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第48話 賽は投げられた

 絶対的な数で負けている上に防衛していたのではタイレンの町がいつか陥落すると判断したソウケンは、下手をすればそれこそ全滅しかねない博打ではあるがこちらから魔王軍に攻撃をしかけた方が良いと判断した。

 そして現在ソウケン率いる騎士団はタイレンの町から歩いて二日くらいにある村ハンダルクにてそこを占領していた魔王軍の部隊と接触し村を解放するために戦闘を開始した。



「魔法隊!弓隊!弾幕を張れ!少しでも数を減らすために撃てるだけ撃て!前衛の負担を下げろ!前衛部隊は後衛部隊の弾が切れ次第前進する準備をしておけ!」 



 後衛部隊の攻撃によって魔物を百五十程度減らすことに成功し魔物達は少し怯んでいるようであった。これを好機と見たソウケンは前衛部隊に突撃を指示した。



「今だ!前衛部隊前進!突出して出過ぎるな!戦線を維持しろ!」



 タイレン率いる騎士団がソウケンの号令のもと魔王軍の魔物達に向かって突っ込んでいった。

 騎士達が魔物達とぶつかり合い次々と撃破していく。


 数にして騎士団五百に対し魔物軍は千五百。

 ソウケン率いる精鋭達は魔物の反撃など物ともせず少し引いては突撃をして少し引いては突撃をと攻撃繰り返していった。


 前衛隊は奮戦をしているが数の差を覆すとまではいかず、はじめ方こそ勢いはあったが次第に数でおされはじめた。



「そろそろ危ないな。下がれ!」



 ソウケンの指揮に従い後ろに下がっていった。

 魔物達はそれを逃がす気はなく追い討ちをしかけてきた。


 それを騎士達は巧みに防ぎ被害を出すことはなく後退していく。



「行くぞお前ら!突撃だ!魔物どもを蹴散らせ!」


「今だ!突撃するよ!」



 魔物達の部隊が追撃のために隊列が乱れきったタイミングで隠れていたフランツが率いる百人の冒険者達による部隊が魔王軍の右翼をリュカ率いる同じく百人の冒険者部隊が左翼を攻撃した。



「全軍反転!突撃!敵を殲滅するチャンスだ!遅れるなよ!」



 後退していた騎士団も反転し魔王軍に向かって突撃をしかけた。

 三部隊による挟撃により魔王軍は潰走し退却を開始したが大幅に戦力を削ることができる機会をリュカ達が見逃すわけがなく徹底した追撃をしかけた。



「バカな!人間どもにここまで徹底的にやられるとは……こいつらは脅威だ。野放しに出来ぬ!ロキ様に報告しなくては!」



 オークの上位種族でこの部隊の指揮官であるオークロードはほうほうの態で逃げ出そうとしたがそこにフランツが突っ込んできた。



「指揮官か!見つけたぞ!」


「クッ!人間がお前ら俺を守りやがれ!」



 オークロードの周りにオークやゴブリンなどの魔物が十匹ほど現れフランツとオークロードの間に壁を作った。



「どけ!」



 フランツが大剣を振るとそこから斬撃のようなものが飛び出て一瞬で魔物達が消し飛んだ。

 この剣は祭壇で魔王の力の欠片を封印していたものであり、ロキが祭壇から抜き放ったものを回収したフランツは自分の物にしていた。


 どうやら魔剣の類のものであったらしくフランツの意思により斬撃のようなものをとばせるようであった。



「役に立たない奴らだ!よかろうこのわしが自ら貴様を倒してくれよう!」



 そういってオークロードは剣を抜きフランツに斬りかかった。

 フランツは大剣を軽々と振り回してオークロードの剣と打ち合った。


 さすがに指揮官であるだけあってその力は他の魔物とは桁外れだったが、ありえない速度で強くなっているフランツの敵ではなく二回ほど打ち合って剣を折りオークロードを横から真っ二つに斬り捨てた。

 オークロードの体から赤い石のようなものが落ちた。



「ん?なんだこれ?」



 フランツはそれを拾い首を傾げた。

 それを懐にしまい声を張り上げて勝利の宣言をした。



「敵将討ち取ったぞ!」



 フランツの宣言により味方の士気が上がった騎士や冒険者達は勢いに乗り、あっという間に魔物達を殲滅してしまった。

 戦闘後ハンダルクの村にリュカ達が入るとそこには魔物達が暴れまわった痕跡が残されていた。


 抵抗したのか村には柵などを作りちょっとした防衛ができるように改造されていた。

 そして全員総出で村を捜索したが生存者は一名もいなかった。



「残念ながら誰も生きていなかったよ。どうやら食料扱いにされたようだね……」



 ソウケンが静かに怒りながら言った。



「胸糞悪い話だ!人間が食料だって?バカにしやがって!」


「フランツ。気持ちは分かるが落ち着け。先に体が残っている人たちを埋葬してあげよう」


「ああ……」



 その後村人達を埋葬し、残っている食料や使えそうな武器を探し集めた。

 今後のことについて話し合った結果この村を拠点として各方面に部隊を派遣するため砦に改造することとなった。


 というのもタイレンに行くためには周りが高い山脈に阻まれているため必ずこの町を通過しなければ行くことが出来ないため自然の要塞となり得るここに防衛をする拠点として立地するのに都合がよかったからである。

 ユーリとカイルに十人ほど冒険者達を付けタイレンに送り、物資の補給を頼むとともに職人達を派遣してもらうように要請した。


 初戦はリュカ達が勝つことに成功したが、状況的にまだまだ油断なかった。

 気がつけばリュカは今後について考えながら机に突っ伏して寝ていた。

 なんかいつの間にやら戦記もどきに……タグつけときますか……


 誤字脱字、感想がある方はよろしくお願いします。m(_ _)m

 また、勝手にランキングを設置しているので良ければ一日一回クリック出来ますのでよろしければお願いします

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