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序・曾祖母の墓参り
昭和八年、夏。
盆を迎えるにあたり、私は娘の泰子を連れて汽車で京都に向かっていた。
今年は、春先に亡くなった曾祖母の初盆に当たる。
料亭の女将として生き、隠居した後も長生きした曾祖母は、ひ孫の私が若狭の小浜に嫁に行くと聞いて、嫁入りする前にいろいろな話を聞かせてくれたものだった。
曰く、この世には不老不死の尼がおり、今でも何処かに人目を忍んでいるのだという。
そして、故郷である若狭の国に時折姿を現すのだとか。
汽車に揺られながら、私はそんな祖母の話を思い出していた。




