6 オールトの雲の彗星養成所所長殿、調査完了です。
「オールトの雲の彗星養成所所長殿、調査完了です。」
「ハレー彗星殿、ご苦労様です。早速、報告をお願いします。」
「はい。報告致します。」
「ハレー彗星。無理してちゃんと話さんでいいぞ。
何か、こっちも調子がおかしくなりそうだ。」
「たすかりますわ。
で、結論から言いますと、単なるわき見運転や。」
「ハァ!?」
「もう一度いいますわ。わき見運転。」
「何を見てたんだ。」
「木星はんだす。」
「ハレー。もう少しかみ砕いて説明してくれ。」
「シューメーカーは木星はんに一目ぼれして、木星はんを見つめてたら
地球はんの軌道上に乗ったために木星はんがそれを阻止し
シューメーカーは木星に吸収されつつある。
しかし、それは彼女の望みであり、今は木星はんの奥様になりました。
こんなとこでんな。」
「理解が追いつかん。」
「要は、重大な衝突事故も起きずに、
シューメーカーの破片も宇宙に飛び散ることなく、
木星にシューメーカーがお嫁さんになってみんなハッピーってこった。」
「まだ、追い付かん。」
「ゆっくりでも理解してーな。ワテ、お茶でも飲んでるさかい。」
* * * * *
「ハレーよ。結論は、うちの彗星養成所のカリキュラムには問題は無かった。
そうだよな。」
「そうや。『わき見運転は禁止』だけやわ。」
「シューメーカーはわき見運転した結果、木星に衝突した。
これだけだな。」
「そうや。単純やろ。」
「そうだな。でも、ホッとしたわ。」
「そんなに問題に?」
「ああ、シューメーカーは首席卒業だ。それで衝突だろ。
教育が間違っていたんじゃないかと。うるさいんだ。」
「わき見運転禁止だけ、教材に入れよるんやな。」
「そうするよ。奥さん云々は要らないな。」
「要らんな。」
「ハレーよ。ご苦労だったな。」
「ほんまや。ワテにこんな遠くまで呼び出しよって。
ワテも疲れるんよ。
木星はんとシューメーカーはラブラブや。お姫さんだっこだと。
もっと、疲れたわ。」
「プゥ、・・・。
だが。シューメーカーは満足してるんだな。」
「そうや。」
「それなら……。いい。」
「所長殿、報告を終わります。」
「ハレー彗星殿、報告ご苦労。」
「お茶、ありがとさん。うまかったで。」
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