第十五話「7日目まで」
亡骸を片づけた後、集まった村の人々と共にロッチの酒で祝杯を上げた。乾杯の音頭はジードがとった。なんつーか、見た目的にもこいつが一番村長に向いてるよな、なんて眺めながら思う。
乾杯の後、礼を言いに来た村の娘たちの話を聞くと、彼女らも彼らにしつこく言い寄られていたことがわかった。サミーや他の連中の生産活動がなかなか進展しないのも、彼らに対する不安でいっぱいでそれどころじゃなかったからかもしれないな。
話もそこそこに俺はロッチの作った酒をマシューやジード、セラやガラットと浴びるほど飲み続けた。ビールは昨日よりも更に味が上がっていた気がする。ぐいぐい飲めてうまい。今日はセラも随分飲みっぷりがよかった。セラの容姿をみるとまだ未成年なのかもしれないが、まあこれはゲームだしな。実は結構年上だったりしようが、そのままの見たまんまの年齢だろうが、特に咎める理由は無いだろう。さすがにリーンは若すぎるから牛乳で我慢させているが。「ずるいのー!」と頬を膨らましながら拗ねてたけど、もう少し我慢だな。つーかそういう所作もまだまだ子どもだ。
酔いがまわったセラはなかなか饒舌で、俺は途中からずっと彼女の話の聞き手に回っていた気がする。なんだかんだ彼女はよく周りにいたが、あまり話をして来なかったからな。彼女の話すことは食堂の苦労話がほとんどだった。まあ宿の方は俺達以外客がいないみたいだしな。村に住む連中の家が建つまでは彼らも宿を家代わりに使っていたらしいが。
そうして飲み明かし、気が付くと皆寝ていた。リーンは先に部屋に戻ったのを覚えている。俺は酔い潰れたセラを宿の部屋に送り届けた後、部屋に戻って寝た。やましいことはしなかった。飲みすぎて頭が痛かったしな・・・。
二日酔いで昼過ぎに起きた7日目は、村でジードやセラと今後についての話をした。その結果、もうしばらく村には滞在することにした。
それには理由がある。戦闘職の練習を失ったソルディアには、俺達以外の旅人も訪れる気配が無い。よって、俺達がいなくなると7日目以降に現れるという凶暴化したモンスター達に対抗する手段がほとんど無い。だから格安で村に泊まらせてもらうこととを条件に、俺とリーンはそれが落ち着くまでは滞在することにしたのだ。
まあ俺達も8日目からの魔物がどれほど凶暴になるか正直不安もあるので、これはありがたい話であった。
その後は宿でごろごろして過ごした。狩りに行ってもよかったが、昨晩飲みすぎて本調子じゃない。ていうかめんどくさかったというのが本音だ。
ゲーム内フォーラムでは相変わらずレアアイテムとPK自慢、煽り合い中心の呑気な流れが続いている。これが明日以降どうなるだろうか。悪趣味かもしれないが、少し楽しみではあるな。
そんなことを考えながら俺は、呑気に7日目を終えた。
そしていよいよ8日目が、始まる。




