第6話 ねえ! 大ニュース!
自分たちの教室に戻ってきたメグミたちは、急に「自習」を言い渡されていた。
召喚魔法の実習―一それで、異世界人を召喚してしまうという、ものスゴいことをメグミはやってしまった。その時の感覚がまだ残っている。
(私、本当に魔法を使ったんだ……)
清蓮学園に入学したのは四月。それから何度か魔法実習は行われたのだが、今日ほど魔法を体感したことなどなかった。
メグミはこっそりスマホを見た。昔、父親に撮影してもらった写真を表示する。
それはまだ六歳の頃、当時人気だった魔法少女のコスプレをさせてもらって、ポーズを決めている自分。『将来の夢は正義の魔法使い!』そんなことを言っていたあの頃の自分を思い出して、恥ずかしくなってしまう。
(いまさら、魔法使いなんて……)
「ねえねえ、私たちって異世界人を召喚した最初の人物として名前残っちゃうのかなぁ?」
うれしそうにメグミに話しかけてきたのは童顔、ツインテールのマナミである。
名前が残る――?
普通に考えればそうなるだろう。なにしろ、この世界で初めての偉業なのだ。
(あまり騒がれるのは嫌だなあ……)と、メグミは口をへの字に曲げた。
「記者会見とかあるのかなぁ。どうしよう、美容院に行く時間くらいは待っていてほしいのだけど」
「……あんたは幸せそうでいいよね」と皮肉を言うのだが、マナミは「うん!」と喜ぶ。それを見て、メグミはため息をつくのだが――
「ねえ、マナミとリナは召喚の時、どんなことを感じていたの?」
メグミは魔方陣を前にして、いろいろと格闘していた。それは肉体的なモノではなく、精神的に――頭の中に浮かぶ『抵抗』に対し、なぜかムキになっていた。あれって、二人も『共有』していたのだろうか?
「どんなって、『なにか、スゴイのが現れますように――』って、ずっと考えていたけど……」
「それだけ?」
「うん、なんで?」
マナミの質問に、「いや、ちょっとね……」と、言葉を濁す。
「リナは?」
「――特に――何も」
赤い縁の眼鏡をかけたリナは何のリアクションもないまま、そう応えた。
(ということは……あれを感じていたのは私だけ?)
そう考えるとわけがわからなくなる。でも、確かに感じていた『手ごたえ』。今から思い出しても、メグミはカラダがゾクゾクっとする気分になる。
(なんだったのだろう、あの感覚は……)
「ねえ! 大ニュース!」
教室の扉が突然開いたと思ったら、赤毛ギャルの西園寺琴子がそう声をあげた。
自習時間だからって、教室から出てはいけないのでは? そんなことを、メグミは思ったが口には出さない。琴子と仲が良い馳川亜紀が、「何事?」と尋ねる。
「さっき召喚された男、なんと、ウチのクラスの副担任になるらしいよ!」
――――――――えっ?
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」




