萎えてずっこけた。

「もう! 庄一さんの馬鹿!」

「ん? 僕が何かした?」

「知りません!!」

 もう! 庄一さんの馬鹿!! 鈍感!! 翼は思わず名前で呼び、不機嫌な顔で頬を膨らませる。庄一は首を傾げてオロオロと困惑してる様子、でもこれってデート中に年下彼女の機嫌を損ね、どうすればいいかとオロオロしてる年上彼氏みたい。

「すまない、何かのしたなら謝るよ。すまなかった」

「……いいんです、あたしの……思い上がりです」

「えっ? うおっ!」

 庄一が一瞬の隙を見せた瞬間、翼は庄一の右上腕に腕を回して胸を押し付けた。これが夏だったらいいのに!

「中島さん?」

「もう気にしてません、楽しみましょう!」

「あっ、ああ」

 庄一は困惑し、防災公園に入るとどこからか嫉妬の視線を感じるが、翼はこれ見よがしに甘えるジャンガリアンハムスターのように擦り寄る。

 そう思っている時だった、翼はどこかで見たことのある人が目に入る。ネットで見たことのある人でスマートフォンの某アイドルゲームのキャラクターだった、翼はスマホを撮り出すと、庄一もそれに気付いた。

「庄一さん、あの人撮ってきますね」

「ああ、君はスマホゲーとかするのかい?」

「いいえ、ただ……どこかで見たことあるような気がするんです」

「確かに見覚えがある……しかも君と行く時だ」

 庄一も思い出そうと考える、翼は確か熊本で見た気がした。確か行く時に飛行機内で……あっ!? 翼が思い出すと同時に庄一もそのまま言葉にした。

「そうだ、確か東京に行く飛行機で離陸前のセーフティビデオに出てた」

「森高美波さん!」

 翼は確信してその人に声をかけた。

「あ、あのすいません! 撮ってもいいですか?」

「はい、いいですよ!」

 やっぱり! 確信した通りだ。翼はいくつかのポーズを撮影すると、モジモジしながらお礼を言って訊いた。

「あ、ありがとうございます……あのもしかして森高美波さんですか?」

「はい、森高です。今日はちょっとお忍びでね」

 当たりだった。森高さんはウィンクしながら口元に人差し指を立てる、翼は高揚感で笑みを浮かべながら思いをぶつけた。

「あの! あたし、昔から魔法少女が好きでいろんな魔法少女見てきたんですけど、なんだか最近のは殺伐としていて、世界の命運を背負う使命とか、絶望や代償に押し潰されるような重いものが多くて……その、なんだか……」

 ああどうしよう! 言葉が出ない、せっかくゆめみちゃんが教えてくれたことを話したいのに! もどかしい気分だった。すると森高さんは優しく口元を緩め、慈しむような眼差しで翼を見つめる。

「ファンの人たちも言ってたわ、魔法少女を見るのは初めてなのに……こんなに懐かしい気持ちになるなんてって」

「はい! そうなんです! これが魔法少女のあり方なんだって!」

「私もね、最初は今流行りのダークファンタジーなのかな? って思いながらオーディション受けたけど……台本を読んだ時に、ああ……これは古典的な魔法少女のお話なんだって!」

「あたしもそう思います! あの……みこな☆テイクオフ……ゆめみちゃんたち出てきますか?」

「今は言えないけど……期待してていいわ。さて、そろそろ移動しないと」

 森高さんは荷物を纏めて移動準備にかかる。

「あれ、もう行くんですか?」

「ええ、二〇万人の人が来るからね。私が来てるって情報出回ってるから頻繁に移動しないとすぐ囲まれるの……気が向いたら企業ブースのFEAのスペースにおいで、機長の制服を着た桑上紀子くわがみのりこさんが来てるわ」

「ええっ! 桑上さんが!?」

 思わぬ情報に翼は思わず声が翼は裏返った、音無みつぎ役の桑上紀子さんはクールビューティーな女子高の王子様や、儚げで線の細い美少年役に定評のあるベテラン声優だ。

 本人もクールビューティーな美人さんだという。

「うん、企業ブース閉幕の一七時までいるから」

「はい、ありがとうございました!」

 お礼を言ってその場を後にすると、庄一は気を利かせてくれたのか「後で企業ブースに行こう」と言ってくれた。

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