冒険者は役に立たない
取り合えず一段落ついたな。
俺は全てのブッティと自然薯棒を次元倉庫に入れた。
予想外だったのは、冒険者が逃げたのとミリアが強くなりすぎたくらいか。
「そういえば、ミリアの強さって常闇ノ不死王と同じくらいに戻ったの?」
その問いにミリアは首をふる。
現状は常闇ノ不死王の百分の一位だそうで、称号も現在はないから、実質二百分の一以下らしい。
「もう勇者でも常闇ノ不死王でもないから、レベル上限あるしね」そう言うと、クスクス笑いだした。
不意にわかった、俺はミリアの笑うところが好きなんだ。
骸骨でも肉体でも、笑いかたが全然変わらない、そんなミリアが好きなんだ。
「ところで、ヴィクトルは自分の力に振り回されないようにね」
「ん? どういう意味」
「巨大な力は人を狂わせるってこと」
「俺は…… いや、そうだね、気を付けるようにするよ」
確かに最近、調子にのってる気がする。
言われてみれば、殺すぞなんて今までの俺だったら絶対に言わなかったもんな。
やっぱり、ミリアは俺の師匠だわ。
『ボアナイトとブッティロードを吸収して新しい魔法できました』
ボアナイトからの獲得物
ブッティ本体 4万g×6
大猪 2万g×6
旬の竹の子の槍 6千g×6
取得魔法
名称:ドヤン
残魂:33
効果:回転する1tの丸い岩が敵を襲う、自動追尾。
ブッティロードからの獲得物
ブッティロード本体 5万g×1
幻覚きのこの 30万g×1
取得魔法
名称:キメドラ
残魂:27
効果:広範囲に幻覚を見せ、幸せな気持ちにさせる。
ブトンの残魂も300越えたし、上々だな。
分配って言っても大体ミリアが倒してるしな、全部ミリアので良いか。
「結構な量の素材あるから 、町で換金したら渡すね」
「私は、いらないよ? これからも討伐するだろうけど、全部ヴィクトルが管理してね」
元アイドルさんだからお金の管理苦手なのかな?
「わかった、預かっておく」
「違う違う、全部ヴィクトルの物だよ、欲しいものがあったら、ヴィクトルに買ってもらうから」
そう言うと、俺の腕に体を絡ませて上目づかいをする。
ぐうっ、何でも買いますよ!
ええ、ミリアのためなら、お城だって買っちゃうんだから!
さて、それはそうと、そろそろ助けてやるか。
俺は、捕らえられている人たちのところへ足を運んだ。
テントの中は、幻覚きのこが焚かれていて、焦点が合わない目をしている少女達がいた。
超怖いんですけど、上の空でよだれ滴しながらヘラヘラ笑ってるんですけど。
麻薬ダメ、絶対!
「これは、換気が必要だね」
ミリアがそう言うと、テントを切り裂いた。
どうしようこの子達、まともに歩けそうにないし、そう考えてるとマップにまだ先ほどの冒険者がいることに気がついた。
「あ、閃いた」
俺はそう言うと呪文を唱えた標的は当然冒険者5人だ。
「ブトン」
「ミリア、ごめん冒険者つれてくるの手伝って」
ミリアはコクンとうなずくと俺の後を追う。
冒険者5人は気絶していた。
まだ10分たってないから、1tの重みあるんだよな?
『持つ分には 、体重分の重みしかありません』
まじか
『マジです』
「サイコキネシス」
そう言うとミリアは、冒険者を空中に浮かせた。
マジなんなのこの子、最強すぎやしませんかね。
俺達は冒険者を、囚われた子達の側に寝かせた。
「よし、後はこいつらに任せよう」
「ねえ、ヴィクトル?」
「どうしたのミリア」
「もし、もしだけどね、私が囚われるような事があったら、助けてくれる?」
ミリアが囚われるの想像つかないんですけど、仮にそんなことがあったら、ミリアを奪い去った奴、殺せるね、呪いで殺す自信あるね。
「当たり前だろ、宇宙のハテでも助けにいくよ」
「そっか、なら私はヴィクトルが囚われたら、次元を越えて助けにいくからね」
そう言って、にこやかに笑うミリアは少し悲しそうだ。
ふとラリってる娘を見ると、どこかで見たような服装だ。
そう言えば、この貴族の娘って 、俺を騙そうとした連中の馬車にいた奴じゃないのか?
俺たちを睨みながら抜いていったのは抜いていったのは5時間前、町まではまだ馬車で10時間以上ある、つまり、この冒険者達は、貴族の娘を助けに来たわけじゃない。
そう考え直し、もう一度囚われてる娘たちを見直した。
貴族の娘は普通だな。
そして、奴隷の娘、と村娘。
奴隷? 人間なのに? おかしい、なんだこの違和感。
詳しい詳細を見た。
奴隷 人間 LV1 イリィス 戦闘力0
ステータス封印
この世界の奴隷は魔族とのハーフで構成されているので人間の奴隷はいない。
『裏市場で取引されている、奴隷だと思われます』
あぁ、やっぱりそいうの、あるのか。
ステータス封印ってのは?
『ステータス封印されている状態ですと、全てのステータスが見れなくなります、能力値が実際とは違います』
「ミリア、もったいないけど魔法使って良い?」
「ご主人様の思うままに」
そう言うと、スカートの裾をつまむふりをしてペコッとお辞儀する。
まあ、今、ミリアさんは、ズボンですもんね。
俺は覚醒魔法を唱えた。これはミリアオリジナルの魔法だ。
目を覚ました、奴隷の女性は俺をにらむ。
「勘違いしないで貰いたいんだけど、俺は君を助けた勇者、君は囚われの姫いいね?」
訝しげに俺を見つつも、素直にうなずく。
「俺はヴィクトル、こちらの素敵な女性はミリア、そして、君の名は?」
どうぞと、手のひらを向ける 。
ミリアさんをさりげなく持ち上げる俺まじイケメン。
「私は無所属地域にある、グレスドレア国の第二王女です」
ガチで姫だった、そして厄介事だった……




