gr 00 3-28
深い時間に失礼します。
久しぶりに連投してみました。
ご一読下さると嬉しいです。
総司令とかが最側近っぽいのを引き連れて近づいて来る。
震えが止まらなくなっていた。
それでも信者達の眼がある。
らしくない勇気を振り絞って、
「い、いったい、なんの御用で……」
最早ガチブルだが、
(逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ)
しかしそこで閃いた。
(やはりオレはカシコい!)
らしいイキリを取り戻す。
(こういう時はこう言えばこういう輩は撃退出来るのだ! それが相場というものだ!)
「ち、ちみたち失礼だぞ! こ、ここをどこだと思っているんだ!」
それでもかんで言い淀む。流石に眼の前に武装したガチの兵隊がいるのである。確かにコイツの性根はどうしようもないチキンではあるが、このシチュエーションでは流石にタクヤでなくてもビビりを払拭出来はすまい。
だが言い切ってやった。
「令状はあるのかね? 逮捕令状があるとでも言うのかね?」
捜査令状と逮捕状と言いたかったのであろうか?
ここまで定型文を言い切るとイキリは調子に乗ってアドリブをかました。
「こんな原始社会にそんな高度な文明社会の結晶があるとは到底思えないがなあ!」
すると視力検査が出来そうな距離で総司令がぴたりと立ち止まった。何とこの原始時代の権力の犬は懐から何か取り出しやがった。異世界ファンタジーお馴染みスクロールである。
「ま、待て。早まるな」
タクヤが咄嗟にこんなことを口走ったのは、勿論、ゲームやマンガ、ラノベの影響である。コイツのような現代人からしたら、スクロールに書いてあるものといったら、魔法に決まっているのだ。そんなモン唱えられたら、なすすべも無く消炭だと思ったのだ。
「は、話せばわかる。わかりますから、そ、そ、そ、それだけは……」
だが違った。杞憂であった。タクヤは思い出した。このくそみたいな異世界モドキには、魔法なんぞない。なかったのである。
(あったとしたら、それをこんな地方の警官に毛の生えた様な見るからに筋肉バカの輩が使えて、この勇者様が使えない等ということがあるだろうか? いや、断じてある筈がないのだ!)
総司令官はスクロールをするすると解くと何だか読み上げ始めた。タクヤにとって、それは最早異世界あるあるである。「(ワ○ルドト○カー)によって何を言っているのかはわかるが、内容は一切理解出来ない」である。唯一解ったのは、それが逮捕状の類だというくらいだった。
だが、魔法による瞬殺から逃れたことが、このバカに多少の知恵を働かせる余地は与えた様である。知恵といっても何しろコイツである。浅はかなものなのだが。
如何だったでしょうか?
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今後の参考になりますし、何より作者が喜びます。
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私が気に入らないのなら、どうぞ私を御批判下さい。全ての作品に禄に読みもせず、同時に一つ星を入れるという子供っぽい嫌がらせは止めて頂けますか。




